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東芝医療事故死12年「明日は我が身」<本澤二郎の「日本の風景」(4407)
2022/04/07 09:272
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東芝の医療事故死12年「明日は我が身」<本澤二郎の「日本の風景」(4407)より、転載させて頂きました。
<東芝経営陣に対して反省と謝罪を強く厳しく要求する!=社会的責任を回避・逃亡することは極悪非道の財閥企業と断罪>より、転載させて頂きました。
した。
桜散る4月7日は、東芝病院で命を取られた次男正文の命日だ。父親は今も正文のベッドで寝起きして、人知れずペンを磨いて、姿を見せない国家主義者らの抵抗と戦っている。東芝は知る人ぞ知る武器弾薬製造会社だ。原子力ムラの防護服を着ていることも分かってきた。だからといって、人の命を奪う大罪に対して、反省と謝罪をしない反社会的企業であることを継続することは、日本社会も国際社会も許容しない。
被害者遺族は、ひるむことなく東芝に反省と謝罪を強く求めていく。12年経っても東芝は、被害者の無念の思いに、これっぽちも誠意を示さない。反省と謝罪のない組織体は、再び事故を繰り返している。人の道から外れる日本の医療だとすると、「明日は我が身」となる。731部隊の延長線で相撲を取るような東芝の倫理無視を、遺族は生ある限り、とことん監視・追及してゆく。
<人間一個の命は地球より重い=呪われた倫理不在東芝に明日はない!>
人間のすごいところは、過ちを認め、二度と繰り返さない点である。
人間から反省と謝罪という行為を取り外すと、何が残るだろうか。何も残らない。どんな悪人でも、過ちを反省することができる。そうして世の中は、安定が保たれる。いわんや人間一個の命は「地球より重い」ものであるから、なおさらであろう。
東芝での医療事故死は、12年前の2010年4月7日、東京・品川区大井町の東芝経営の東芝病院で起きた。話にならないようなひどい医療事故だった。医師・看護師の怠慢から、次男正文は命を奪われてしまった。
初歩的ミス以前の責任放棄によって、正文は人生を閉じられてしまった。
それに対して、未だに反省も謝罪もしない。最近になって、東芝の原発作業員の無念の死を知ったが、東芝関係で命を奪われた人はかなりいるようだ。正文も、それらの仲間の一人にされたものか。
入院直後の看護放置という信じられない孤独死である。にもかかわらず、東芝は反省も謝罪もしない。東芝製品の欠陥は、その世界で有名という。さもありなん、というべきか。
<救急搬送=1週間の入院=恐ろしや数時間後に窒息死>
その日の朝、父親が正文のベッドを上げて、流動食を口に入れると、珍しくうまく飲み込めない。大事をとって、近くのかかりつけ医に連絡、訪問診断を求めた。医師は「誤嚥性肺炎かも」といって、都立病院と近くの東芝病院に連絡した。後者の了解が取れて救急車を呼んだ。昼前後に、救急車で東芝病院の門をくぐった。一度定期検査を受けた病院だったので、正文のカルテが残っているはずだった。内科医が診断する4時間ほど両親は、内科の待合室で待機していた。緊張感はなかった。やれやれと安堵しながら、結果を待った。
結果は、誤嚥性肺炎の疑いで1週間の入院となった。このような場合、患者は大部屋を希望する。大部屋だと何かあれば、看護師がいなくても、周囲が気づいてくれる。個室だとべら棒に値段が高い。しかし、妥協するほかなかった。正文は個室に入院すると、看護師は付き添いの家族に「どうぞお帰りください」と声をかけてきた。両親は歩いて10分ほどの自宅マンションに引き上げた。
安心して父親は、一人車で郷里の木更津市へと向かった。正文が要望したのか、車のCDはベートーヴェンの「運命」。品川から一般道で千葉市に入ったところで、携帯が鳴った。妻からだ。胸騒ぎがした。「正文の様子が変なので引き返して」と言ったきり、多くを語らなかった。
後で分かったことだが、既に正文は息絶えていた。事実を伝えると、ハンドル操作に影響を与える、それへの配慮だった。突然の妻眞知子からの知らせだから、無論不安が心臓を高鳴らせた。東芝病院に飛び込むころは夜の7時すぎか。病棟から漏れる電灯の明かりが、櫻花の散る様子を映し出していた。
担当医師は「痰がのどに詰まって窒息死」「自分も初めての経験」と釈明するばかりだった。医師らの遺族向けの心臓マッサージ演技のあとだから、正文の手はまだ暖かかった。入院からさほど経っていない、それなのに突然の別れの悲運に茫然自失、考える余裕が全くなかった。
ところで数年前から父親は、妻から言われて大井町駅ビル7階のジムで、毎日体力をつける運動を始めていた。ジャーナリストなど、もうどうでもよかった。生涯を息子の介護に専念する人生に、計画を切り替えていた。13年のベッド生活で、すっかり痩せてはいたが、それでも178センチの、元気なころのハンサム青年を、ベッドから車いすに乗せるためには、どうしても父親の腕力を必要としていた、それゆえの筋力運動だった。
何としても、自身で車いすで家の中を動き回れるようにさせたい、という一心から、強引にも病院が押し付けた経管栄養食を止めて、流動食を口から食べさせる嚥下能力を見事に開花・成功させていた。それこそ医師も出来ない介護に、自信も沸いていたころのことである。花咲く4月7日に、その希望を絶たれた瞬間ともなった。空中を舞い始めた凧の糸が、突然切り離された瞬間のようだった。
<看護師が100分間放置なぜ?=タンの吸引放置なぜ=カルテが裏付けている真実!>
しばらくして、恐る恐るカルテの開示をお願いしてみた。拒まれたらどうしようか、との不安は、間もなく解消した。看護記録を見て仰天してしまった。看護師が、喉に詰まったタン取りをしていない!どういうことか。
タン取りは看護でも介護でも、必ずしなければならない基本の看護作業である。我が夫妻は、それを日常的にこなしていた。痰が詰まると、患者はぜーぜーと声を出す。急いでタン取りをする。それは夜中でも、いつの時間でも。未経験者は想像できないかもしれないが、医療事故などで自宅介護をしている家庭では、しごく当たり前のことである。
東芝病院は、それをしていなかった。看護師が100分も放置していた!こんなことは空前絶後のことであろう。正文は、当たり前の看護を受けられなくて、一人もだえ苦しんで悶絶したのだ。ああ、どういうことか。自宅ではありえないことが。
それでも、東芝は反省も謝罪もしない。12年も逃げている!
<警報装置なしはなぜ=無理やり個室に押し込むはなぜ=看護センターから遠い病室はなぜ>
誤嚥性肺炎の患者を入院させた東芝病院は、警報装置を病室に設置しなかった。これはどういうことか。普通はモニターで看護師が監視していて、異常があれば、直ちに対応するものだ。東芝はそうしなかった。
正文を殺害しようとしたのか、と勘ぐりたくなるではないか。恐ろしい病院である。家族は経費のことも考えて、大部屋に入院できるようにお願いしたが、病院は個室入院を求めてきた。屈するほかなかった。
そこは看護師センターから大分離れた場所だった。こんなことも通常はあり得ない。東芝病院は、異常で異様な病院だった。
<担当医は痰がのどに詰まった窒息死と遺族に説明に愕然!>
担当医は、遺族に対して「痰がのどに詰まって窒息死したもの」と説明した。それ以外には、説明しようが出来なかったのだろう。
突然「痰がのどに詰まって」といわれて、遺族が「それはないだろう」と怒り狂う場面だが、いざ当事者になると、そうした当たり前の行動をとれる遺族はいない。茫然として聞き置くだけだ。
死を強いられた身内のことを、突然適切に表現できないものである。
医師は30代後半か40歳前後か。「こうした事例は初めて」とも医師は口走った。何ということか。不運ということで、片づけられようか?
<救急病院失格=想定できない医師・看護師の患者管理能力>
東芝病院は病院失格である。いかなる弁護人が弁護しようとしても無駄なことだ。しかし、それでいて謝罪も反省もしない。12年が経つのに、なしのつぶてなのだ。
人生を変えられたのは、遺族である。そして東芝も、である。翌年の2011年3月11日に東電フクシマ原発が崩壊炎上した。3号機は東芝製である。核爆発を起こしていた。ついで戦後最大の粉飾決算が発覚した。東芝は、政界から官界、電通などに湯水のような闇資金を流していることも判明してきた。
東芝再建の道は遠い。無理かもしれない。命に向き合おうとしない東芝だ。三井の銀行屋が天下りしたが、失敗した。経営陣はくるくる代わっている。東芝経営陣に、人間性のある人物が一人も誕生しない。不可解なことである。いえることは、救急病院はおろか一般病院としても失格・欠陥病院である。
医師や看護師の無責任体制は、驚くべきことである。さしもの東芝は、病院を手放したというが、現在も宙ぶらりんという。この重すぎる傷は、永遠に消えることはない。
<警察に通報しないはなぜ、司法解剖しない無法逃亡病院はなぜ>
正文の事例は、医療事故でも変死に当たる。変死は警察に通報する義務がある。それを東芝はしなかった。そうすることで、東芝は意図的に司法解剖を免れた。倫理不在の逃亡好きの悪徳病院といえる。
死の商人がまとわりついているのであろうか。
遺族は永久に東芝の謝罪と反省を求めてゆく。ひるむことはない。正文を奪われたことで、遺族のペンは比例して冴えわたってきている。正文は犬死ではない。遺族に新たな役割を課したかのようだ。
2022年4月7日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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