志願者や入学者が減る一方で、増える入学定員──。需給バランスを完全に失った私立大学は再編淘汰に突入する。
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日本私立学校振興・共済事業団が行った2024年度の「入学志願動向」によると、入学定員に対する入学者数の割合を示す「入学定員充足率」は前年度比1.40ポイント減少し、98.19%となった。入学定員充足率が100%未満の大学(定員割れ)は同34校増加して354校となり、私立大学全体に占める未充足校の割合は同5.9ポイント上昇して、59.2%と6割に迫った(図)。少子化が進み大学に入学する18歳人口が減少、定員割れを起こす私立大学は増加傾向にある。各大学の定員削減や再編淘汰(とうた)が必至の情勢だ。
厳しい経営状況
24年度は志願者数、受験者数、合格者数、入学者数は前年度から減少したものの、入学定員は増加した。具体的には、入学者数は前年度から5869人減少して、49万4730人。入学定員は同1239人増えて、50万3874人となった。
大学の規模別に入学定員充足率をみると、上昇した区分は、「100人未満」「1000人以上1500人未満」「3000人以上」だけだった。「1000人以上1500人未満」「1500人以上3000人未満」「3000人以上」の区分では、入学定員充足率が100%を超える一方で、1000人未満の規模の大学は100%未満となった。
地域別にみると、入学定員充足率が上昇したのは「関東(埼玉、千葉、東京、神奈川を除く)」と「東海(愛知を除く)」「大阪」「兵庫」「福岡」であり、「関東(埼玉、千葉、東京、神奈川を除く)」が4.88ポイント、「福岡」が4.67ポイント上昇。「関東(埼玉、千葉、東京、神奈川を除く)」「東京」「大阪」「福岡」では、入学定員充足率が100%を超えた。
学部系統別の入学定員充足率は、すべての学部系統で低下したが、「医学」「農学系」「社会科学系」「芸術系」では、100%を超えた。
日本私立学校振興・共済事業団によると、定員割れをしている私立大学の約2割は債務超過などの厳しい経営状況にあるという。
(編集部)
少子化による18歳人口の減少は、予測されていたことです。
新型コロナパンデミックの影響も有りますが、
今の有名私立中高一貫校は、少子化による18歳人口の減少期を見据えた長期的学校経営に基づいて、努力して来たと言えます。旺文社蛍雪時代の全国の大学を取材されたA名編集長に退職前に電話で、伺いました。大学を取材すると生き残る大学は分かると言われました。昭和30年時代の大学校数になると予測されました。