東京都千代田区の自民党本部と首相官邸が立て続けに襲撃された事件で、臼田敦伸容疑者(49)が首相官邸前の柵に車で突入し、現行犯逮捕された際、防護服を着用していたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。車内から見つかったポリタンクは約20個で、中身の大半がガソリンだったことも判明。警視庁公安部は計画的だったとみて動機や背景を調べている。

 公安部は、機動隊員3人が煙を吸うなどして、喉に軽いけがをしていたと明らかにした。臼田容疑者を20日に送検した。

 自民党本部では火炎瓶とみられるものを5本ほど投げたほか、捜査関係者によると、高圧洗浄機のようなものを持ち出し、警察官に液体を噴射していた。

 車で逃走し、官邸前の防護柵に突っ込んだ後、発煙筒のようなものを警察官に投げたとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。車内には液体の入った瓶も残っており、簡易検査でガソリンが検出された。

 臼田容疑者の父親は取材に対し「過去に原発に反対する活動に注力し、選挙の供託金制度にも不満を漏らしていた」と話している。