Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

Sweet Rain 死神の精度

2008-03-12 | 映画(さ行)

■「Sweet Rain 死神の精度」(2007年・日本)

監督=筧昌也
主演=金城武 小西真奈美 富司純子 光石研

※注・結末に触れている部分があります
 伊坂幸太郎の小説を映画化したファンタジー。金城武扮する死神”千葉”は、人の最期の7日間につきそい、そのまま死を「実行」にうつすか、「見送る」かのジャッジを行うのが仕事。何故か彼が現実世界で仕事をするときはいつも雨。上司(?)にあたる黒い犬が一緒だ。「ライラ~」を観た後だと、どうしてもダイモンに見えてしまう。こんな主人公の設定を観る側に理解させようとするファーストシーンは、実に丁寧なつくりだ。彼が仕事に出る前のモノレールの線路を用いた幻想的な場面もなかなか印象的である。

 ところが・・・そっからである。1985年と2007年、2028年の3つの時代を舞台にして死神がかかわる3つの仕事。それらが運命の糸でつながっていくお話なのだが、ラストの展開は見当がついちゃうし、正直なところ、勘のいい人ならばポスターの絵柄を見た瞬間に結末は見えてしまうかもしれない。それに何よりも残念なのは時代の描かれ方だ。小西真奈美扮する一恵の、最期の7日間を担当する1985年のパート。電機メーカーの苦情係である一恵。死神金城は、会社の前のCDショップで視聴しながら彼女が会社を出るのを待っている。確かに店員は、あの頃ぽい、おおきなセルフレームのメガネ(大江千里みたいな)をかけてる。でも8センチCDのシングルが85年当時にあんなに店に並んでいたか?、といえば違う。村上淳扮する同僚の死神と、「俺たちはプロデューサー。ミュージックでもプロデューサーがいちばん偉いんだ。」と会話するが、日本の音楽界でプロデューサーが脚光を浴びたのは、むしろ90年代に入ってからだと思うのだ。だから、2007年のパートとの違いが強調されず、説得力にどうしても欠ける。吹越満プロデューサーの行動も普通じゃないし。うーむ。

 金城武は、こういう居心地の悪そうな役柄はうまい。「醜い」を「見にくい」と取り違える”ボケ”も、この人ならねと思えるから不思議。小西真奈美を目当てに観たのだが、薄幸な娘の役柄を上手に演じているし、役柄の名義で歌った主題歌も素敵だ。死神金城の成長物語としては、ちょっと物足りなさも。最後に、上司たる黒犬に再度登場して欲しかったな。

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追記:僕は小西真奈美ファン(そのわりにはドラマは「瑠璃の島」しか見たことがないのだが)。
そういえばこんなのに癒されたこともありました。
ルーク(うちの9歳児)「ねぇ、ちち(注・ちちと呼ばれている)。”ちちの好きな女の人”のコマーシャル新しいのになったよ。」
アナキンtak「え?(汗)誰?”ちちの好きな女の人”って?。」
ルーク「”かごしまスイッチ”」
・・・子供にもバレている(汗)。
でもね、朝から滅入った気持ちで仕事行くときに、駅に貼ってあるあのポスターを見ると、不思議と笑顔になれるのです。
はい。
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コメント (2)
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