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■「スイミング・プール/Swimming Pool」(2003年・フランス)
●2003年ヨーロッパ映画賞 主演女優賞
監督=フランソワ・オゾン
主演=シャーロット・ランプリング リュディヴィーヌ・サニエ チャールズ・ダンス
アメリカ映画は力ずくで日常を忘れさせてくれるけど、フランス映画は観ている側をいつもと違う気持ちにさせてくれる。だからときどき無性に観たくなるんだ。「まぼろし」・「8人の女たち」と秀作が続いたオゾン監督の最新作。フランス映画、プール、殺人・・・と聞いて、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の「悪魔のような女」を思い浮かべた方もあったのではないだろうか。しかし本作はそんな本格ミステリーじみた設定はどうでもよい。それよりもきっかけは興味と好奇心かもしれないが、その人の裏側にある事実や人間関係、人そのものの方が、はるかにミステリアスでスリリングだ。
主人公のミステリー小説家サラは、新作の執筆のため、南仏プロバンスにある別荘を訪れる。そこは出版社社長の家。小説家らしく一人でいることを好むサラだが、その家に社長の娘と名乗るジュリーが現れる。若い肉体をもてあますような奔放なジュリーの言動に苛立つサラだったが、次第にジュリーに関心を抱いていく・・・。いつしか観客もサラと共に謎めいた空気の中へと足を踏み込んでいく。淡々と進んでいく物語だが、決して目をそむけられない(サニエのヌードのせい?それも理由のひとつではあるけれどね・笑)。
オゾン映画に出てくる女優さんはみんな魅力的だ。他のオゾン映画でもヒロインであったランプリングとサニエ共演というだけでも惹かれる。特にランプリングが”嫌な女”から変貌を遂げる様は見事!。オゾン監督はゲイらしいと何かで読んだ記憶がある。それ故か二人の女優を撮る視線が他の映画とは違うのだ。プールサイドで寝そべる二人それぞれの傍らに違う男が立って見つめる場面が出てくる。その対比も面白いのだけど、足先からずーっとなめるように動くカメラが不思議といやらしくないのだ。例えばロジェ・バディムの映画とは全然違う。さらに映画の後半に出てくるシャーロット・ランプリングのヌードの美しさ!。これはサニエよりも頭に残ると思うよ。「まぼろし」の時も書いたけど美しく年齢を重ねるというのはこういうことなのかなぁ。オゾン監督の視線はそれを称えているかのようだ。女性にこそ観て欲しいと思った。結末にエッ?・・・僕はしばらく納得がいかない顔でエンドクレジットを見つめていた。前2作程は満足できなかったりもしたけれど、それでいいのだ。それよりも美しい女性を観る喜び・・・それを満喫させてくれたのだから。ウン。やっぱ僕は女優ぬきに映画を観られない人間のようだ(笑)。
(2004年筆)
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