Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ホットスポット

2013-08-26 | 映画(は行)

■「ホット・スポット/The Hot Spot」(1990年・アメリカ)

監督=デニス・ホッパー
主演=ドン・ジョンソン バージニア・マドセン ジェニファー・コネリー

 不思議と通しで観る機会がなかったもので、恥ずかしながら初見。世間ではよく言われていない(ジェニファーのヌードしか覚えていないとか・笑)し、確かに木曜洋画劇場(テレ東)向きの映画だとは思うのだけど、僕はこれ好きだな。登場人物みんなが何か悪事に手を染めている。彼ら(彼女ら)の駆け引きとその末路を描く物語は最後まで目が離せない。チャールズ・ウィリアムズ(兼脚本)の原作はデニス・ホッパー監督が長い間映画化したかった題材ということで、実に丁寧に撮られている。見応えのあるフィルム・ノワールに仕上がっている。

 ドン・ジョンソンを今回改めて観て思ったのは、今ハリウッドが(ラッセル・クロウあたりに)求めているタフガイ像って実はドン・ジョンソンに近いのかな、ということ。「マイアミ・バイス」のクロケット刑事は本作より5年前であるせいか、もっとスマートな印象を受ける(白のスーツなんか着こなしているし)。でも本作のようなちょっと泥臭い感じが、僕はいいと思えるんだけどな。世が世ならこの人のウエスタンなんか面白かったかも。ジェニファー・コネリーファンの僕だけど、バージニア・マドセンの悪女振りの前にはジェニファーは(脱いでも)霞んでしまう。「深夜の告白」のバーバラ・スタンウィックを彷彿とさせる悪女像はしばらく忘れられそうもないな。それに彼女あってのあの結末。

 音楽はジャック・ニッチェ。ジョン・リー・フッカー(2001年6月他界・合掌)の鼻歌(?)とブルースギター、マイルス・デイビスのペットがフィーチャーされたスコアはブルージーで聴くだけで酔いしれそうだ。サントラには未収録ながらK・D・ラングやビリー・スクワイヤーも使われている。

(2002年筆)




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