Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ゴースト・イン・ザ・シェル

2017-09-10 | 映画(か行)

◼️「ゴースト・イン・ザ・シェル/Ghost In The Shell」(2017年・アメリカ)

監督=ルパート・サンダース
主演=スカーレット・ヨハンソン ピルウ・アスベック ビートたけし ジュリエット・ビノシュ マイケル・カルメン・ピット

劇場で見逃していた「攻殻機動隊」のハリウッドリメイク、DVDで鑑賞。
コアなファンにはいろいろ受け入れられない部分はあるだろうけど、
オリジナルを損なっている印象はそれ程ない。
スカーレット・ヨハンソンの容姿で草薙素子は、最初聞いた時「?」だったけど、
義体なんだからアリ!と思えばむしろ好感。

でもオリジナルと決定的に違うのは、台詞の量。
オリジナルは、登場人物が(タチコマも含めて)とにかく喋る。
荒巻課長のぼそぼそしたしゃべりで事件が説明されるのを聞き逃せない緊張感。
劇場版の「イノセンス」では心と身体という奥深いテーマについて、それぞれのキャラが持論を喋り倒す場面も興味深く、
トグサが「いい加減に仕事の話しようぜ」とウンザリする場面には思わずニヤリとしたっけ。
そして何よりも義体への"ダイブ"は、
声優が違うキャラの顔で喋るだけのことなのに、あれ程の緊張感があるなんて。
対してこのハリウッドリメイクは全体的に寡黙な印象を受ける。
万人に受け入れられるように映像で示すせいもあるだろう。

このハリウッドリメイクには、「ブレードランナー」の影がチラつく。
中国ロケも含んだ無国籍な街並みはもちろん、自身のルーツに迫ろうとする展開なんて、
まさに記憶をめぐるレプリカントたちだ。
「攻殻機動隊」という素材を得て、
サイバーパンクの先駆である「ブレードランナー」にオマージュを捧げているようにも思えた。
でもそれは「ブレードランナー」の呪縛から、ハリウッドが逃れられないということでもある。
そういう意味では、アクションの派手さが楽しいけれど、新鮮味には欠ける映画かなぁ。
もちろん、「攻殻」や「ブレードランナー」にハマった世代だからそう思うのだろうけど。





コメント (2)
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