■「トリュフォーの思春期/L'Argent De Poche (Small Change)」(1976年・フランス)
監督=フランソワ・トリュフォー
主演=ジョリー・デムソー フィリップ・ゴールドマン リシャール・ゴルフィー シルヴィー・グレゼル
おフランス映画大好きだけど、フランソワ・トリュフォー監督作品は
いわゆるドワネルものに未見が多いので、まだ観るべきものが多い気がする。
「午前10時の映画祭」で幸運にも劇場で「トリュフォーの思春期」を初鑑賞。
邦題こそ"思春期"だが、70年代末期に流行った初体験ものではない。
ラストの胸キュンなキス以外に、甘酸っぱい場面はない。
子供たちの時に愛らしく、時に小憎らしく、
時にあどけなく、時におマセなエピソードが断片的に綴られていく。
でも、きちんと物語として収束するのがこの映画の見事なところ。
友達のお母さんに恋をしてバラを贈り、同世代の女のコに大胆な行動を取れないパトリック君が好印象。
それだけに彼のハッピーエンドにこっちまでニコニコ。
一方で、転校生のジュリアンをめぐる児童虐待のエピソードもあり、
子供たちの厳しい現実も描かれる。
子供の視線からは、大人ってやっぱりわかってくれない存在。
反抗して親とのお出かけを拒否した女のコに、
アパートの住人が差し入れをする場面は微笑ましくて好き。
アパートの高層階に住む2歳のグレゴリーちゃん、きゃわゆ過ぎ!
これが演技だったらヤバいです。
子供が産まれて初めて教壇に立った先生が、子供達に語りかけるメッセージが素晴らしい。
子供には自由がない。でも大きくなって選挙権を得たら、
自分の経験から嫌だったことを変えることができるんだ。
人生に大切なのは愛だ。
僕が先生って呼ばれる仕事をやってたら、確実に引用させてもらってたかもなww