■「野いちご/Smultron-Stallet」(1957年・スウェーデン)
監督=イングマル・ベルイマン
主演=ヴィクトル・シェストレム イングリッド・チューリン グンナール・ビョルンストランド マックス・フォン・シドー
●1958年ベルリン映画祭 金熊賞
●1959年ゴールデングローブ賞 外国語映画賞
鑑賞眼を衰えさせない為に、何か非ハリウッド映画を観る!と思い立ち、
BSで放送されたイングマル・ベルイマン監督の代表作「野いちご」に挑む。
今は孤独に生きている老医師。
表彰を受けるため車で目的地に向けて旅する1日は、
彼のこれまでの半生を振り返り、
自らの老いと自分が生き方が息子や周囲の人々にどう映ってきたかを知るものだった…というお話。
死をイメージさせる夢の場面は、背筋に記憶を刻むかのように強烈。
回想シーンは、現在の自分が過去の出来事に同居する。
この描かれ方は多くのフォロアーを生んだと聞く。
最近ならウディ・アレンの「ローマでアモーレ」、
「記憶探偵と鍵のかかった少女」はこの手法をうまく使った好例。
孤独に生きてきた老人が最後の最後に人をつなぐ。
フィアンセを弟に奪われたり、自分が求めた孤独から、妻や子供の考えや行動を歪めてしまった彼だけに、
人とのつながりに幸福な表情を浮かべるラストが感動的だ。
ベルイマン監督作の中ではわかりやすくて、幸せな結末が素敵な作品。
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