■「ぼくを葬(おく)る/Le Temps Qui Reste」(2005年・フランス)
監督=フランソワ・オゾン
主演=メルヴィル・プポー ジャンヌ・モロー ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
フランソワ・オゾン監督作品が観たくてTSUTAYAで探したら、「ぼくを葬る(おくる)」を発見。
余命3ヶ月と診断されたゲイのカメラマンが、
自分なりに人生を清算しようとする日々を綴る人間ドラマ。
恋人を無理に遠のけ、家族の埋まらない溝に悩む心境を、
唯一心を開ける存在である祖母に語る。
そして彼は小さなデジタルカメラを手に、
様々なものを人を慈しむように写真を残し始める。
そんな彼に不妊に悩む夫婦からある申し出が…。
主人公の姿を淡々と綴りながらも、しっかりと人間模様が描かれて好印象。
特に印象に残る場面は台詞に頼らずじっくり見せる。
どうしても素直に接することができない姉を、
遠くから写真に撮る場面は、特に泣ける。
変幻自在な作風がオゾン監督作品を観る楽しみだが、
雰囲気としては「まぼろし」(2000)に近いかな。
性にまつわる描写はかなり生々しい。
祖母役は、名女優ジャンヌ・モロー。
こんなカッコいいおばあちゃん、なかなか他の映画でも見られない。
「死ぬまでにしたい10のこと」(2002)あたりと比べて観るのもアリかもね。
Time To Leave - Official US Trailer