Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

君の膵臓をたべたい

2018-09-01 | 映画(か行)

■「君の膵臓をたべたい」(2017年・日本)

●2017年日本アカデミー賞 話題賞・新人俳優賞

監督=月川翔
主演=浜辺美波 北村匠海 小栗旬 北川景子

住野よるの原作小説に、12年後の現在のエピソードを追加して実写映画化。
同じひとつの言葉や台詞でも、
それを発する人物の状況や気持ち、映画の受け手である僕らの理解や気持ちで、どのようにも変わる。
日本の映画宣伝は変に泣かせようとしたり、観ることを煽るばっかりで、
ほんとに下手だと常々思っているのだが、
この映画のコピー「ラスト、きっとこのタイトルに涙する」は、"泣かせ"に見えるのだけど、
本編を知らないと泣けない訳で、
久々に作品そのものと物語の良さを観てくれる人に伝えたい!という気持ちとセンスがうかがえて好感。
既に小説を読んでる人には共感を生むだろうし、映画で初めてこの物語に触れる人には興味と期待を抱かせてくれる。
それはもちろん原作の良さがあってのことだけど。
でも原作の良さを前面に出した宣伝に見事に騙された「ノルウェイの森」とは全然違う。
日本の今どき青春映画なんぞ全く観ないこの僕が観る気になったのは、
おそらくこのコピーのせいだ。

優れた難病ものの映画は、単に死に直面する姿を見せて観客を悲しませるのではない。
その日が訪れるまでに、主人公がどう生きたかをきちんと描いてこそ秀作になる。
この映画ではヒロイン桜良が日々を大切に過ごそうとする姿が描かれる。
「一日の価値は平等なんだよ」というひと言が心に響く。
時に小悪魔のような彼女の言動に振り回される"仲良し君"【僕】の妙な諦め感を前半じれったく思う。
あのお年頃男子のギラギラ感もないし・・・あ、お前と違うって?失礼しましたww。
だが行動が変わる後半の懸命な姿には声援を送りたくなる。
外国映画ファンには「死ぬまでにしたい10のこと」を思い出した方もあったのでは。

「星の王子さま」は好きな本なのでもっとストーリーに絡むのかと期待した。
謎解きのようなラストに向けて見事な小道具として使われているのがナイス。
「真実か挑戦か」は小さな勇気を後押ししてくれる場面。
小説も読んでみるか。

「君の膵臓をたべたい」予告


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