◾️「セーラー服百合族」(1983年・日本)
監督=那須博之
主演=小田かおる 山本奈津子 江崎和代 倉吉朝子
高校時代。レンタルビデオ店がこの世に初めて出現した。1泊千円とかいう時代。そのお年頃では堂々と映画館で観られない類の映画(当時の言葉で言う"成人映画"ってことね)数本とSF映画を、友人数名とお金出し合って借りたことがある。そのうちの1本がこれ「セーラー服百合族」だった。
この作品をきっかけににっかつロマンポルノのアイドルとなった小田かおると山本奈津子。夜のプールで二人がジャレ合う美しい場面。小田かおるが演ずるのは、レズビアンだけどボーイフレンドもいるボーイッシュな女の子。妊娠したかも!?と騒いだけど、生理が遅れていただけどわかって、再び彼氏とイチャイチャ。山本奈津子演ずるバージン女子は置いてけぼり。
そんな彼女の前に年上の女性が現れいろんな手ほどきを。奈津子ちゃんにはのぞきが趣味の危ない男子が絡んできて、かおるちゃんは彼氏とすったもんだがあって、結局女同士がいい♡という結論に達する物語。
当時のおっちゃんたちが観ていたロマンポルノに、それまではレズビアンが出てくる作品はあっても、一人より二人見せる目的のようなもの。だけど百合女子の心理に迫るストーリーだったことは画期的なことだったのだろう。僕らにとっては、ロマンポルノに出演しているのは年上のお姉さま女優ばかりだった時代。そこへ同世代が登場した衝撃。そして山本奈津子は僕のミューズとなった(注・高校生です)。
監督はこの数年後に「BE BOP HIGH SCHOOL」を撮る那須博之。かたやロマンポルノ、かたやツッパリ高校生の青春映画。映画の趣向は異なるのだけど、その年頃の輝きや戸惑い、どうしようもなさが描かれているのは共通点かも。
当時、NHK FMの番組に山本奈津子が出演したことがあって、新作(確か「濡れて打つ」)の話や撮影の舞台裏について語っていたのを覚えている。まさかの登場に「うっそー!?」(今と違って「マジか」とか言わないのが80年代)と、ラジカセに思わず近づいたっけ(恥)