Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ナッツ

2021-06-26 | 映画(な行)






◼️「ナッツ/Nuts」(1989年・アメリカ)

監督=マーチン・リット
主演=バーブラ・ストライサンド リチャード・ドレイファス モーリン・ステイプルトン カール・マルデン

法廷映画には、裁判の仕組みや制度をサスペンスの材料や主たるテーマに据える作品もある。バーブラ・ストライサンド主演の映画「ナッツ」は、被告人の精神鑑定をめぐる人間ドラマ。罪を認識して償える精神状態なのか、いわゆる刑事責任能力が映画の主眼だ。NUTSとは精神異常の意味である。

高級コールガールの主人公クローディアは、つきまとう客に殺されそうになり、抵抗している最中に相手を殺してしまった。第一級殺人罪に問われた彼女を死刑にさせるまいと、両親は弁護士を雇い精神異常だと主張させる。「私はイカれてない!」と正当防衛を主張して法廷で暴れた彼女は、弁護士を殴ってしまう。代わりにやってきた国選弁護士アラン(リチャード・ドレイファス)が担当することになる。ギクシャクする二人の関係だが、彼女の辛い過去を知るうちに、アランはクローディアを理解して彼女の主張を手助けするようになる。果たして、彼女は全うに裁判を受けることができるのか。

他の法廷ものと違って、彼女は一人の人間として裁判を受けることができるのか?が映画のテーマである。つまり事件の詳細に踏み込むことない。本題に入るその前の段階で、法廷シーンいや映画はほぼ終わってしまうのだ。

これは自分を過剰に束縛してきたことから自由になって、一人の人間として裁判を受けられる権利のために戦う女性の物語。他の代表作のように、バーブラは華やかに歌うことも踊ることもない。髪を振り乱して泣き叫ぶ姿は、他では観られない迫力。彼女の演技者としての意気込みを感じる。カール・マルデンやモーリン・ステープルトンなど大ベテランが小さく見える名演だ。



Nuts (1987) Official Trailer - Barbara Streisand, Richard Dreyfus Movie HD


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