◼️「眠れぬ夜のために/Into The Night」(1984年・アメリカ)
監督=ジョン・ランディス
主演=ジェフ・ゴールドブラム ミシェル・ファイファー ダン・エイクロイド
不眠症に悩む主人公が訪れた空港で、殺人事件が起こる。追われる女性を助けたことから始まる巻き込まれ型サスペンス。ヒッチコックが得意としたスタイルを、ジョン・ランディス監督はところどころに彼らしいベタなギャグを散りばめて、ライトタッチのサスペンスに仕上げている。
主人公はどこまでもお人好しなのか、相手が美女だからなのか、取り乱すことも声を荒げることも愚痴を言うこともなく、最後までトラブルに流されてしまった印象。そこが緊張感がやや乏しくて、映画として一般ウケはしてない理由なのかもしれない。スラリとカッコいいジェフ・ゴールドブラムの立ち姿や、セクシーなミシェル・ファイファーを楽しむにはいい映画なんだけど。
この映画が玄人向けと見られている理由は、映画人のカメオ出演の数々のせいかも。ジョン・ランディス自身もイラン人ギャング役で出演。犬を連れた老人は「大アマゾンの半魚人」のジャック・アーノルド監督、フランスから来た使用人と警察に紹介される殺し屋は「バーバレラ」のロジェ・バディム監督。麻薬の売人は特殊メイクのリック・ベイカー、会社の同僚にデビッド・クローネンバーグ、カフェのウェイトレスにエイミー・ヘッカリングなどなどランディス監督のお仲間があちこちに登場する。顔を知らない人も多いから、意地悪な言い方すれば楽屋オチでしかない。
※IMDBの作品ページ。キャストの写真と役名を確認すると手助けになるかもです。
👇
音楽はアイラ・ニューボーンが担当。映画冒頭に流れるタイトル曲と、In The Midnight HourのカバーをB.B.King御大が手がけているのは実にゴージャス。まさに、劇中出てくる派手なオープンカーに書かれた「The King Lives」だ。そっちはエルビス・プレスリーの意味だけど。エージェント役で登場するデビッド・ボウイが、これまたカッコいい。
Into the Night 1985 Trailer HD | Jeff Goldblum | Michelle Pfeiffer
B.B. King - Into The Night (1985)