◼️「ハスラー2/The Color Of Money」(1986年・アメリカ)
監督=マーチン・スコセッシ
主演=ポール・ニューマン トム・クルーズ メアリー・エリザベス・マストラントニオ ヘレン・シェイヴァー
初めて観たのは大学時代。友達の家で呑みながらビデオで観た。硬派な映画ファン気取ってヒット作を映画館で観るのを避けていた当時の僕は、「トム・クルーズの映画なんて14型のブラウン管で十分」と、この映画のトム君並みに生意気な事言ってた時期。とにかくトム・クルーズ演ずるビンセントの態度や言動にイラついて、今振り返ると僕のトム・クルーズ嫌いを決定的にした作品かもしれない。それ以来観ていなかった。今回30年ぶりくらいに再鑑賞。
生意気なトム君にイライラするのはやっぱり同じ。だけど改めて観ると、ポール・ニューマンが若い頃「ハスラー」で演じたエディ役に再度挑んだ本作は、初老男のカムバック映画としては十分にカッコいい。持論を押しつけたり、今の自分を思い知らされて勝手に落ち込んだりする姿は身勝手にも見える。けれど、エディの年齢に近づきつつある今の自分の歳で観ると、調子に乗ってカモにされてしまった後の落ち込み方も、長い付き合いの女性への振る舞いも、不器用な男の姿として仕方ねえよな、とちょっとだけ理解もできる。それだけに映画後半、若手の胴元ではなく、自らキューを手に大会に挑む姿は実にカッコいい。
(以下結末に触れてます)
そしてクライマックスは、大会での師弟対決。行き詰まる熱戦になると思いきや、ビンセントは賭け金で儲けるためにエディとの真剣な勝負を避けていたことを知らされる。わざと負けることで、後でうまく儲けることをビンセントに指南したのはエディ自身。ビンセントはそれを嫌がっていたのが、映画前半二人の対立の軸だった。しかし、勝利することに気持ちが向いていたエディとの試合で、賭け金のためにそれを実践したビンセント。よりによって自分との試合で手加減をされたエディは傷つくことになる。皮肉な結末。しかし、そこで終わらないのがこの映画。ポール・ニューマンが最後に言い放つ「復活だ!」のひと言。この映画での主演男優賞は"功労賞"とか言うけれど、若い頃じゃ出せなかった深みがあるとも思える。個人的にベストアクトは「評決」だと思ってますが。
ブルージーなロックを中心にした挿入歌たち、80年代的な派手さはないけどいい雰囲気だ。ドン・ヘンリー、エリック・クラプトン、ロバート・パーマー、フィル・コリンズなどなど。音楽担当はザ・バンドのロビー・ロバートソン。マーチン・スコセッシとは記録映画「ラストワルツ」からのご縁。メアリー・エリザベス・マストラントニオがセクシーな彼女役で素敵です。
生意気なトム君にイライラするのはやっぱり同じ。だけど改めて観ると、ポール・ニューマンが若い頃「ハスラー」で演じたエディ役に再度挑んだ本作は、初老男のカムバック映画としては十分にカッコいい。持論を押しつけたり、今の自分を思い知らされて勝手に落ち込んだりする姿は身勝手にも見える。けれど、エディの年齢に近づきつつある今の自分の歳で観ると、調子に乗ってカモにされてしまった後の落ち込み方も、長い付き合いの女性への振る舞いも、不器用な男の姿として仕方ねえよな、とちょっとだけ理解もできる。それだけに映画後半、若手の胴元ではなく、自らキューを手に大会に挑む姿は実にカッコいい。
(以下結末に触れてます)
そしてクライマックスは、大会での師弟対決。行き詰まる熱戦になると思いきや、ビンセントは賭け金で儲けるためにエディとの真剣な勝負を避けていたことを知らされる。わざと負けることで、後でうまく儲けることをビンセントに指南したのはエディ自身。ビンセントはそれを嫌がっていたのが、映画前半二人の対立の軸だった。しかし、勝利することに気持ちが向いていたエディとの試合で、賭け金のためにそれを実践したビンセント。よりによって自分との試合で手加減をされたエディは傷つくことになる。皮肉な結末。しかし、そこで終わらないのがこの映画。ポール・ニューマンが最後に言い放つ「復活だ!」のひと言。この映画での主演男優賞は"功労賞"とか言うけれど、若い頃じゃ出せなかった深みがあるとも思える。個人的にベストアクトは「評決」だと思ってますが。
ブルージーなロックを中心にした挿入歌たち、80年代的な派手さはないけどいい雰囲気だ。ドン・ヘンリー、エリック・クラプトン、ロバート・パーマー、フィル・コリンズなどなど。音楽担当はザ・バンドのロビー・ロバートソン。マーチン・スコセッシとは記録映画「ラストワルツ」からのご縁。メアリー・エリザベス・マストラントニオがセクシーな彼女役で素敵です。