◼️「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(2022年・日本)
監督=安彦良和
声の出演=古谷徹 武内駿輔 成田剣 古川登志夫 潘めぐみ
伝説のファースト第15話。作画は崩壊してるのに感激した異色のエピソードだけに、いろんな思いが交錯する。
あれは失敗だったと思っていたのか
今改めて語りたいメッセージがあるのか
THE ORIGINやったついでなのか
あの30分をどうやって引き伸ばすのか
そもそも何故このエピソードなのか
期待もあり、文句もあり、さらなる続編の期待あり、公開前からいろんな言葉が飛び交ってた。ファンってほんっと身勝手。だけど黙っていられないのもファン。まず観てからだ。僕も公開最初の週末に劇場へ。
オリジナルと比べると、ドアンが子供たちを守ると決めた理由が明確に示されないとか、「あなたにはあの夕陽の美しさが…」っていい台詞がなくなっているとか、確かに気になるところはある。だけど、やたら尖ってたオリジナルのアムロよりも、置かれた状況に戸惑う様子は好感。特に子供たちとのつながりがジブリアニメ並みの微笑ましさで描かれるだけに、僕はこの改変は効果的だったと思うのだ。
戦況が描かれる部分では、連邦軍とジオンの対立にドラマティックなストーリーが加えられている。マクベの登場に気持ちがアガる。地球の主要都市への容赦ない攻撃を示唆しながら、第二次世界大戦でパリが燃えなかった理由を部下が文化を重んじたからだ、ジオンにはそんな者はいない!と言い放つ。これに対するラストのマクベの言動が、指揮官としての懐の深さを感じさせて実にいい。
対してホワイトベースの面々は相変わらずで嬉しくなる。ブライトがホワイトベースの指揮官として思い悩む姿とそれを見守るミライの気配り。オリジナルではまだ登場しないスレッガー中尉が、カイ・シデンと独断でアムロ救出を企てる。出たっ!セイラさんの平手打ち!🤣
そんなこんなで嬉しくなってるファースト世代なのだが、一方でスクリーンのこっち側ではロシアのウクライナ侵攻という現実がある。ドアン率いるサザンクロス隊が市街地を攻撃するシーンでは、ニュース映像で流れたウクライナ東部の街が重なって見えた。「戦争の匂いを消させてもらえませんか」と言うアムロの言葉と行動。そこには行動に裏付けられた信頼がある。こっち側の厳しい現実を思うと辛くなる場面もあるが、この作品が投げかけた反戦のメッセージは、きっと多くの人に伝わるはず。
CGを用いたモビルスーツの描写とアクションはスピーディでこれまでにない迫力。しかしその一方で、ドアンのザクが登場する場面と、雷鳴と共に現れるクライマックスのガンダムがやたらと不気味に見える。それは戦いに向かう勇姿ではなく、兵器としての脅威に見えるのだ。そう思えるからこそ、ラストのアムロの行動が大きな意味を持つように思える。
あれは失敗だったと思っていたのか
今改めて語りたいメッセージがあるのか
THE ORIGINやったついでなのか
あの30分をどうやって引き伸ばすのか
そもそも何故このエピソードなのか
期待もあり、文句もあり、さらなる続編の期待あり、公開前からいろんな言葉が飛び交ってた。ファンってほんっと身勝手。だけど黙っていられないのもファン。まず観てからだ。僕も公開最初の週末に劇場へ。
オリジナルと比べると、ドアンが子供たちを守ると決めた理由が明確に示されないとか、「あなたにはあの夕陽の美しさが…」っていい台詞がなくなっているとか、確かに気になるところはある。だけど、やたら尖ってたオリジナルのアムロよりも、置かれた状況に戸惑う様子は好感。特に子供たちとのつながりがジブリアニメ並みの微笑ましさで描かれるだけに、僕はこの改変は効果的だったと思うのだ。
戦況が描かれる部分では、連邦軍とジオンの対立にドラマティックなストーリーが加えられている。マクベの登場に気持ちがアガる。地球の主要都市への容赦ない攻撃を示唆しながら、第二次世界大戦でパリが燃えなかった理由を部下が文化を重んじたからだ、ジオンにはそんな者はいない!と言い放つ。これに対するラストのマクベの言動が、指揮官としての懐の深さを感じさせて実にいい。
対してホワイトベースの面々は相変わらずで嬉しくなる。ブライトがホワイトベースの指揮官として思い悩む姿とそれを見守るミライの気配り。オリジナルではまだ登場しないスレッガー中尉が、カイ・シデンと独断でアムロ救出を企てる。出たっ!セイラさんの平手打ち!🤣
そんなこんなで嬉しくなってるファースト世代なのだが、一方でスクリーンのこっち側ではロシアのウクライナ侵攻という現実がある。ドアン率いるサザンクロス隊が市街地を攻撃するシーンでは、ニュース映像で流れたウクライナ東部の街が重なって見えた。「戦争の匂いを消させてもらえませんか」と言うアムロの言葉と行動。そこには行動に裏付けられた信頼がある。こっち側の厳しい現実を思うと辛くなる場面もあるが、この作品が投げかけた反戦のメッセージは、きっと多くの人に伝わるはず。
CGを用いたモビルスーツの描写とアクションはスピーディでこれまでにない迫力。しかしその一方で、ドアンのザクが登場する場面と、雷鳴と共に現れるクライマックスのガンダムがやたらと不気味に見える。それは戦いに向かう勇姿ではなく、兵器としての脅威に見えるのだ。そう思えるからこそ、ラストのアムロの行動が大きな意味を持つように思える。