◼️「モン・パリ/L'événement le plus important depuis que l'homme a marché sur la Lune」(1973年・フランス)
監督作=ジャック・ドゥミ
主演=カトリーヌ・ドヌーヴ マルチェロ・マストロヤンニ ミシュリーヌ・プレール クロード・メルキ
僕が人生で初めて観たフランス映画。男性が妊娠する!?というコメディ映画と聞いて、ニキビ面の中坊は面白がってテレビで観たのだ。配信でウン十年ぶりに再鑑賞。監督ジャック・ドゥミ、音楽ミシェル・ルグラン、主演にカトリーヌ・ドヌーブ。あの時に、テレビの前でケラケラ笑ってた少年は、ウン十年後にそのメンバーで製作された「ロシュフォールの恋人たち」が大好きな映画ファンになるのだ。
体調不良を感じ始めたマルコは、「あなたに何があったら大変」と恋人イレーヌが言うもんだから、しぶしぶ医者に診てもらった。すると「妊娠している」と想像を超える診断が。専門医である大学教授は、「人工的な食品でホルモンバランスが崩れた結果だ、あなたは人類最初の妊娠した男性だ」と言うのだ。学会で紹介したい教授が名前を公表してしまったから大騒ぎに発展。マスコミだけでなく、マタニティグッズ販売会社がマルコをモデルに起用し一躍注目を浴びる存在に。
原題は「人類が月面を歩いて以来の最も重大な出来事」。いや、まさにそういうお話。
善人しか出てこないと言うよりも、人を疑わない人しか出てこない。テレビ討論会の場面に出てきた数名を除いて、誰もがマルコの身に起こったことを信じている。突然有名人になった彼を利用する悪人もいない。でもそれが脇役の一人一人まで人間味が感じられて、とても心地よいのだ。今の年齢で改めて観てると、ツッコミ入れるよりもその現実味のなさと人間模様が楽しくて。フランス映画らしい素敵なコメディ。
ミレーユ・マチューが劇中の舞台で、巻き舌で歌うパワフルな主題歌が印象的。パリの街並みが変わりゆく様子を並べながらも、街への変わらぬ愛着を歌う。それは60年代から70年代のウーマンリブの風潮で変わり始めた男と女の関係なのかも。そんな時代でも愛し愛される男と女の関係は変わらないと、この歌と映画のラストが示してくれるのだ。
イレーヌはマルコの妊娠にショックを受けるも、すぐに事態を受け入れて「次は男が産むのが当然よ」とのたまう。マルコとテレビ出演すれば、カメラ目線で自分の美容院をPR。とにかくカトリーヌ・ドヌーブがキラキラしてる。この頃私的にもパートナーだったマルチェロ・マルトロヤンニ。他の映画でみせる深刻な表情とは違ってなんともユーモラス。大きなお腹をカバーするオーバーオール姿に笑ってしまう。
人生最初に観たフランス映画がこの映画だったのは、幸せな巡りあわせだったのかも。
体調不良を感じ始めたマルコは、「あなたに何があったら大変」と恋人イレーヌが言うもんだから、しぶしぶ医者に診てもらった。すると「妊娠している」と想像を超える診断が。専門医である大学教授は、「人工的な食品でホルモンバランスが崩れた結果だ、あなたは人類最初の妊娠した男性だ」と言うのだ。学会で紹介したい教授が名前を公表してしまったから大騒ぎに発展。マスコミだけでなく、マタニティグッズ販売会社がマルコをモデルに起用し一躍注目を浴びる存在に。
原題は「人類が月面を歩いて以来の最も重大な出来事」。いや、まさにそういうお話。
善人しか出てこないと言うよりも、人を疑わない人しか出てこない。テレビ討論会の場面に出てきた数名を除いて、誰もがマルコの身に起こったことを信じている。突然有名人になった彼を利用する悪人もいない。でもそれが脇役の一人一人まで人間味が感じられて、とても心地よいのだ。今の年齢で改めて観てると、ツッコミ入れるよりもその現実味のなさと人間模様が楽しくて。フランス映画らしい素敵なコメディ。
ミレーユ・マチューが劇中の舞台で、巻き舌で歌うパワフルな主題歌が印象的。パリの街並みが変わりゆく様子を並べながらも、街への変わらぬ愛着を歌う。それは60年代から70年代のウーマンリブの風潮で変わり始めた男と女の関係なのかも。そんな時代でも愛し愛される男と女の関係は変わらないと、この歌と映画のラストが示してくれるのだ。
イレーヌはマルコの妊娠にショックを受けるも、すぐに事態を受け入れて「次は男が産むのが当然よ」とのたまう。マルコとテレビ出演すれば、カメラ目線で自分の美容院をPR。とにかくカトリーヌ・ドヌーブがキラキラしてる。この頃私的にもパートナーだったマルチェロ・マルトロヤンニ。他の映画でみせる深刻な表情とは違ってなんともユーモラス。大きなお腹をカバーするオーバーオール姿に笑ってしまう。
人生最初に観たフランス映画がこの映画だったのは、幸せな巡りあわせだったのかも。