◼️「愛は霧のかなたに/Gorillas In The Mist」(1988年・アメリカ)
監督=マイケル・アプテッド
主演=シガニー・ウィーバー ブライアン・ブラウン ジョン・オミラ・ミルウィ ジュリー・ハリス
何事においても物事の先駆者は変人扱いされ、普通でないだとか世間から言われるものである。ビートルズの名曲Fool On The Hillは、天動説が通説だった時代に動いているのは地球だと唱えて異端審問されたガリレオ・ガリレイの物語をベースにポールが作った曲だ。丘の上の愚か者と呼ばれながらも、世界が回るのを見ていたのだ。
「愛は霧のかなたに」の主人公ダイアン・フォッシーもそうした人物の一人。絶滅寸前だったマウンテンゴリラの保護に立ち上がった、単に動物好きな学者である。売り物としての動物、それを商売にする密猟者、国とのしがらみ、アフリカで白人に向けられる冷たい視線。様々な壁がある中で、動物保護の経験もなく現地入りした彼女が奮闘する姿が心に残る。
現地人からは魔女と呼ばれ、研修にやってきた若者からは独裁者と呼ばれ、彼女の元から次々と人が去っていく。しかし、彼女が貫いた"守る"という思いとそれを実行する信念には感動させられる。そしてゴリラは増え続けている。こうした先駆者があって、今がある。これもFool On The Hillの物語。
シガニー・ウィーバーは、やっぱり力強いヒロインが似合う。同じ年に出演したのが「ワーキングガール」。オフィスに大きなゴリラのぬいぐるみが飾られているのに、映画ファンは思わずニヤリ😏