麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

死の舞踏

2008年07月30日 | 鑑賞
                          【文中敬称略】

 《今回上演される『死の舞踏』(中略)一見、リアリズムに見える作風の底にある表現主義的なものをどう捉えるかかが問題になるだろう。》
 これはパンフレットに毛利三彌氏が『ストリンドベリという劇作家』と題して書かれたものの一節ですが、まさにその通りの舞台でした。

 あ、順序が逆になったなぁ…。
 昨日、演劇集団円の『死の舞踏』を観ました。

 作/A・ストリンドベリ 台本・演出/安西徹雄
 7/17(木)~31(木) ステージ円
 全15ステージ(追加含む)完売
 出演/橋爪功 高林由紀子 藤田宗久
    福井裕子 吉田久美  

 現代劇の父イプセンと並称される、スウェーデンの劇作家ストリンドベリの自伝的作品は、ほぼ三人による会話劇だがデフォルメされた行動も多用されている。それを俳優陣が絶妙に演じ、客席にはドッと笑いが立った。
 あーゆーところで笑いを得るのは難しいが、さすが円である

 銀婚式を三週間後に控えたエドガー(橋爪)とアリス(高林)。
 うだつの上がらない砲兵大尉と元女優が交わす、擦れ違いの会話や辛辣な言葉は、客席で笑わされながらも、心に刺さるものがあった。
 僕は、まだまだ結婚五年にも満たないけど…

 この“変わり者の二人”に翻弄されるクルト(藤田宗久)にも、ドキッとさせられる。妻の親戚であり、夫に言わせれば二人をくっつけた要因であるクルトは、二人に騙されたり誘惑されたりする。純真で情にもろい僕が学校生活やフリーターの頃、テンテコマイさせられて来た「過去の自分」の姿を見るようで。

 とにかく、人生の機微を描く“とっても大人な舞台”でした!
 幕切れもかっちょ良かったし。。。
 
コメント
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