10月2日
前回の一般公開講座の実践編です。蔵王の火山活動の様子を地元山形大学の先生に解説いただきながら熊野岳まで歩いてきました。私の役割は、参加者の安全確保と簡単な登山教室の予定でした。事前打ち合わせが充分でなかったこと、極限られた時間内で地質の話しと登山の話しの両立には当然無理があり、用意していた話の半分も話せずタイムアウトア、ちょっと残念でした。
でも、お陰様で大変貴重な機会に出会うことができました。蔵王が100万年も以前から火山活動を繰り返し、記録の残っている過去1000年だけでも100年に一度の割合で噴火を繰り返していたこと、最後の活動が1897年とまだ生きている火山なのだということを教えていただきました。そろそろ次の100年を迎えているのですが、先生の話では、お釜の水温、噴気孔の温度に変化がないとのことしばらくは火山活動はないようです。山形盆地は周囲を火山の山に囲まれている世界でも稀な地形であること、熊野岳周辺に残る1897年噴火の生々しい痕跡など今まで知らないことばかりを教えていただきました。あらためて、眺めるとたおやかな蔵王とは違って荒々しい蔵王本来の姿がみえるような思いがしました。地質の話も興味深かったのですが、100年の間に40数センチも土壌が堆積するスピードの速さにも驚かされました。南蔵王で深刻な登山道荒廃を食い止めるヒントがあるかなと興味が湧いてしまいました、次回の植物の話にはぜひ参加してみたいなと思いながら、さわやかな紅葉と秋晴れの蔵王を楽しんできました。