goo blog サービス終了のお知らせ 

映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

世界最速のインディアン

2008年11月27日 | 映画(さ行)
世界最速のインディアン スタンダード・エディション

ハピネット・ピクチャーズ

このアイテムの詳細を見る

挑戦しない人間は野菜と同じ

                 * * * * * * *

この映画はちょっと食わず嫌いでした。
スピード狂の老人の話?というだけで、パスしてしまっていたですが、
このたび、認識を改めました。
まず、これは実話を元にしているので重みがあります。
そうと知っていなかったら、単なる絵空事?、と思えるような話です。

ニュージーランドの小さな町に住むバート・マンロー、68歳。
彼は若い頃から、自らのバイク、インディアンに改良を加え、
数々のスピード国内記録をもっています。
しかし、夢はアメリカのユタ州ボンヌヴィルで行われる大会で
世界記録に挑戦すること。
地元の人の温かい資金援助もあって、とうとう、彼は単身アメリカへ旅立ちます。

アンソニー・ホプキンス演じるバート・マンローは、
車の乗り降りも「よっこらしょ」という風で、これで大丈夫なの?と思わせます。
しかし、長年培った技術と度胸があれば、あと必要なのはその心意気のみ!
こういうふうに何かに一生懸命な人を、回りもほおって置けなくなるのかも知れません。
バートの隣人は、早朝からの爆音や雑草だらけの庭に迷惑しながら、
それでも彼を気にかけ、応援している。
隣家の少年に熱く夢を語るバート。
それを目を輝かせて聞き入る少年も、ステキでした。
そんな中のバートの言葉なんですが、
「挑戦しない人間は野菜と同じ。」
まさに、彼の信念ですね。

さて、船でいよいよアメリカ、ロザンゼルスに到着。
ここから目的地までは、良い出会いのあるロードムービーとなります。
何しろ、お金がないバート。
いろいろな人に出会い、夢を語りながら、貧乏旅行が続きます。
どこにでも、親切な人がいるもんですよね。
もっとも、これは彼の人徳なのかも知れませんが。
何十年来の夢を果たそうと、はるばるニュージーランドからやってきた老人。
誰でも、手を貸したくなるに違いありません。


夢はあきらめた時が終り。
そんな言葉が思い出されました。
お金がないから・・・。
心臓が悪いから・・・。
車が壊れたから・・・。
受付の締め切りは過ぎているから・・・。
このような数々の困難があったにもかかわらず、
それを理由にそこであきらめなかったからこそ、夢を果たすことができた。
あきらめなかったからこそ、
人々の手助けや、次の幸運な状況を呼んだのだなあ・・・と思うのです。
うんと落ち込んだりしたときには、思い出してみたいことですね。

私は正直バイクには興味もないし、良くわからないのですが、
この映画にはそういうことはあまり関係ないのですね。
人生、いつまでも夢を持って生きなくては。
それを教えてくれます。
周りの豪華な装備のバイクに比べて、なんて、シンプルかつポンコツなインディアン号。
お金をかければいいというものじゃない。
それを実証してくれました。

真っ白い塩の平原。
不思議な場所です。
バイクの話し抜きでも、一度は行ってみたい・・・。

2005年/ニュージーランド・アメリカ/127分
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アンソニー・ホプキンス、ダイアン・ラッド、ポール・ロドリゲス、アーロン・マーフィー