映画と本の『たんぽぽ館』

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「追撃の森」 ジェフリー・ディーヴァー 

2012年07月27日 | 本(その他)
森の中の緊迫した一夜

追撃の森 (文春文庫)
Jeffery Deaver,土屋 晃
文藝春秋


               * * * * * * * * * 

女性保安官ブリンは、通報により人里離れた森の別荘を訪れますが、
そこで夫婦2人の死体を発見。
そこへ殺し屋の銃撃が襲います。
ブリンは現場で出会った女性を連れ、深い森を逃走。
時は深夜、無線なし、援軍もなし。
二人の女対二人の殺し屋。
知力を駆使した戦いが始まる・・・。


時々、こんなふうにハラハラドキドキのサスペンスストーリーを読みたくなります。
でも考えてみたら随分映画で見てるんですけどね。
今作の著者の作品、私はこれが始めてですが、
「ボーン・コレクター」を書いた方です。
映画は拝見しました!!


さて今作、ブリンは腕の立つ優秀な警官。
まあ、よくある設定です。
普通とちょっと違うのは、この殺し屋の造形。
プロなんですが、普通の仕事ではもう倦んでいるのです。
ブリンを頭がよく、ウデも立つと見て、好敵手とばかりに燃えてしまう。
ブリンの体力勝負でもありますが、
逃げる方向などいかに相手を欺くか、そういう知力の勝負でもあるのです。
終盤には二人が密接して会話を交わすシーンも。
なかなか緊迫感に満ちています。
そしてまた、今作はそれだけではなくて、
全く意外な展開も見せるので油断なりません。
え~、そんなあ・・・と、思わず呟いてしまいます。


更にはブリンの以前の夫のこと。
息子のこと。
今の夫のこと。
複雑な状況も絡めて全く退屈しないエンタテイメントとなっています。
「ボーン・コレクター」のリンカーン・ライムシリーズを読みたくなって来ました。

「追撃の森」ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫
満足度★★★★☆