出た!イネの穂が出た!
そりゃ出るだろ、イネなんだもの。ふつうに育って、いつも通り時が経てば、茎が膨らみ、穂が突き出て花が咲く。当たり前にゃ違いないが、待ってたからなぁ、ここ1週間は、声かけしながらさぁ。そろそろじゃないか?もういいんだぜ、穂を出したって、とかね。日一日膨らむ茎を見ながら、今日か明日かと心待ちしてたんだ。無事出穂してくれて安堵だよ、感動だぜ。よぉー出た。よぉー育った!
気温は高いが、水はたっぷり、暑さで受精不良、なんて、ないよなぁ。夏らしい夏が続きゃ、まず、間違いなく豊作だ。いいのか?そんなこと言い切って。
いいさ、いいさ。ここらの田んぼじゃ断然目にとまる見事さだもの。30年以上の米つくりの経験からしても、今年のイネは別格だ。逞しくも美しい!茎数も多いし、背丈も高い。除草も適期適作業で完了。初期、中期で抑えた雑草どもは、旺盛なイネの勢いに圧倒されちまってる。ほれ、株元で、ちまちま、うじうじ蔓延るだけだ。いつまでも田を歩き回ることがなかったから、イネの根っ子も傷まなかった、それも効いてる。
で、この暑さだ!この日差しだ!株間、畝間を覆い尽くした葉っぱども、大手を広げてお日様エネルギーを受け止めている。いいかぁ、お天道様よぉ、寒くなるんじゃねえぞぉ!盆過ぎの残暑も大歓迎だかんなぁ。むれる大気の中でだっぷり日差し受け続けりゃ、実は太る。そうすりゃ、本当に、大豊作じゃぁぁぁ!
ただなぁ、心配なのは、ヒトメボレの生育落差なんだ。一方で順調な穂孕み出穂進んでるのに、水口じゃ寸足らずの少年期、春の芽生えなどお呼びもつかぬ。今年は深水を徹底するために、毎日水出してるからね、ほとんど終日、冷や水ひたし、こりゃきついわ、イネだって。水温13度の冷水浴なんだから。この調子じゃ水口は1カ月遅れ!「なんてことになるかもな。が、これもいつものことだ。あちら立てればこちらが立たず、仕方ない世の条理。
田植えもここらじゃ先頭切ったから、穂が出てるのも我が家だけ。と、なるとスズメの一斉襲撃も不安だが、今のところ、気付いちゃいないようなんだ。て言うか、スズメそのものがあまりいない。どこ行っちまったんだろな、スズメども。そう言うやぁ、カエルもかなり少なかった。先週あたりなんて、カエルが鳴いてるのは我が家の1枚だけだった。ああ、ハチも赤とんぼもいなくなったなぁ。うーん、「沈黙の春」に近づいてるんじゃないだろうな。