いやぁぁぁ、何もしなかったなぁ、コント大会。台本書いたのと当日ビデオカメラ回してたのと、それっきり。役者やスタッフたち、座長のことなんて、記憶にないぜ、きっと。それくらい、団員たちの手で一から九までやり遂げてくれた。そう、残り一が台本。
だから、へらへらと、あるいは上から目線で批評したりしちゃいけないんだぜ。だけどなぁ、3本の菜の花座コントのうち、2本はこの先公演の機会もあるから、打ち上げの時にちょこっとアドバイスさせてもらった。音響の使い方とか、小道具の扱いとか、キャラクターとか、立ち位置とか・・・
べつにケチ付けたなんてこっちゃない。十分に面白かった。もっと受けるには、ってことだ。それにしても、やっぱり、別の人が演出すると、こうも違ったものになるのか!って驚きと喜び、大きいねぇ。吉本の乳首ドリル的なハチャメチャな笑い、あんなこと、とてもじゃないが、できない。だって、萎れ乳房引っ張り出したり、免許返納拒否巡る攻防を歌と踊りでやっちまうんだぜ。
「なんでも閣議決定!」をおちょくった政局ネタは、ちよっと厳しかったな。ネタそのものに、インパクトが不足だった。閣議決定で何がいけないの?ってえか、そもそも閣議決定ってなに?ってのが、多くの人たちの素朴過ぎる感覚だもの、鋭い突っ込みにゃ向かなかったってことだ。2年前のJアラートの方が、題材そのものも関心も高かったから、ギャグもしっかり届いた。政治ネタってのは、観客の関心レベルに合っていないと笑いがとれない、勉強したねぇ、って当ったり前のことなんだけど。
勉強って言えば、米沢中央高校の演劇部二人のコント「ラーメン屋」、圧倒的だったな。観客全員がもろ手を上げて優勝に賛同していた。早口言葉、活舌の良さ、仕草の面白さ、役者の技量の高さも群を抜いていたが、書く立場としちゃ台本の秀逸さにびっくりした。うーん、ネット台本恐るべし!
注文の多い料理店ならぬ、オプションの多いラーメン屋での、店員と客とのやり取り。早くラーメンが食いたい客に、めったやたらとオプションが繰り出されるんだ。緬の太さ、固さや汁の味付け、トッピングのナルトの渦巻きの方向やら、煮卵はウズラか鶏かを突き抜けて、煮卵のあり得ない作り方まで、次から次と客に選択を迫って行く。ついには箸の固さにまでナンセンスが上り詰める。落ちは、あまりにオプション項目が多くなり、調理場に伝えられなくなるってものだ。
たしかになぁ、最近のラーメン屋って、緬の種類、茹で加減、汁のバリエーションからトッピングまで、バラエティ豊富、らしいものなぁ。あっ、外食とかほとんどしないから、これは、フェースブック友達の緬活日記でのお目目学問。ちょっとウザいほどの選択の多さ、ここを逆手に取って笑いに引きずり込んだ。そう、世間ってちょくちょく滑稽の域にまで突き進んでしまってたりするからね。それ自体コント!って現実も多々見られる。そんな世の中の一コマを切り取ったところが、さすがだね。いやぁ、勉強になったよ。
年取って、出掛けることも減り、興味の守備範囲も狭くなってんだ。そこを突かれたって感じだな。もっと、耳そばだてなけりゃな、目を光らせんといかんのよ。ついつい、世の中きな臭いから、マジ、ムカッ腹に向かっちまって、どんどん視野狭窄だ。って、ほらほら人の所為にしない。世間に罪をなすり付けるんじゃないぜ、ジイサン、それ年寄りの偏屈ってもんだぜ。