ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

脱穀終わって、やっばりビールだぜぇぇぇ!

2019-10-16 19:49:27 | 農業

 台風の奴、スケジュール狂わせやがって!やっことさ、脱穀だ。今日の予定は、コシヒカリイネ杭40本!これさえ終われば、残るはヒトメボレ水口分と満月モチだけ。最後の一山だな。

 さあさ、気張って朝からとっかかるか、と、思えば、朝霧もはもは!そうなぁ、この季節、晴天の朝は思わせぶりの濃霧別世界、中国山水画の光景なんだ、ここ置賜ではな。風ないと、午前中はおろか丸一日、霧中散歩の時だってある。出鼻挫かれるよなぁ、ほんと!

 でも、こっちの不機嫌を察知してか、9時過ぎには、日が差し始めた。そヴた、素直でよろしい。さぁ!始めるぜ、脱穀。あっ、いかん、ガソリンなかった、もう!愚か者め。

 まずは、イネ杭に掛けてあるビニールポンチョを外す。これで30分、次に脱穀機=ハーベスタの整備と始動準備。前回、使ったまま、掃除してなかった、いかん、いかんなぁ、こういう明日伸ばしは。これにさらに30分。結局、脱穀開始は10時半になっちまった。

 独りでやると、イネ杭10本で1時間の勘定だから、昼前までに半分終わるな。午後からさらに2時間、とすれば、3時半にゃ扱き終わって、あとは、稲藁の片付けやらなんやらで、5時には終わるだろう。明日も晴れだってことだから、残りは明日ってことで、ゆとりだぜぇ!

 午後から、神さんの助っ人、おお、速ぇ、速ぇ!二人仕事は3人力だな。3時前に扱き方終わっちまった。と、なると欲出るよなぁ。残りもやっちまおうか。息の合った二人三脚で、こちらもあっという間に、脱穀終了!やったぜぇぇぇ!これで、今年の米つくり、総仕舞いだ。

 と、喜ぶのは早い。藁を小屋に収納せにゃならん。今年の稲藁は、来年、野菜畑のマルチ素材として大活躍するんだ。4畳半ほどの格納スペース満杯の藁、すべて使う。1反部分の藁をここに詰め込む。キャリーで何度も行き来して、積み方は神さんの得意、大雑把人間の俺なんかじゃ、半量と納まらない。だが、収納名人の神さんにしても、今年の藁量は半端じゃなっかた。屋根近くまでぎっしり詰め込むもまだ、キャリー2台分入りきらない。ここで、神さんタイムアウト、一人残された。

 仕方ねぇ、無理やり突っ込んで、押し込んで、詰め込んで、なんとか、すべて藁たちは一冬の住み家に落ち着いた。5時半を回った。秋の夕暮れはつるべ落とし、って本当だぜ。さっきまでの明るい夕空が、そんなの知らねえよ、とばかり夕闇にすり替わっている。

 で、まだ、肝心な仕事が残ってる。米、米、袋に入った米、こいつを運ばなくっちゃ。田んぼはすっかり暗黒世界だが、米袋は、石塔のように薄白く存在を誇示している。よしよし、今、運搬して小屋に鎮座するからな、待ってておくれ。

 この25キロ超のコメ袋を持ち上げる!これが今日、一番の難物なんだ。力、なくなってるしなぁ。尻の筋肉傷んだままだしなぁ。この腰を入れてグイっと踏ん張るのが一番怖い。ピキッと行きそうでさ。4日後にはフルマラソン、ここで悪くしたら、魔の5時間走、いや、制限時間6時間内完走だって危ないぜ。そっと、そっと、力入れずに持ち上げる、って、上がるわけないだろ。一気に上げると負担も一瞬で伝わるから、ゆっくり持ち上げる。よしよし、これなら、尻は痛くない。が、腕がぁぁ、辛いぞ!30袋、我慢だぞ。忍耐だ。キャリーに積んで、小屋に運んで、下ろす。3回往復!やっと終わった。

 もう、いいだろ、これで上がっても、罰は当たらんだろ。が、どっこい、剥いだビニールが田んぼに広げたままだ。今夜は風吹かないとは思うが、万一飛ばされて、走って来た車の前面ガラスにへばり付いたりしたら、こりゃ、喜劇?いや違うって、大惨事間違いなし。こいつばかりは片付けておかないとな。公徳心ってやつが疼いて夜も寝られなくなる。闇の田んぼに漂う一反木綿、次々と回収し、これまた、キャリーに放り込む。40枚、すべて拾い上げた、はず。暗くてわからん。

 今度こそ、もういいだろ。なんて俺は働き者なんだ!なんだって、こうも忍耐強いんだ!歩いた歩数は15000歩!距離にして10キロ!!

 許す。米つくり1年を締めくくる乾杯?いいんじゃないか。これだけ頑張ったんだ、ご褒美でもあるさ。いつものジントニックじゃ、この高揚感に釣り合わない。誰だ?取りあえずビール、なんていう奴は?

 ここは、「やっばり、ビールだぜぇぇぇ!」

 

コメント
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