ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

高校生活に寄り添う作品作り!高校演劇地区大会

2018-09-10 08:47:34 | 演劇

 高校演劇地区大会、見た。って言っても置賜農業高校だけ。午後からは別の予定が入っていて、残念だったけどパス。少ない観客にちょっとショックを受けつつ、元顧問Nの作『Stay』を見る。自身の勉強のため、一時現場を離れているN、部員たちの声に押されて新作執筆を引き受けたのだろう。多分、彼女のことだから、部活にも顔を出し、指導もしていたに違いない。その責任感、とても敵わんな。

 舞台は農業高校のコモンホール、って言うより、もろ置農!生徒にとっても、昼食を取ったり、友達とおしゃべりに興じたり、迎え待ちのひと時を過ごしたり、何かと思いの濃い空間だ。演劇部員にとっては、さらに、ダンス披露の場としても部室とともに掛け替えのない場所だ。卒業式終了後先輩と一緒に踊り、新入生の歓迎に踊り、新学期着任の先生たちを前に踊った。

 そのコモンホールでのダンスで幕開けだ。シルエットの中でのダンス、人数が多い分、なかなかの迫力だ。でも、終わってすぐ、そのまま明かりが点き、日常になってしまうのは、ちょっとつや消しかな。それと、選曲が後展開する劇の雰囲気と合っていないてのもちょっと気になった。なんか、おどろおどろしいイントロ!

 内容は農業クラブ役員と生徒会役員の対立と和解のお話し。普通高校出身の人たちにはわからないことだが、農業高校には全国すべての農業高校に農業クラブてものがある。教科とは別に、農業への自主的活動を後押しする。生徒会が学園祭やボランティアを企画運営するのに対して、プロジェクト発表大会や農業鑑定、意見発表など農業にかかわる様々な大会の運営に携わる。どちらにも10名前後の役員がいて、彼らの献身的活動で超忙しい農業高校の行事が回っている。

 厳密なものではないが、農業クラブは将来就農する者や、農業=愛!って生徒が役員になり、農業?まっ、授業だけでいんじゃね?それより、学校生活さ、という生徒たちが生徒会役員に入る。そんな事情もあって、両者は敵対とは言わないが、競争意識満々、一所懸命、仕事に熱中していいる。どちらも自身の貴重な余暇時間を差し出して活動する意欲的な生徒たちだ。学校としても、自主的に活動し、一般生徒?たちをリードしてくれる集団が二つもあるってことに教育的価値を見出している。だから、大変でも二つの組織を別立てすることにこだわってきた。

 だが、さすがに生徒数の減少には逆らえず、生徒会と農業クラブを一緒にするという方策を取らざるを得ない学校が出てきている。そんな境遇に突き当たった生徒たちの不安、苛立ち、疑心暗鬼が中心の作品だ。たしかに、農業高校生としちゃ、身近な話題、避けて通れぬ問題で、ここに目を付け、積極果敢に舞台に押し上げたその意欲は大いに評価する。

 でもな、大変なんだよ、農業クラブを語るってことは!ここま800文字近く使ってるだろ、それでも、多分ぼんやりとしか伝わりゃしない。プロジェクト発表大会や農業鑑定、意見発表、なんてまったく説明していないし。これら農業高校の独自性を、説明としてでなく、生徒たちの生きた会話として成立させるにはかなりの技量が必要になるんだよ。なんたって、農業高校生以外にはとんと馴染みのない、つまり切実性のない話題なんだから。しかも、そこから高校生全般に通じる課題を抽出するとなると、これまたかなりの厄介ごとなんだ。この作品では、その普遍化って部分をデマツィートとその炎上、デマを流した生徒の孤立と孤独に頼っていた。どうだろう?成功と言えるんだろうか?唐突感と言い、題材のひねりの足りなさと言い、僕は素直には満足できなかったな。

 生徒に寄り添う。しかも今いる生徒たちの場にこだわる姿勢、高校演劇部の顧問してはとても真っ当なあり方だ。そこで必死に書き上げようとあがいている顧問Nの頑張り、ちなみに彼女は菜の花座で役者として照明プランナーとして同時進行の超多忙を抱えている、は、ほとん称賛に値する。

 振り返って、僕が高校生に書いた作品と言ったら、限界集落に一人固執する婆さんだったり、民族浄化に飲み込まれる人形たちだったり、臓器移植用に飼育されるクローン人間だったり、廃船で大海を漂流する津波被害の霊たちだったり、駅に降り立つ戦没兵士や足抜け女郎だったり、疫病患者を社会から締め出す壁の話しだったり、およそ、高校生の生活とは縁遠い世界ばかり書いて来た。勝手なもんだ。時々の部員たち、よくぞ、こんな顧問の気まぐれに付き合ってくれたもんだ、と今になって赤面しつつ悔いに捕らわれる。

 王道を行く、顧問N、王道ゆえの難しさは山ほどある。その苦難を超えて、多くの人々にも直に伝わる作品を作り上げて欲しいもんだ。そう、生徒たちと一緒にね。そんな努力をコツコツと積み上げている演劇部顧問が、全国にはたくさんいる。そんな顧問たちの地道な意欲と生徒たちの熱意に支えられて高校演劇は引き継がれている。その懸けているものは、甲子園を目指す野球部員たちにも遜色はないんだけどね。

 

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無謀なのか?魔女で芝居

2018-09-09 08:38:31 | 脚本

  買い入れた資料本にゃ一通り目を通した。そう、読んだ、とは言えない。途中、リタイヤした本が3冊も!

 「魔女図鑑」マルカム・バード:作・絵。たしかに絵も構成も面白いんだが、不気味な魔女を戯画化するって方向がワンパターンで、半分読んだところでもうお腹いっぱい!こってり酢豚をケチャップ味、豆板醤味、オイスターソース味で次々並べられたら、いい加減にして!って言いたくなる。

 次に「魔女狩り」ジャン・ミッシェル・サルマン:著。魔女狩りの歴史入門書、って言ってるけど、なかなかどうして、詳しくて地名や人名を追っていくだけで疲れた。しかも豊富過ぎる図版!小さな文字!!苛立ちつつも本編は最後までたどり着いたが、資料編で力尽きた。理由の第一は、暗ぁぁぁ!目指すは笑いのある魔女ものなんでね。

「魔女の世界史」海野弘:著。これは!トンデモ本だった。凄いんだぜ、フェミニズムやらウーマンリブ、さらにはゴスロリ、ゴシック&ロリータ、ほら下妻物語の竜ヶ崎桃子、まで魔女の仲間入りなんだから!さらに眉に唾つけたのは、次から次と魔女運動のグループが紹介されてること。うそ、うそ、うそ!世の中魔女と魔法使いばっかじゃないか?!

 なんか、途中まで読んだだけでも、ずいぶん回り道させられて徒労感ずしりだ。まっ、台本書きのために読む本なんてそんなもんなんだがね。それでも面白い本とも出合えたから、収支トントンってところだ。

 一番の収穫は一昨日このブログに書いた「魔女の宅急便」。これは良かった。資料としての価値はまったくないが、作者の角野さんに、魔女、書きなさいよ、って背中押してもらえた。これ、けっこう大きい。

 あと、「ニューヨークの魔法使い」シャンナ・スウェンドソン:著。面白かったぁ!ネタバレするから、お話しのポイントは書けないが、逆転の発想!いいところに目をつけた、そこが成功の秘密。それと、田舎からぽっと出の女性のニューヨーク非正規ブラックOL暮らしの描写もとてもいい。ただ、残念なのは、平凡なだけが取り柄の主人公が場所を得て逞しくなっていく過程で、その表現のユニークさが失われちまうってところだな。でも、まず一気読みさせる力は最後までみなぎってた。

 そうそう、途中放棄したのはテレビで放映の「メアリーと魔女の花」。最初から、なんかジブリ作品で見たようなシーンとキャラがぞろぞろ出てきて、しかも空飛ぶほうきにゃ黒猫まで乗るし、キキとジジじゃん!我慢して1時間見て、ストーリーの先行きが読めたので、録画消去した。ほぼ、収穫なし。

 いつまでも資料に逃避してるわけにもいかんのたぜ。要するに魔女もので、楽しく笑いがあって、さらに歌えて踊れる作品書くてのは、めちゃくちゃ難しい!ってことがよぉぉく、わかった。それが充電期間の収穫ってことだ。

 さ、書くしかない。その前に、頭振りに振って、絞りに絞って、アイディアだ。まずは、時代はいつなんだ?

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秋野菜の種蒔きじゃ!その4。これにて落着!

2018-09-08 09:26:39 | 農業

 さぁて、これ播きゃ、秋野菜の種蒔きはお終いだ。山形青菜に大カブ、赤カブ、こいつらは漬物用。秋から冬にかけてのお役立ち青菜として、小松菜、春菊、ホウレンソウ。それと春先貴重な茎立ち菜、用意した種はすべて播いた。畝にすると12メートル4列、すべて上手にできれば絶対食べきれない量だ。でも、いいの、畑空かすとろくなことないから。雑草だらけになるのは目に見えているのさ。田んぼもそうだった。今年、苗が足りず、そこいら中欠株だらけになったんだが、その空間はまさに雑草天国、取っても取っても生い茂る草たちにほとほと手を焼いた。畑だって同じこと。使い切れそうじゃなくたって、種は播く、作物は育てておく。

 種播きから1週間、連日の雨降りのお陰で、発芽も順調だ。

 芽さえ出れば、あとは適当に間引きするだけ、なまじっかの情け心に引きずられず、ずばずば引っこ抜けば、良い恵みをもたらしてくれるだろう。芽生えの時が一番心安らぐ時だ。あの小さな粒から、よくぞこの可憐な双葉を広げてくれた。大したもんだぜ。

 その2で播いた大根はすでに一度間引きを済ませて、この育ち具合。

 うーん、やっぱり控えめ過ぎるなぁ、間引き。もっと思い切っておろ抜かないと、細っこい大根になっちまうぞ。次回、ええーっ!抜き過ぎじゃねぇ?ってぐらいに間引きしてやろう。

 苗で移植の白菜も植え傷むことなく、葉を広げている。神さんが、株の周囲をほじくってヨトウムシ退治、7匹殺したと自慢気に報告、をしてくれたので、もう、安心だ。

 ネギの土寄せも済ませたし、畑は例年になく整っている。この清々しい菜園の風景、日に何度も見惚れちまうんだよな。農作業は食い物得られるってだけじゃない。心も健やかに洗い清めてくれるんだぜ。

 

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たまたま、ほんと偶然だったんだ、『魔女の宅急便』読んだってこと!

2018-09-07 08:59:09 | 本と雑誌

 そりゃ知ってたさ、角野さんが国際アンデルセン賞もらったってことくらい。だからって、読んだってわけじゃ全然ない!まして、昨日NHK「国際報道」で角野さんを特集するなんて知りもしなかった。いやぁ、まさかの偶然だったぜ、『魔女の宅急便』読んだところだったんだ。

 今頃『魔女の宅急便』?次回菜の花座作品、魔女で行く!って宣言しちまってるんでね、まっ、資料として、って言うより、無意識のうちに被ったりすると嫌だなって気持ちで取り寄せたんだ。アニメは見てるはずだけど、さっぱり覚えていないから。

 童話だしねぇ、ヒットした本や映画は本能的に避けるへそ曲がりの僕としちゃ、まっ、取りあえず読んでおくかって程度だ。実際、朝、最初に手にしたのは、同じ魔女本でも『魔女の契り』って翻訳ものだったんだが、出だしの煩雑さに起き抜けの頭が付いて行けず、童話ならなんとかなるだろうって乗り換えたって、失礼な話さ。

 コテコテのSF魔女から少女向け、正直、読み始めは、そののったり感について行くのが容易じゃなかった。そりゃそうだ、童話に夢中にになるって歳じゃないもの。それと、資料として、って意識もあるから、どうしたって、1歩も2歩も引いて、検証読み、内容チェックみたいな意地悪な読み方になってたんだろう。

 ところがねぇ、読み進むにつれて、これは容易ならざる本だぞ、って思い始めた。って言うより、面白い!作者の空想力のハチャメチャぶりにグイグイ惹きつけられた。大量の洗濯ものをつるした紐を、魔少女キキが引っ張って空を飛び回る!ええーっ!それも迷惑に思うどころか、楽しんでしまうって、なによ、これ!?突拍子もないイメージじゃないの。ナンセンスそのもの!忘れ物の楽器の緊急輸送を頼まれて、トランペットやらトロンボーンなど管楽器を吊り下げつつ空を飛ぶと、風を吸い込んで演奏になってしまう。しかも、ほうきに乗るキキは、チェロを弾き、黒猫ジジはヴァイオリンを弾きつつ優雅に飛び回る、ってんだから。どこまでぶっ飛んでくのこの人の想像力。か、と思えば、大晦日の鐘を合図に、町の人たちが一斉にマラソンしたり、隣町じゃ仲良く暮らそうと指切りしたりする。奔放だなぁ、思いっきりナンセンスだなぁ。しかも、どれもこれも絵柄として素晴らしいんだ。こりゃアニメにしたくなるよな。ナンセンス大好き人間の僕としちゃもう夢中で読みふけった。

 ただ現実離れしてるってだけじゃない。僕なんか思いつくナンセンスは、毒を含み、えげつなさを纏ったものばかりなんだが、角野さんの場合は、ほんのりと優しく温かい。ナンセンスで難しい依頼を一つ一つ片づけながら、少女と町の人たちの間に心が通い合い、そのぬくもりが少女の成長をそっと後押ししていく。こりゃ数十か国で翻訳され、世界の少女たちの愛読書になっているのも当然だろうな。うーん、良い本を読ませてもらった。資料読みも実に為になる!

 おっと、資料としても大切なヒントをもらえた。ヒントって言うより、刺激かな。それは、使える魔術が空飛ぶほうきだけだってことだ。魔女って言ったら、いろんな秘薬を調合したり、人を動物に変えたり、自分が消えたり、念力送ったりと、千変万化の超能力を思い浮かべてしまうところだ。そんなこと、舞台じゃ無理!やろうとすりゃひどく子供騙しのちゃちなものになっちまう。少なくとも菜の花座の実力じゃ。それが、一つの魔力で書ききれるってこと見せられたお陰で、気持ちはふっきれた。問題は、その力をどう多彩に使いこなせるか、そこが作者の想像力にかかってる。あとは、あんた、ガンバレ!ってことだ。

 「国際報道」の中で、角野さんが言っていた。想像力はどこへでも行ける。物語には力がある。それが何よりの叱咤激励!

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寝起き、体が硬い!?

2018-09-06 08:52:45 | 暮らし

 朝が辛い。頭がボー、体ガチガチ、胃が重い。胃が重い理由はわかる。夜遅くまで酒を飲み続けてるからだこで。頭がボー、そいつぁパソコンとテレビと本のせいだ、間違いねえ。じゃ、体ガチガチは?

 農作業?ランニング?たしかになぁ、どっちも、体、酷使してるよ、この歳としちゃ。特に、腰!中腰とか屈んでとか腰に負担の作業って多いから。一昨日は草刈り機、昨日は手取りでアオビユ、アカザ抜き。そりゃ来るよ、腰に。ランニングも、腰回りで走る正しい走り方ってやつ心がけると、腰が辛い、腰が病める。

 慢性の腰痛、ってことはない。だって、朝起きてしばらくすれば、凝り固まった体は滑らかになってくるんだから。腰曲がったままのジイサン歩きも治って、しゃきっと背筋も伸びて来る。朝の1時間くらいなんだ。なんなんだ?この寝起きの凝固状態は?

 どうにも気になって、ネットで調べてみる。寝起き 体 固い 理由?寒さで血管収縮?いや、冬だけのことじゃないから。横向きの寝相が原因?うん、まぁ、仰向けで寝ること少ないかもな。でも、なんかしっくり来ない。何度も寝返り打つから。たしかに寝返りは打つ方だ。でも、夜中体動かしてりゃ固まらないんじゃないか?うーん、どれもこれも納得いかんなぁ。

 他人様の知恵に頼らず考えてみる。横になって重力を全身にもろに受けて疲労がたまる、それじゃ疲労回復せんだろが、なんのための睡眠だよ。それに、重力の重圧は、起きてる時でも同じだろ。仮死体験?老いの行き着く果て、死後硬直を事前学習している?うん、まぁ、こうやって徐々に体動かなくなって死を迎えるんだろうな、って心の準備にゃなる。でも、葬儀社の体験会じゃあるまいし、そこまでプログラムされてるとは思えんなぁ。

 こんな仮説はどうだ?血流がサボタージュしてるんだ、寝てる時って。流れちゃいる。でも、昼間の活動時の半分とか1/3とか、極端に少ないんだ。だから、細胞も半分仮死状態で活動を休止する、これが身体の休養ってことなんじゃなかろうか。筋肉にしろ、筋にしろ、内臓にしろ、寝てる間は開店休業なんだよ、きっと。ほら、例えば、唾液って就寝中は出ないだろ、あれと同じことがそこら中の細胞で起こっているのさ。寝起きってやつは、一時的な半死半生状態ってことだ。人間、毎日、死にかけちゃ生き返ってるってことさ。

 だから、ああ、今日もこの世に生還できたって、体の凝り固まりにもありがたく感謝しつつ重い体を起こさにゃならんのよ。そのうち、寝ている間にいつの間にか血流、止まるんだからさ。

 

 

 

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