自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

父親のない子、私が教育を面倒を約束する・・・

2012年12月29日 | 神秘と神の大地”インドの香り”

12月29日 印度で”家族だから~”の意味  

 

インド人の言う家族の意味について・・・

昨日のブログで少し触れたところだ。

15年の滞在期間、思い出しても2度しかなかった。


2つのファミリーから、家族として認められた

ことになる。

今に至って、ようやくその価値と意味が理解

できるようになった。


当時は ”家族だから” の言葉の重さは、推し

量ることができても、ピンとくることはなかった。

 

S氏は、インドと日本の間の架け橋として、

銀行マンとして活躍されたお一人だろう。


印度・ニューデリーに、東京銀行第一号支店

を創設したときのメンバーでもある。


東京三菱UFG銀行と名前を変えたこの銀行も、

支店をインドに増やすことの許可がインド政府

から最近、出たばかりだということで 

活気づいていた。 


久しぶりに尋ねたが、まだまだ知り合いも多く

働いていた。

旧知のスタッフも出世していて、チャイを出して

くれた。

 

S氏は、50年間の日印関係の歴史を、ずっと見て

こられた。

歴代の日本大使館の大使や外交官たちとも、

親しくしてこられた。


S氏こそ、私の学生時代のいわゆる、責任保証人

であった。

ヴィザを取得するとき、インド人保証人の名前を

FRRO(外国人インド滞在登録機関)に

登録しなければならない。 


自分が息子と印度・二人生活になったとき、

自分の滞在のための、学生ヴィザ、また、

研究員ヴィザ取得のため、10年以上、S氏は快く、

保証人を引き受けてくださった。

 

あるとき、知り合いの日本人女性が妊娠した。 

婚外妊娠であった。

日本に帰るべきか、どうするべきか?


恋人の想いを推し量りかねて、彼女は悩んでいた。

私は、S氏に相談すべく、彼女と一緒に、

ご自宅を訪れた。


ヴィザや、その他、適切な助言をいただける

はずだと思った。

S氏は静かに、表情も変えずに、彼女の話を聞いた。

最後にS氏はこう付け加えた。

 

”Suda(須田)は私の家族の一員だ。 

Sudaの友人である貴女に、手を差し伸べたい。

もし、生まれてくる子供の養育が難しいと思ったら、

私に任せなさい。


私があなたに代わって、養育してあげることを、

約束する”

 

その言葉は、彼女にとって、青天の霹靂

だったに違いない。

日本の家族ですら、そのような覚悟のある

言葉を、彼女にかけてくれないことを

承知していた。


それなのに、全く 血縁関係のない、S氏から、

このような言葉を聴くことは予想していなかった

だろう。

彼女の目から涙があふれた。


それは、その深い言葉と心に、真から感謝して

出てくる涙であった。

”ありがとうございます。 

そこまでご心配していただけるなんて・・・ ”

それ以上は言葉にならなかった。

 

彼女はそれから、その恋人と結婚して、

生まれた坊やを日本で育てている。 


 2番目の 私を家族と言ってくれた方は、

私のシタールの師であった。


最近 シタールの巨匠ラヴィシャンカール師

が 亡くなられた。

その、ラヴィシャンカール師の次に、紫綬褒章

にあたる勲章を与えられようとした、

ヴィラヤット・カーン師のご長男にあたる。


もっとも、ヴィラヤット・カーン師は、ラヴィ師

が先に、名誉勲章を受けられた事がお気に召さず、


今さら、遅すぎる”と新聞記者に話し、

”ラヴィ・シャンカールの後にもらうのなら、

自分は辞退する


と言って、その勲章授与を拒んで話題を呼んだ。

しかし、時の首相から 官庁関係者の住む、

デリーの一等地に土地と家を与えられ、

当時、師の母上が住んでいらした。

 

母上とは、師の主催するパーティーなどで

何度も、お会いし、ご自宅にもお呼ばれして、

かわいがっていただいた。

 

師は、私がインド在中、UCLAの教授として、

アメリカでも活躍され、シタールと卓越した

歌唱力で、グラミー賞候補にもなられた。 


その師のもとで、14年 内弟子として 

お仕えしながら、シタールの心を、教えて

いただいた。


”師の影を踏まず”~まさに、そのような、

厳しい、でもインドでは当たり前な 

師弟制度(グル・シシャ・パランパラ)の中で、

幅広く様々な事を学ばせていただいた。


私より年若い奥様をマタジ(お母様)と

呼ばせていただき、

そして、お二人のお子様、ともども、家族の

一員として受け入れていただいたことは 

大きな後ろ盾として、また、心の柱として、

息子と二人の、長いインド生活の日々の

文字通りの 家族としての拠り所でも

あったことは間違いない。

 

続く~

 

 

   

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