局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

夜の蝉

2011-08-04 22:44:55 | 記憶の箱
オットは土曜日も終日仕事の代わりに 木曜の午後と金曜の午前中は休みをとるようにしている。
とは言うもののきっちり半日ずつはとれなくてふと気づくと3時くらいまで仕事をしてしまっているなんてこともありがちみたいだけど、いつもよりは早く帰ってくるのである。

週の半ばをちょっと超えて身体の疲れもたまってきた頃にちょっと空く時間にほっとするようだ。

今日は私が帰るより早く帰ってきていたのであわてて夕飯を作り 夕食後ゆっくりしてから9時頃に一緒に犬の散歩にでかけた。

近くには私立高校のグランドがあり、ちょっと低めのコンクリートの塀で囲まれている。
その塀の上にオットが蝉の幼虫を見つけた。

 わかりにくいですね。

今年は7月の半ばを過ぎてもなかなか蝉の声が聞かれず、どうしたのかな?と思っていたが、8月になってつい最近鳴き声を聞いた。
ウルサイと感じるくらいの夏もあるけど、なければないとなると、いよいよ東京の夏は蝉も住まなくなったのかと不安になることもあるもんだ。

この蝉も長い間地面の下で過ごして、健気に這い出して来たのだろうけど、この長い塀を伝ってちょうど良い木にたどりついて羽化できるのだろうか?
連れて帰って庭の木にでも放してやろうかとも思ったけど、無理な力がかかって死んじゃっても嫌だから放っておいたけど・・・


小学校時代 あの頃の夏休みってたんと宿題が出たもんだけど、お決まりは理科の自由研究ってのがあった。

それが結構大変で浮草の観察って郊外の田んぼに浮草を取りに行ったり、ぼうふらを取ってきて蚊になるのを待ったり、パンにカビを生やしてみたり 色々したもんだった。

ある夏 3年か4年くらいの時だったが、祖父が庭で今日見たような蝉の幼虫を拾ってきたことがあった。
茶の間の下で家族が集まってそれを羽化するのを見届けた夏の夜を思い出した。
結構教育ママだった母が 「ちょうどいいから観察してノートに書きなさいよ、自由研究になるわよ」と提案し(母もカビの生えたパンを部屋のあちこちにおかれるよりは良いと考えたのであろう)私と弟は蝉の変化を観察しながら、それをノートに写生したのであった。
今の子ならデジカメか携帯でとってすぐさまプリントして貼ればいいのだろうが、ムカシの小学生と言うのは今思うと何をやるにも手間暇がかかったものでありますね。

羽化するまで何時間かかったののだろうか?祖父母は寝てしまい、弟と私たちに付き合う母と三人で眠さをこらえながら変化があるたびにスケッチした。庭に開け放した縁側から入ってくる夜の風の涼しさと蚊取り線香の匂いが今でもよみがえる。

茶色の背中が割れてそこから透き通った羽がのぞき、たたまれていたそれがだんだんと伸びて今思うと初々しい蝉がその中から現れた瞬間。
子供なりに感激した瞬間だった。
夏の記憶っていうのはなぜか懐かしくてまぶたの奥を熱くさせる。






コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする