萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

第78話 冬暁 act.7-side story「陽はまた昇る」

2014-08-19 23:40:00 | 陽はまた昇るside story
complication 錯綜の解



第78話 冬暁 act.7-side story「陽はまた昇る」

道に雪は消えた、けれど樹影は蒼白く埋もれる。

冬の夕暮れに公園の誰もが帰路、それでも奥へ歩いてゆく。
曇天の薄暮、さくり、踏みこんだ木下闇のベンチは誰もいない。
まわり埋める雪は足跡がある、その数とサイズに英二はため息を微笑んだ。

「俺の足跡だけ、か、」

もし待ち人が来たのなら足跡は残るだろう。
けれど見つめる靴跡は自分だけ、そこに重なるはずの人は来ない。
もう影蒼くなるほど陽は傾いた、そんな曇り空の夕暮れにもう一度だけ座りこむ。

何度このベンチに君と座っただろう?

「…夏だったな、最初は、」

ひとり記憶こぼれて常緑樹の影が夏になる。
初めて二人ここに座った夏の驟雨、あの横顔に重ねた想いが軋む。
いま雪の中ベンチに独り座りこんで、それなのに夏の雨の匂いと声が優しい。

―…こんな所で寝たら風邪ひくよ?

ほら、優しい声かすかに笑ってくれる。

あのとき好きだと自覚した、あれが自分の初恋。
男同士なのに恋愛なんてと正直なところ途惑った、けれどもう離れられなかった。
春から初夏、季節ひとつ共に過ごしてしまった隣の空気は居心地良くて、そして幸せが泣きたかった。

『泣けよ、宮田、』

泣いて良い、そう小さく微笑んでくれた。
まだどこか硬い貌だった、その硬さすら本当は優しさなのだと一瞬ごと気づき始めていた。
ぎこちない腕は泣いている自分を抱きよせて小さな胸を貸してくれた、頬ふれるワイシャツごしの鼓動が温くて安らいだ。

あのとき自分は決めてしまったのだろう、この唯ひとり護れるなら離れないでいられるのなら命すらいらない。

「なのに周太ごめん…なにも出来てなくて」

独り、現実のもどかしさため息ごと声になる。
いま12月、あれから1年半すぎて自分は何を出来たというのだろう?
そんな今の現状は救うなんて約束から遠すぎて、座った脚の隣の鞄が重たく昏い。

自分の鞄、そこに「奈落」から掘りだした半世紀前のパーツを救命道具に紛らせてある。
そして今日もまた書類一通しまいこんだ、もう過去の証拠ふたつ手にしたのに今あのひとはどこにいる?

「…ニュースは、」

思案ひとり声こぼれて携帯電話を開く、その画面に情報すぐ呼びださす。
いま16時過ぎた、閉園もう間近な刻限は今日一日の報道も流れるはず。
その現実を知るのは本当は怖い、それでも知らないよりずっと良い。

―だって周太、どんな現実も周太は俺が受けとめたいんだ、

想い祈りながら画面の記事を視線が追う。
ネットなら新聞やテレビより速いツールもある、その検索に心臓が停まった。

“ いま向かいのビルが窓割れた、なんか機動隊っぽいの突入したけど全員マスクしてる怖い何? ”

一般市民の匿名記事、ただ一行の文章。
けれど素人の声だからこそリアル生々しい、たぶん不安と好奇心から投稿した記事だろう。
今なにが起きているのか解らない不安と非日常性への好奇心、こうした混乱はある意味で無責任の傍観者だ。

だけど自分は当事者、それは警察官の立場よりも大切な人のために他人事でいられない。

「出たのか、周太…」

警視庁特殊急襲部隊 Special Assault Team 通称SAT
 
国内のハイジャック事件、テロ事件、強力な銃器を用いた事件に出動し篭城事件を鎮圧する。
狙撃班員は篭城事件やハイジャック事件において二十四時間体勢で遠距離からの監視、警戒を行う。
そして状況次第では犯人射殺も辞さない、そんな任務にある人ならば今日どこで何をしているだろう?

「周太、好きだよ…ずっと、」

想い声こぼれて瞳から熱あふれだす。
残雪に冷えてゆく大気へ熱そっと凍える、凍えた雫が頬ひとすじ冷たい。
はたり、顎から墜ちてまた一滴そっと辿りだす、あの夏もこうして泣いて優しい隣は受けとめてくれた。
何も言わずただ泣かせてくれる、それだけなのに安らいでゆく本音は嘘吐けなくて初めて恋愛に堕ちると自覚した。

無言でも居心地いい相手は初めてで、そして全て懸けても縋りたいと願って、それなのに自分は今なにが出来ている?

「は…罰が当たったのかな、俺、」

罰が当たった、なんて発想は一昨年まで無かった。
だけど今は想ってしまうほど心当たりが多すぎる。

―周太だけって約束したのに俺は、光一まで…雅樹さんみたいになりたくて、

誰もが語る美しい山ヤの医学生、彼と自分が似ているなら同じになりたかった。
彼みたいに生きたい、そう願ったから彼が唯ひとり愛した山ヤを自分のものにしたかった。
だから言訳ごと犯してしまった夜が望んだ全て壊していく、そして誰も傷つけてしまった自分は罰せられて当然だ。

けれど、その罪が今あのひとを死線に立たせたなら自分が赦せない。

「周太…俺は周太の邪魔してるだけかな、ほんとうは…いないほうが」

ひとりごと零れて鼓動が停まる、もう自分の存在すら解らない。
唯ひとり捉まえて抱きしめ続けたかった、離れたくない傍にいたい、だから選んだ全ては結局ただ自己満足かもしれない。
そんな自分だから今日ここに来てもらえなかった、それが任務の所為だとしても運命すべてが「逢う」こと拒んだのかもしれない。

「…っ、は…」

ため息ごと鼓動また始まり視界を瞑ってしまう。
もう二度とあの人に逢えない?そんな予兆に心臓ごと時間すべて停めてしまいたい。
だって逢えないなら、もう隣にいられないなら今なにをしても幸せなんて遠すぎて、もう嫌だ。

「ふ…っ、」

吐息また涙ひとつ零れだす、ほら本当の自分はこんなに泣虫だ?

唯ひとり望みたい人にもう逢えない、そんな現実を全て棄てたくなる。
今日も父すら脅して書類ひとつ手に入れて、けれど逢えないなら何になるというのだろう?
世界中すべて騙しても脅しても護りたくて欲しくて、それなのに今日の約束ひとつ壊されるほど運命はもう逢えない?

「…こんなところで寝たら風邪ひくよ?」

ほら、穏やかな優しい声また聞える。

この想い初めて見つめた瞬間の声、夏の雨に黒目がちの瞳は優しかった。
梢の雨音に樹影は青くて、青に横顔あわく白くて長い睫の翳にじむよう蒼い。
あの横顔に振り向いてほしいと願いながら初めての恋愛を見つめていた、その声が呼んだ。

「英二…泣いていいよ、」

今、誰が自分を呼んでくれた?

「あ…、」

幻を聴いているのだろうか、それとも現実?
解らないまま座りこんだベンチに穏やかで爽やかな香くゆらす、この香は知っている。
もう9月の終わりからずっと感じていない香、それでも懐かしい空気は頬ふれて体温に抱きしめられた。

「ごめんね英二、こんな…ごめんね、」

ほら、大好きな声が名前を呼ぶ。
いま抱きしめてくれる香は知っている、この頬ふれる温もり懐かしい。
懐かしくて想い募らされるまま腕が動いて縋ってしまう、もう抱きしめてしまった腰は細くて、けれど瞳が開けられない。

だって目を開けたら消えてしまうかもしれない、これは幸福の幻かもしれない、だから目を閉じたまま抱きしめる相手が微笑んだ。

「英二、雪のなか寒かったよね、ごめんね…ずっと待ってたの?」

待ってた、

けれど「ずっと」の意味は今は違う。
約束の時間どおりに来たけれど3時間ほど離れている。
それでも本当にずっと待ち続けていた、だから正直に微笑んだ。

「待ってたよ周太、ずっと逢いたかった、」

今、さっきまで父と会っていた。
その前は祖父の墓前にいた、その前はあの店に独り座りこんだ。
けれど心ずっとこのベンチに座ったまま待っている、それはあの夏の雨から変わらない。

「待ってたよ周太、俺ずっと周太を待ってた、周太…いかないで、」

待ってた、だから行かないで?
この願いずっと告げたいまま夏は消えて、秋も冬も春も超えて今また冬。
この冬の一年前に見つめあえた約束をもう一度だけ繋いでほしい、その願いに抱きしめる腕もう解けない。

「行かないで周太、このまま俺から離れないで、行くな周太もういかないで、」

行かないで離れないで、唯ひとつ願いだけ声こぼれて頬ぬれてゆく。
それでも怖くて開けない瞳ごと抱きとめてくれる鼓動は温かい、その穏やかな心音が微笑んだ。

「ん…英二、公園もう閉まるから行こう?」
「嫌だ、」

駄々捏ねて腕そっと力こめてしまう。
今この腕を離したら消えていなくなる、そんな不安に優しい声は言ってくれた。

「大丈夫だよ英二、今夜は僕お休みなんだ…だから英二が帰る時間まで一緒にいるよ?」

今夜は休み、そう告げられて推測の正解を知らされる。
ただ一行だけの匿名記事、けれど事実だった全てごと抱きしめた。

「それなら朝まで傍にいてよ、だって…俺の帰る場所は周太だ、」

いま離れられない、だって離れてしまったら次いつ逢える?

こんなふう次があるかなんて解らないと最初から覚悟していた。
それでも今ほど次が解らないと想ったことはない、だって今日死線に行かせてしまった。
こんな現実に自分の無力は思い知らされる、けれど諦めきれない願いに抱きしめる温もりは微笑んだ。

「ん…ちゃんと外泊許可とってね?」



(to be continued)

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山岳点景:里山の秋

2014-08-19 23:30:00 | 写真:山岳点景
夏の秋



山岳点景:里山の秋

近場の里山は、あわい紅葉が始まっています。



黄蜻蛉の木蔭ある姿は秋っぽい、気温は高いんですけど、笑
蜻蛉の舞う森は藪茗荷の実が艶やかです。



藪茗荷↑って名前だけれど実はショウガ科、笑
若芽は葉が開く前に摘みとって食用にするんだとか。

で、下は姥百合です。



開きかけっぽいけれどコレで完全開花、緑がかった花は地味目ですが存在感があります。
森や低山に群生しているのをよく見かけますが山百合や鉄砲百合よりも野性味が強いです。

もう山は萩も咲きます。
紅紫ゆれる花は翡翠色の葉に映えて、山道にも嫋々あざやかです。



山の8月といえば蓮華升麻の花、
森や低山に咲く薄紫色は花の形状からどこか幽玄、群落を見つけると嬉しくなります。
都道府県レッドリストで絶滅危惧される種族なんですけど、蓮華と似ている花は儚げなカンジがします。



8月は暦で秋、まだ残暑は厳しくても山の植物は初秋に涼やかです。

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short scene talk ふたり暮しact.64―Aesculapius act.77

2014-08-19 20:50:11 | short scene talk
二人生活@帰省5
Aesculapius第5章act.5-6の幕間



short scene talk ふたり暮しact.64―Aesculapius act.77

「光一、門を開けてくるから待っててね(潜り戸の鍵まだ光一に渡してないんだよね合鍵つくらないと杢田さんに頼めるかな)」
「ん、車で待ってる方がイイかね?(雅樹さんにくっついていきたいけど)」
「うん、路駐だから誰かいるほうが良いんだ、(一分も掛からないけど駐在さんに迷惑かけたら悪いし)」
「ん、じゃあ待ってるね、いってらっしゃい(笑顔)(駐在さんに迷惑かけたらなとか思ってるんだろね雅樹さん真面目だもん)」
「はい、照萌(いってらっしゃいって可愛い速攻で戻って来るのに光一ちゃんと送りだしてくれて萌)」
「…あ、(鍵が通りやすくなってる杢田さんメンテナンスしてくれたんだお礼ちゃんと言わないと)」
「うん…(庭がすっきりしてるお祖母さん草取りしておいてくれたんだ電話しておこう今日は顔出す時間ちょっと無いし)」
「お待たせ光一、(笑顔)(光一には二度目の帰宅だな照幸でも僕も泊りで帰ってくるのは初めてなんだけど)」
「ん、雅樹さんホント素早かったねっ(可愛い笑顔)(雅樹さんってなんでも器用に速いよね性格はヤヤおっとりなとこ可愛いねっ)」
「そう?照(だって光一と早く家に入りたかったんだ休ませてあげたいしお風呂も早く見せてあげたいしきっと喜ぶし)」
「うんっ、ちっと楓を見てたらすぐだったよ?(良い枝ぶりに伸びてるね庭の手入れもしないとねっ)」
「そっか(笑顔)はい、光一、長旅おつかれさま、(光一にとったら里帰りも長旅なんだよね春まで登山以外で奥多摩から出てなかったし)」
「ん、おかえりなさい雅樹さんっ(御機嫌笑顔)(おかえりなさいも俺の役目だもんねっふふんっ嬉×ドヤ)」
「ただいま、萌照(ああ可愛いこんな笑顔でおかえりなさいって萌幸)光一も、おかえりなさい(僕たちの家におかえり照ってああ幸せすぎ)」
「うんっ、ただいま雅樹さん、俺たちの家に帰ってきたねっ(極上笑顔)(一緒にただいまとおかえりなさいって嬉しいね同じってイイねっ)」
「うん、僕たちの家だよ?照幸(こんなに綺麗な笑顔で喜んでくれる嬉しいな僕と一緒に住めるのこんなに喜んでくれるなんて萌)」
「だねっ、ね、荷物運びこんだら布団まず干して掃除するからね、雅樹さんちっとノンビリしてて?掃除済んでから荷物ほどいてしまってね(まず掃除だねっ)」
「僕も掃除とか手伝うよ、一緒にやって一緒にのんびりしたいな?(笑顔)(また気遣ってくれてる光一こそ学校と長旅で疲れてるのに萌幸ああほんと可愛い大好き一緒にって言えばきっと手伝わせてくれるよね)」
「ん、(一緒にって嬉しいねっ御機嫌)じゃあ雅樹さん、ハタキと箒お願いしてもイイかね?拭き掃除は俺がするから、(雑巾がけは疲れさせちゃうからね)」
「光一、そんなに本格的に掃除しなくても大丈夫そうだよ?(お祖母さん家も掃除しておいてくれたんだ嬉しいな電話しておかないと)」
「あ、ほんとだね?吉村の祖母サンしてくれたね、雅樹さんお礼の電話しよ?それとも土産持って行くかね?(ちっと歩けば着くしね)」
「夜に電話しよう?今日は照おばさんと一緒に出掛けてるって言ってたし、お祖父さんも塾の日だから(ふたりで買い物とか言ってたよね)」
「そういえばソンナこと言ってたっけね、祖父サンも猟の話合いとか言ってたしさ、みんな忙しいんだっけね(美代は妙恵と図書館とか言ってたね)」
「そうだね、日曜の夕飯は集まるからお土産はその時にしようか?(夏は意外と皆忙しいんだよね)」
「うんっ、じゃあ日曜は午後まで俺が雅樹さん独り占めできるねっ(御機嫌笑顔)(明日は雅樹さん仕事だからねっ俺も家事一日がんばるねっ)」
「うん、独り占めできるよ?照萌(ああ僕こそ光一を独り占めだよ明日は仕事だけど帰ってから二人きりだ仕事のおさらいしたら光一と幸せ時間だ嬉しい照萌×期待デレ)」


気分転換に会話短篇UPしました。雅樹と光一@御岳の本宅到着です、笑

第78話「冬暁7」読み直したら校了です、英二@あの公園のベンチにて悶々とその果て。
週間連載Savant「夏嶺の色8」校了しています、馨と紀之@槍ヶ岳山頂にて。
Aesculapius「Chiron 智者の杜8」校了です、雅樹@本家居室からスタート。

このあと短編連載+Aesculapiuか第78話の続きです。

取り急ぎ、



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雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚187

2014-08-19 00:45:01 | 雑談寓話
雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚187

1月最初の土日は雪山に花サンと行って帰ってきて、
風呂も済んで落着いたころ携帯が受信して開いたらメールが3通入ってた、
差出人は花サンと歯医者、で、開いた3通目は案の定だけど御曹司クンからだった、

From:御曹司クン
本文:昨夜は電話でてくれて嬉しかった、でも切った後が寂しかった。
   今ごろ何してるんだろとか考えすぎて寝不足、今もテンション低い。
   お仕置きするとか言ってたけどマジすでにヒドイお仕置きされてるカンジだから。

やっぱりそういうテンションなんだ?
なんて感想にちょっと笑って困って、返信なんか思いつかない。
かと言って放置するのもリスキーだな考えながら要点を返信した、

Re :花サンのこと追い詰めるんじゃないよ?

とりあえずソレだけは言っておきたかった、
とりあえず今回の雪山×温泉でいくらか元気になったろう、だけど安心も出来ない。
それくらい傷が抉られちゃったコトはあの手首で解かる、が、解かってるのか曖昧な御曹司クンでいる。

ホント野放しは危険だな?

なんて感想に反省せざるを得なかった、
御曹司クンが花サンにアレコレ接触したのは自分が異動後でいる、
それは距離をとり始めた時期に重なってしまう、ようするに自分が構わなくなった時期に花サンへ矛先は向いた、

なんかホントに人質とられた気分だな、笑

とか思いながら正直メンドクサクなりそうで全部から遠退きたい気分だった、
御曹司クンと花サンの間に起きることは二人の問題、ぶっちゃけ自分は第三者にすぎない。
それなのに御曹司クンは花サンを通して関わってくる、それを花サンは気づいたけれど、でも信じたいのが本音だろう?

御曹司クンが花サンに本気になって「一番」になる。

そういう未来を花サンは望んで信じようとするかもしれない、ソレがいちばん円満な結果にもなるだろうから。
だけど「円満」は上っ面だけで深層は一番に成り得ないかもしれない?そんな兆しは御曹司クンのメールにも見える。

それでも自分がこのまま消えれば御曹司クンは自動的に花サンへなだれこむんだろう?

なんて、
済し崩しな展開を想いながらパソコンに向かって、
調べモンやら書きモンやらして、ちょっと集中が途切れたらメールまた入っていた、

Re2:おまえだって俺のこと追い詰めてるじゃん(顔文字拗ね顔)
   って俺が勝手に一人相撲してるのは解ってる、でも期待してるのも本気。
   いつか俺に振り向いてくれるかもってホントは思ってる、今すぐ逢いたい、声だけでも聴きたい。

要するに、電話してくれってオネダリだ?

コレに応えなかったら御曹司クンはどうするんだろ?
やっぱり花サンに電話やメールしまくるんだろうか、
ソレに花サンは宣言通りの態度をとれるんだろうか?

なんて考えながら一行、返信した。

Re3:眠い、おまえも妄想耽ってないで早く寝な?

第38回 昔書いたブログも読んで欲しいブログトーナメント

Aesculapius「Chiron 智者の杜8」読み直したら校了です、雅樹と光一@本家で最初の夜。
第78話「冬暁6」も読み直しまたします、英二と父の対話@都内某所にて三十年前の真相。
不定期連載Savant「Vol.7 Precipice 夏嶺の色 act.8」草稿UPしました。

この雑談or小説ほか面白かったらバナーorコメントお願いします、続けるバロメーターにもしてるので。
楽しんでもらえてたら嬉しいんですけど、ってことで短いけど続きです、笑

取り急ぎ、



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