今期、初めてかもしれない。最接近での一枚だ。林道の上に止まったのを、にじり寄って両肘突いて撮影できたのだ。小生的には「激写!」に相当する代物だ。
撮影できたところで名前がわかるはずもなく、使う目的も無い、ただの時間つぶしなのだが、それはそれなりに集中した一時にはなるのだ。
いい歳のおっさんが、スローの抜き足差し足、四つ這いになって、はたまた五体投地モドキに道路に伏せてしまったら「何事か!」に見えるだろう。
まあ、人っ気の無い谷地だからおおっぴらにやっているけれど、客観的には「老体倒地」にしか見えないだろうねぇ。人目はともかく「挑戦」は大切である…なんちゃって。
立つばかり霜一面の原に立つ
立つばかり山芋の穴腹の立つ
立つばかりお偉き人は口で立つ
断つばかり願えど歳に起つは無し
一汗かいて給水していると身体にまとわり付いてきたチョウがいる。ツマグロヒョウモンだった。汗で濡れたズボンにとまっては管状口を伸ばしてくる。写真を撮ろうとゆっくりした動作でカメラを出す腕に移って、今度は皮膚を探り始める。初めての事ではないが、結構こそばゆいのである。
身体にまとわり付いて、直接汗を舐めようなんてチョウは、おおむねツマグロヒョウモンだけだ。腕では撮影できないから追い払ったら、今度は竹篭の縁を嘗め回している。なるほど、そこは手垢が付いている場所なのだ。貴女は「バッチイ」や「危険」より「ミネラル」を選んだのですね…。逞しい!。