畦の拡幅で土を運んで固めている脇にベニシジミがいた。見るともなく見ていたら葉の縁を移動したり止まったりしている。植物は水際に生えたギシギシである。それでいっぺんに了解した。産卵行動だったのだ。小生も息を整えながらしゃがんで、しばしの見物と相成った。ベニシジミの産卵行動は初めて見た。
出来上がったばかりの泥水地には、数種類のトンボが飛翔しているが、カップルで訪れる種類もいる。今の所はシオカラトンボ、ギンヤンマくらいだろうか。今日のシオカラトンボのカップルは、しばらく連なって休んでいたが、急にオスが舞い上がった。遠くに行くかと思ったら30cmほど離れた茎に止まる。
メスは近くに寄って接写しても微動だにしない。5分くらい経ってから産卵を始めたのだが、オスは近くを旋回しながら警戒している。いつも見られるパートナーシップだ。今日は芒種だから、あちこちで「種蒔き」しているのか…、そんなことはないなあ。
泥水地を造成・整備したのは良いけれど、意外と人の入りが多くて畦道の踏みつけ負荷も馬鹿にならなくなった。押し潰されて低くなった感じもするから、思い切って幅を倍に拡幅した。盛土の工面は、水泥地からも葦原を潰して掘り下げもしたくなかったので、浸食溝の肩の部分の傾斜を緩くするために削った土を運んだ。
それだけでは不足で、調達先を物色していたら葦原の中に既に不要になった水路の堤があるではないか。「これ幸い」と利用する。これで何とか畦道は60cm幅の仕様になった。高さは大幅に上げることは叶わなかったが、出水時の水位増加に際しても安心できる高さにそろえることが出来た。
多少、時間の余裕があったので、早苗を7枚の水泥地の水際に植え込んで終了。いわゆる「捨て作り」で、生物を呼び込む「仕掛け」の一部だ。農家出身の小生としては、早苗にいささかの後ろめたさもあるけれど、有効利用だから許してもらえるだろう。そうそう、今日は芒種だった。