二つ池の棚下、法面基部からの漏水は流入部が不明のまま長らく流れてきたのだが昨年末頃よりより多くの漏水が観られるようになった。それも周囲が水浸しにならない様にとパイプで誘導している脇からの出水なのだ。漏水していると言ってもオーバーフロー部から溢れている間は減水とは言えず、流入部が不明のまま「処置無し!」で来たけれどここ一週間の間に水位の低下が著しく水位で20cmの低下をみて既に一部は底が現われた。
ここまでに至ると放置は出来ず、かといって流入孔が不明のままでは対処も出来ずで考えあぐねつつ思案投げ首、場合によっては責任を取って思案吊り首も致し方なし、と妄想しつつ二つ池の前段、沈泥分水部も泥浚いに入った。泥を浚いば当然ゴタ濁りの水が流れていく。この泥水の先頭を追跡すれば流入部が判るやも知れんと泥水の遅い流れに合わせ度々作業を中断しつつ注視してみた。池の対辺に濁りが届く頃になって筋雲のような僅かな泥水の筋が護岸木の下に吸い込まれているのを発見して直ちに掘削する。漏水孔は親指程度だったがまずは一カ所を撲滅した。しかしその程度では下棚への漏水衰えておらず、他に主力部があるか小さな漏水孔がまとまって流れ出ているのかまでは判らないのだった。
とりあえず二番手の策として漏水部近くの葦を全て抜去した。葦は古来より漏水の発生源となる嫌われてきた水域植物でもあり、地下茎が枯れたりカニやイモリの侵食や棲息で漏水孔に拡大するのは至極あたり前田のクラッカーなのである。であるからこそクロコノマチョウの食草、トンボの羽化台として残して置いた一画の葦を全数抜去したのだ。これにより葦が生えていた範囲に漏水部があれば判明し易くもなる。ただ抜去当日では濁り水になっているので翌日以降の点検になってしまう。上の棚から流入する水量は毎分20ℓ程度は維持されているのにここにきて急遽減水理由が判らない。流出部の水量も増えているとも思えず何ともこの棚の漏水には泣かされ続けるのだった。