雨の日の午後、母娘3人そろってアトリエにこもりました。
ぶじこは作りかけていたひつじのにぎにぎを、妹の方はきれいに染めたひつじの毛で毛玉作りを、わたしは染めの続きを。
先日、細かい手仕事の苦手なぶじこが突然手芸をやると言い出したのです。 世の中手芸ブームだそうですが・・・・・ 若いうちに何か趣味を見つけておきたいんですと。 ぶじこの周辺は、また、ベビーブームでもあります。 スタイ(よだれかけ)なんぞを作ってプレゼントしたいと思ったけど、でもひつじがかわいかったので予定変更したというわけです。
どう、進んでる?
それがねえ、パイル地はハードルが高かったみたい。
ぶじこは左利き、でもはさみは右手で使うという複雑な頭脳の使い方をしているので、(なぜか左利き用はさみが使えません) きれいに布を裁つのがまず難しいらしいです。 でこぼこして伸び縮みするパイル地は、確かにハードル高そう。 だから全然できてないと思っていたのですが、持ってきたものを見ると、ほぼ形が縫えていました。 あちこちゆがんでますけどぶじこにしたら上出来です。
返し口はどうやって縫うん?
ちょっとかして
耳はどうやってつけるん?
ちょっとかして
ひつじは何度かぶじことわたしの手を行き来しました。
目の縫い方が分からん
おお、いきなりかい。 チャコで目を描いといて、その上を縫うんよ。 いくら何でも下書きなしに顔は作れないでしょう。
ああ、目が細なった。 あんまりかわいくない・・・
ひつじの目って横に長いんじゃない? と下の娘。彼女はウールを細かく切って毛玉作りをしています。 口は? バックS(ステッチだよ) ってどうするんじゃった?
どれどれ、ちょっとかして
ああっ
ぶじこの手を離すのと、わたしの受け取るのとにわずかのずれがありました。 ひつじはテーブルの上に落下。 そのテーブルには
紺色の染料がたっぷり入ったボールが。
ああ~、ひつじが牛になった! 下の娘が叫びました。
わたしは革を紺色で染めていたのです。 染料が散ったらいけないので離れて座らせたのにそれが仇になったようです。
パイル地に綿を入れて、染料をたっぷり吸ったひつじさん。 とにかく染料を吸い取らないと。 それから糸も染まったからとりあえず切って・・・・・ うう、染料が足りなくなりそうだ。
でも、顔が汚れてなくてよかった。
こんなひつじもいることだし、いいんじゃない?と言ったら
二人が声を揃えて
「どこに青いひつじがおるん!」
ちょっと声が怒ってた
はなひげがご愛敬で
細い目が優しい・・・・ 適当に顔をかいていたのになかなかかわいいです。 ぶじこはなんだか愛着が湧いてきたと言っていました。
染料を吸ったひつじは赤ちゃんにはよくないかもしれないのであげるわけにはいきませんが、記念としてとっておくといいですね。 初めての作品ですから。
妹のほうも、ウールの毛玉は簡単そうでなかなかきれいにできないと苦心していました。
これは、毛玉作り専用の小さなまん丸のざるに細かくほぐしたウールを入れ、お湯と洗剤を入れたボールの中で回転させると縮んで丸い玉になるしかけです。
染料が乾くまですることのなくなったぶじこは、それからは妹と毛玉作りに熱中しておりました。
これでアクセサリーか何かを作るみたいです。 どんな物ができるか楽しみですね。