先週金曜日の話題になります。袋田の滝から勝田へ戻る途中に那珂市の一乗院に立ち寄りました。以前、水戸市の「はに丸タワー」を訪れたときの記事の最後に紹介したとおり、茨城県には日本一を名乗る建造物が多く、一乗院の毘沙門天像もその一つ。今回はその毘沙門天像を見ることが目的です。
那珂市の一乗院は、至徳3年(1386年)に快範上人が開いたお寺で真言宗智山派の寺院。法満山一乗院千手寺といいます。北関東三十六不動尊霊場の25番の札所でもあります。本尊の不動明王は佐竹氏54万石の本尊だった仏像で、水戸光圀から賜ったという室町時代作の薬師如来坐像や聖徳太子立像、毘沙門天像なども安置されています。毘沙門堂はもっと歴史が古く、延暦年間(782~806年)に桓武天皇の祈願所として現在一乗院のある場所に建立されました。水戸城の鬼門にあたるため北方の守護神として水戸城を守るために建てられ。佐竹氏、水戸徳川家から崇拝されていました。そこに祀られる毘沙門天は七福神の一人。800年以上の歴史がある木像は大仏師運慶の作と伝えられ、県指定文化財にもなっています。
前置きが長くなりましたが、駐車場正面にそびえる青銅製の毘沙門天像は遠くから目立ちます。背の高さ13m、全高16m。2007年11月5日に完成し、徳島県三好市にある10mメートルの像を抜いて日本一の大きさとなりました。日本一どころか宇宙最強の神とも呼ばれているみたいです。

一乗院では菊まつり開催中です

菊まつりは後ほどにして、まずは毘沙門天像を見学します。参拝の鐘です。

日本一の毘沙門天の案内です。

毘沙門天像の手前の手水舎

鉢の中に毘沙門天の「毘」の文字が書かれていました。

これはタヌキの像?

毘沙門天像を下から見上げます。この青銅像は毘沙門堂に安置された木造毘沙門天像をモデルに中国福建省で作られました。かかとからつま先までで1メートルほどあって、全身を六つに分けて船で輸送されたそうです。毘沙門天像は高さ3メートルの台座の上に設置されています。右足で邪鬼を踏みつけて勇ましい形相で見下ろしています。右側には優しい顔の吉祥天。毘沙門天の妻です。左には善膩師童子。毘沙門天と吉祥天の5人の息子(5童子)の一人で末っ子です。そして台座の内部には石壁に彫り込んだ千体仏と宝塔がお祀りされています。

台座の中を巡ることが出来るので100円払って一回りしてきました。壁に手を触れてから薄暗い胎内をめぐります。宇宙と一体となれる曼荼羅の世界を体験できるそうです。
日本一の毘沙門天像を拝めたので目的達成。残り時間10分弱とほとんど余裕がありません。せっかく訪れた一乗院の境内を散策して雰囲気だけでも把握しておくことにしました。しかも胎内巡りで100円払って小銭が無くなってしまいました(汗)。ちょうど開催中の菊祭りを中心に見学することにして参拝は無しとして、別な機会にとっておきましょう。

まずは招福亭の丸窓から見る庭園。趣があります(覗くだけです)。

カラフルな鳥居をくぐり奥へ向かいます。手元に案内図が無いのですが、山門、本堂、毘沙門堂と様子を見て回ることにします。

境内には菊の花が展示されています

右手へ進むと山門が現れました。大きく書かれた「開運」の文字。

山門脇には令和4年の干支である虎の像。今年も残すところ2か月を切りました。

さらに進むと鬼瓦が飾られている鐘楼が左手にあります。

昭和の鬼瓦と説明にありました。近くで見ると結構迫力あります。令和の大改修で今の鬼瓦と取り換えられたのですね。

正面に本堂が見えてきました。冒頭紹介のようにご本尊は不動明王。佐竹氏のご本尊で、身代り不動尊として信仰されています。

本堂前には扇の紋の菊飾り。立派です。

本堂の右手前には干支の守り本尊が並んでいます。

本堂の右手にある毘沙門堂。1000年を超える歴史あるお堂です。こちらのお堂にいらっしゃる毘沙門天さまは運慶作の像で、開運厄除けや商売繫盛等に御利益があります。内部を自由に見学できるようなのですが、時間とお賽銭が無いため(笑)、参拝せずに遠くから眺めるだけとします。本堂に安置されている運慶作の毘沙門天は次回訪れた時に、間近で見学することにします。毘沙門堂の手前には廻り七福神。七福神像は境内各所に祀られています。次回、じっくりと七福神を巡ってみましょう。

一つだけ、毘沙門堂裏手の寿老人を紹介しておきます。

毘沙門堂にはたくさんのだるまさんが奉納されていました。

社務所前の参道にも立派な菊が展示されています

どれも見事な力作でした
駆け足で境内を巡ってきました。当日は日本一の毘沙門天像を拝むことが目的だったので、次回は歴史ある本堂、毘沙門堂などをじっくり見学したいですね。最低1時間は時間が欲しいところです。
一乗院がある那珂市から勝田駅まで幸い道路渋滞はありませんでした。しかし予想外に距離があって20分以上要しました。車を一日220円のコインパーキングに停めてからにお昼のお弁当を途中で購入し、事務所に駆け込みました。午後からの業務に滑り込みセーフでした。大洗海岸のダルマ朝日に始まり、奥久慈の紅葉めぐり、そして那珂市の一乗院と、とても充実した半日休暇でした。
午後は18時過ぎまで仕事があり、帰りはアパートに寄らず勝田から高尾の自宅まで直行。ところが、圏央道で昼に発生した事故の復旧に伴う緊急工事が続いていたため、入間から八王子まで30kmを超える大渋滞。所要時間が読めず時間表示すらされていません。そこで急遽鶴ヶ島JCTから関越道を川越まで南下して国道16号を迂回したのですが、横田基地付近から八王子までこちらも大渋滞の様子。各ICで圏央道から降りる車が集中した影響のようです。そこで福生から多摩橋、東秋川橋を経由して高月から丹下町、創価大、工学院前を抜け、市役所から西八王子を経由して帰宅。それでも3時間以上を要してしまいました。