昨日は久しぶりに茨城県のアパートで在宅勤務。10時以降、しばらく打ち合わせが入っていないため、長めの昼食休憩を利用して、ひたち海浜公園へ向かいました。多少長引くことを想定してパソコン持参です(笑)。友部のアパートから車で40分足らずでひたち海浜公園の中央口に到着。
ひたちなか自然の森へ向かう途中、ハマナスの花を見学。ほとんど終盤でした。
ひたち自然の森の入口近くに咲くイチヤクソウ
今年は開花が早く、満開から終盤にさしかかっていました。一方、いつも大群落が見られるウメガサソウはほとんど花を落としていました。
ちょうど、あずまやでオオウメガサソウガイドツアーを開催中だったので初めて参加してみました。里山パートナーの方々の親切で熱意溢れる説明に感激です。この時期に見られるイチヤクソウ、ウメガサソウ、オオウメガサソウの説明も行ってくれました。
オオウメガサソウは北半球の寒い地帯に分布し、日本では4か所で自生が確認されています。ひたちなか海浜公園はその中で最も南に位置します。里山パートナーの皆さんが保護区域で保護・保全に取り組んでいます。適度に人の手が介入したマツ林の里山環境でオオウメガサソウの生育が進むこと、冬と夏の日照条件をなるべくそろえること、つまり草木が茂る夏場は適度に日が当たるような手入れが必要のようです。しかし、夏場の地温が高すぎると翌年の開花率が激減するそうで、オオウメガサソウの開花率は昨年の4.1%に比べて今年は1.3%と激減したそうです。手を加えずに広葉樹が茂ったエリアでの開花率は1%を切ってしまいました。オオウメガサソウの葉は冬場も枯れずに残るため、生息調査は冬場に実施することが多いと説明されていました。360度モニターできるセンサを使って日照量を調査し、開花率との相関を調査したりして、保全のためにさまざまな取り組みや実験を行っているそうです。
遺伝子の分析も実施されていて、ひたちなか海浜公園で見られる全てのオオウメガサソウは同一の遺伝子であることが確認されているそうです。つまりこの一帯に広く分布するすべての花は種で繁殖したのではなく、同じ地下茎から広がったもののようです。
あずまやでの概要説明の後、別な担当者から自然の森で見られる草花の説明がありました。すべては記憶できていませんが、復習を兼ねてガイドツアー終了後に写真撮影をしてきました。こちらはシロバナノアザミ。大変珍しいそうです。遠くに咲いているのでズーム撮影です。
オオウメガサソウです。昨年もこの場所で咲いていました。
上から見ると梅の花の形
こちらは、わずかに咲き残っていたウメガサソウ。オオウメガサソウに比べて花の大きさが一回り以上小さいです
ナツハゼの花。初めて見ました。黒い実がなり、ジャムにして食べると非常においしいそうです。
野生の栗。右側が雌花、左が雄花です。
ヤマウルシの花。こちらも初めて見ました。
黒いシートで保護されたエリアにやってきました。地下茎でつながっている一株からたくさんのシュートが成長し、その数%に花が咲きます。このエリアの今年の開花率は昨年より大幅に低下して1%を切ってしまったとか。昨年の猛暑の影響が大きいようです。
花が咲いているシュートは10本にも満たず、確かに昨年に比べて寂しい印象。地下茎からシュートが成長して3年目から花が咲き始め、5年後に枯れる傾向にあると説明がありました。
遠くに咲いている花をズーム。現在使っているキャノンのデジカメは望遠で焦点が合いにくく、花の撮影に苦労します。
一般には入れないエリアにも多くの株が見られます。茎の数は多いものの、花は全く見られません。
花の付きが良いエリア
少し小ぶりのオオウメガサソウ。花数が多いので接写すると綺麗です。
40分近くのガイドツアーはとても充実していました。無料で参加できるのでとてもオススメです。今年は明日(6月9日)まで開催中です。
帰りに、薄ピンク色のイチヤクソウを発見
上から見るとこんな感じです
久しぶりに訪れたひたち海浜公園。せっかくなので、大急ぎで砂丘エリアへ向かいます。お目当ては昨年数多くの花を見ることができたハナハタザオです。ところが、今年は昨年多くの花が見られたエリアは全滅です。保護区域でも、わずかな数の花しか確認できませんでした。
こちらはハマボウフウ
種を蒔いてハナハタザオの繁殖を試みているようです。
昨年とは別な場所です。昨年たくさん花をつけたエリアには1輪も花の姿がありませんでした。繁殖させるのが非常に難しい花のようです。
昨年は砂丘エリアを歩くとポツポツと自生のハナハタザオを見かけました。しかし今年は全く姿を見かけません。天候の影響なのでしょうか。
帰りに、道路脇で咲くハナハタザオを見つけました
大草原フラワーガーデンのリナリアを見ながら駐車場へ戻りました
(参考)昨年6月のひたち海浜公園