おかんのネタ帳

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梅田ヴェローナ

2019-04-15 22:08:26 | 演劇・舞台
この週末は、私にとっては春の一大イベント?やったんです・・・
場所は、梅田ヴェローナ、もとい、梅田芸術劇場、です~



そうです。舞台です。
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」。

先月、刈谷ヴェローナへ行きましたが、その大阪公演。
実は、大阪の初日(3月30日)にも行ったのですが、
13日の前楽、14日の千穐楽と、ヴェローナ通い(苦笑)
・・・散財ですが・・このためにせっせと働いてるので~

刈谷公演を観た時にも書きましたが、
とにかく楽曲が素晴らしくて、若い俳優さんたちの力いっぱいの演技、
エネルギッシュなダンスと、ベテラン大人組の皆さんの、
安定した歌声、いぶし銀の演技に、本当に感動しました。

ミュージカルになったことで、はしょられた部分もあるし、
「近未来」設定なので、スマホやパソコンが出てきたり、
そのための、つじつま合わせが無理くりやったり、
そもそも、キャピュレット夫妻は不仲で、ジュリエットが、
母であるキャピュレット夫人の不倫の子やったとか、
それを、母がジュリエットに言ってしまうとか、
甥のティボルトも、従妹のジュリエットを愛してる、とか、
なんか、すごい設定になっているんです~

でも、バルコニーのシーンとか、
初夜を共にした朝のベッドシーンとか、
ラストの二人の死や、それを受け入れて、
キャピュレット家とモンタギュー家が
和解するというエンディングは物語り通りです。

原作にはない役が、「死」。
黒いコート、黒いハットをかぶった「死」のダンスで始まるのも象徴的で、
この物語に「死」が重要なことを暗示しています。

「死」は、それとなく、いろいろなシーンで登場します。
若者たちの攻防の後ろに、そっとたたずんでいたり、
ロミオの「影」であったり、毒薬を渡す存在であったり、

初夜のベッドでは二人をベッドのヘッド部分で見下ろしていたり、
二人が死ぬ霊廟では、中央にある傾いた大きな十字架に上り、
若い二人を死に向かい入れようとしているのです。

でも、最後は、キャピュレット卿とモンタギュー卿が、
和解の握手をしたことで、「死」は死んでしまう・・・
そういう終演が用意されてました。

楽しくて、せつなくて、悲しい物語。
だれもが知ってるシェークスピアの、若い恋人たちの悲劇ですが、
それを、ミュージカル化したのはフランスの、
ジュラール・プレスギュルビックという人。

それを日本版に潤色、演出したのが小池修一郎さんです。
2010年に宝塚で、2011年から男女の俳優さんによって演じられ、
今回はロミオWキャスト、ジュリエットトリプルキャストで、
4度目の再演でした。

パンフレットにある、Wロミオとトリプルジュリエットの対談を読んでいると、
前回の公演とは違った演出があるようです。

確かに、私の応援する俳優さんが演じるパリス伯爵は、
前回は、コミカルであほな?金持ち、という軽めのキャラ設定やったそうですが、
今回は、ロミオが言う「家柄自慢のキザ野郎」、まさしくその通りでした。
ちょっと上から目線で、キャピュレット卿にいうんですね。

 あなたの娘を、私の嫁に~
 聞いたところによれば、あなたの家には借金があると
 私が、それを肩代わりしてもいい・・・

爪を磨きながら、爪を立てて息を吹きかけ、
爪磨きをさりげなく、キャピュレット卿の服で拭く、など
偉そうなんですよね~

・・・キャピュレット家って、借金あるような家でしたっけ?

大きなハート型の箱にギュッと詰め込んだ赤い花、
それをめくると、キラキラのネックレスが~
ほんとに、イヤミな伯爵にできあがってました~

刈谷のパリス様と異なるのは、演技のメリハリでしょうか。
会場も大きく広いところやし、わかりやすくデフォルメしてるのかな。
大千穐楽の、仮面舞踏会のシーンで、ジュリエットに逃げられまくり、
追いかけるところとかも、ちょっと大げさやったし、
キャピュレット卿に文句を言うところでは、
2回も、地団駄踏んでましたからね~

プロダクションマッピングで映像も取り入れてます。
最初の、ヴェローナの広場で両家の若者が戦うシーンは、
バックに戦争で倒れていく街並みを映し出していて、
この物語が、単なる恋愛ものではなく、
戦いの物語なんだと気付かされるんですよね。

感想を書きかけたら長くなるな~(苦笑)



前楽終演後の、夜の梅田界隈。



夜の梅田芸術劇場。

千穐楽のカーテンコールでは、最後ということで、
キャストから挨拶があったのですが、
主演のロミオを演じた古川雄大くんが、
主要キャスト、アンサンブル、スタッフ、観客・・・
みんなへの感謝を述べつつ、ベテランの大人組の人と、
誰一人音大出の人がいない若手俳優がタッグを組み、
一緒に作品を作り上げることができたことが良かったし、
うれしかった、というようなことを言うてました。

そうなんやね。

「最後に、Wキャストの相手が、(大野)拓郎で良かった!
 ありがとう!」 

そういうてましたね。

ちなみに、ロミオの大野くん、ジュリエットの木下春香さんらは、
前楽が千穐楽やったわけで、前日のソワレで挨拶されてました。

キャストの皆さんは、それぞれ、次のお仕事があるようです。

梅田ヴェローナにもう聞けないのは寂しい~

それくらい、素敵な作品でした。