おかんのネタ帳

日々の雑感や興味のあることを書いています

ら・ら・ら

2019-04-17 23:44:30 | 演劇・舞台
昨日は、ひこね演劇鑑賞会の例会で、
今回は、劇団朋友「ら・ら・ら」。



会場は、ひこね市文化プラザ。

「とっても良かった、最後は泣けてくるよ」

京都の例会で観てたき人がそういうんですね。
・・確かに、ラストはちょっと涙がこぼれたけど・・・



「定年後、毎日ダンナが家にいる。どうすりゃいいの、セカンドライフ」

というサブタイトルがついてる物語で、主演は原日出子さん。
主婦を中心に8人ほどでコーラスグループを作っていて、
原さん演じる響子さんの家のリビングが練習場所。

メンバーのそれぞれが、微妙な問題を抱えていて、
身近にありそうなエピソードがいろいろちりばめられています。

原さん演じる響子さんも、ご主人が定年退職して、
ちょっと、家の中の雰囲気が変わってきた様子。
メンバーも気を遣い始めます。

ご主人を、牛山茂さんがなんともリアルに、
小憎たらしく?演じはるんですよね~

奥さんが、好きで楽しくやってるコーラスを、

「お前は人が良いから利用されてるだけなんだから、
 ちゃんと、言ったほうがいいんだよ。
 もう、これから生活が変わるんだから」

なんて、ちょっとピントが外れたことを言うんですよ。

「お前のことを思って言ってるんだよ。
 お前のことはよーくわかってるんだから」

「これからは、10時に寝るとして、メシは6時にしよう。
 その前に、風呂に入っておきたいから、風呂を入れてくれ」

いやいやいや・・・風呂、メシ、って、定年前と一緒ちゃいますのん?

「これからは、静かに暮らしたいんだから、
 あの人たちには、来ないように言いなさい」

舞台の始まる前に、響子さんの友人で、
コーラスのリーダーを演じる西海真理さんと、
ご主人役の、牛山茂さんをインタビューしたんですけど、
(鑑賞会の会報誌に掲載するので~)
牛山さんがおっしゃってましたね。

「憎たらしいダンナを演じてるんですが、
 彼も、けして意地悪をしてるんではなくて、
 良かれと思って、奥さんに言ってるんですよ~」

そうなんですよね~
男女の価値観は、ほんとに違うし、違ってて当たり前で、
それを、お互いに思いやることで許容するんですよね。

テーマとして出てくるのは「ありがとう」。
いきものがかりの「ありがとう」をコーラスで歌うのですが、
分かり合ってるつもりでも、お互いに「ありがとう」を
忘れてはいけないなと思いますね。

最終的には、響子さんの体が異変を起こし、
ご主人は、奥さんのことを少しもわかってなかったことに気づく。
ラストは、入院した奥さんに電話越しに、謝りながら泣く・・・

西海さんは劇団朋友の女優さんですが、
この舞台を企画した人でもあって、インタビューでは、
コーラスメンバーの人たちのそれぞれのエピソードが、
実際にあったことを盛り込んでるとおっしゃってました。

西海さんは、演劇的教育にも力を入れてるそうで、
演劇のワークショップで、子どもたちや高齢者を指導してるって。

「演劇をしてよかったと思うのは、いろんな役をやれて、
 いろんな人生を演じられることで、人の気持ちがわかるようになるんです」

すごくいいお話やなと、思いましたね。
いろんな人の人生を演じることで、相手の気持ちがわかる、

・・・夫婦も、演劇的ワークショップに行くといいのかもね!

お二人の、俳優を目指したきっかけも、楽しいお話でした。
牛山さんは、小4の時に、授業で戯曲を習い、
実際に、役を与えられて演じたら、授業が延びて休み時間にまで延び
他のクラスの生徒たちに「笑ってもらえた」ことが快感やったとか。

西海さんは、理系の大学で男子が多く、演劇部から、
女優がいないから来て~と誘われて、一度やったらハマったとか。

俳優を続けてきた原動力は、なかなか目が出なかった時の悔しさと、牛山さん。
西海さんは、人の気持ちがわかるようになるからということですが、
何より、続けることも才能だと思っているんだとか。

なるほど、ベテラン俳優の言葉は深いですね~
・・・・大好きな、あの俳優さんにも言ってあげよう~(笑)

「ら・ら・ら」
会場からは笑いもあり、休憩の時は、
夫婦についてのあれこれを語り合う人もいましたね。

高齢化社会を迎える現代にエールを送る作品、
牛山さんがおっしゃってましたが、演劇を観ることで、
何かを感じて欲しい、感じることで、心が豊かになるんですね。

わが家もダンナが今、家にいるけど・・・
思いやりを忘れないようにしないとね~

あ、「ありがとう」の言葉も。