おかんのネタ帳

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2023年 観劇忘備録 その4

2024-11-26 14:33:28 | 演劇・舞台
年末に近づいてるので、今年一年の、観劇記録をと思ったら、去年の忘備録が最後までかけてないですや~ん(汗)
すっかり忘れてしまってます。
失礼しました~~ (誰に向かって??)

なので、さくっと、書いておきます。
メモってないものや、詳細な記憶がない作品もあるので(汗)、ほんとの忘備録ですね(そのわりに長い??)

10月27日、ひこね演劇鑑賞会の例会。
ひこね市文化プラザ
劇団文化座『炎の人』
演出:鵜山仁



観劇の前に、会報係として、主演の藤原寛章さん(文化座)をインタビューしました。



37歳。(洸平くんと同じ年なんですよね~!)
ゴッホについて、この舞台について熱く語ってくださいました。
このあと、この作品と、その前に出演された「旅立つ家族」の演技と合わせて「紀伊国屋演劇賞」を受賞されるんですけど、ほんとに熱演でした~。

ゴッホが絵を描き始めるころからの10年余りを描いた作品。
脚本は多くの名戯曲を生みだした三好十郎。
生前はまったく無名だった若き芸術家の無垢な魂と、彼を支え続けた弟はじめ人生の伴奏者となった人々を丁寧に描いています。

名優の滝沢修さんや仲代達也さんらが演じてきたゴッホを、30代の俳優、藤原章寛さんが演じます。
実際のゴッホも30代で亡くなっているので、まさしく等身大。
そこが文化座の狙いでもあるようです。
名優たちはシニアですもんね~~

泣いたり怒ったり、甘えたり喜んだり、とにかく不安定で感情の振幅が大きいゴッホを、丁寧に、緻密に演じていました。
「偉大な画家」であり、「死後に評価をされた不遇な画家」というイメージのゴッホが、こんなにも、自分自身だけでなく周囲の人をも傷つけ、振り回しながら苦しみもがいていたなんて。
亡くなってから売れるとはいえ、ゴッホは、勝手に悩んで勝手に落ち込んでいくですよ。

重苦しい中で、観ている私たちを救ってくれるのがこの作品のために模写されたという多くの絵画です。
さながら美術館のように並ぶ絵画が物語に彩りを添えていますが、コピーではなく本当に描かれた絵なんですね。
ゴッホ愛好家の画家さんたちが描いたんですって。

10月29日
兵庫芸術文化センター
ケムリ研究室『眠くなっちゃった』 → こちら



おなじみ、ケラリーノ・サンドロビッチさんの作演
主演は、緒川たまきさん。
ケムリ研究室は2020年に旗揚げして、第一弾として2020年に『ベイジルタウンの女神』、2021年には第二弾として安部公房原作の『砂の女』を上演。
どちらも拝見していますが、第三弾のこのお話は、もうひとつ、よくわからんかったですね(苦笑)
ケラさん作品ではありがちな?白塗りの人たちが出てきて、近未来のどこかの国のお話という、SF的な設定の中に、今の世の中を揶揄したようなところがある物語で、コワいんですよね。
そして、いつもながら、プロジェクションマッピングがとても美しくて、その映像やダンスパフォーマンスを用いた舞台転換も見応えがありました。

11月23日
ABCホール
劇団五期会『ザ・スコティッシュプレイ―レイディマクベスの悲劇、または玉座あり―』
翻案・脚色:イシワキキヨシ
翻訳・ドラマトゥルク:神澤和明
演出:井之上淳



大阪放送劇団を母体とする劇団五期会は、今年50周年を迎える劇団です。→ こちら
ウィリアム・シェイクスピアの「マクベス」の登場人物で“稀代の悪女”とされるマクベス夫人に焦点を当てた物語を上演。
「マクベス」でメインの登場人物として描かれながらも名前のないマクベス夫人、彼女がマクベス夫人となるまでを描いています。

ちなみに、西洋では、「マクベス」を上演しようとすると、様々な事件や事故が起きる!という言い伝えがあるらしく、
実際に、マクベス夫人を演じるはずであった若い俳優が急死し、脚本家自身が演じる事になったことがあるとか。
その呪いや事故を避けるために「マクベス」と呼ばず「スコティッシュプレイ(スコットランドの芝居)」と呼ぶようになったとか。
なので、このタイトルにしたそうです。

シンプルなセットの中に、玉座が中央に置かれてるところから始まりましたね。
・・・この作品の感想メモがみつからない・・・書いてないみたい(汗)

12月10日
ABCホール
iaku『モモンバのくくり罠』 → こちら
脚本・演出:横山拓也



iakuの舞台が面白いよ、横山さんの作演はいいよ~という声があったのと、
地元出身の女優・枝元萌さんがご出演というので、観に行ってきました。
枝元さんは、こまつ座『闇に咲く花』にも出てはりましたしね。

iakuは、劇作家・横山拓也さんによる演劇ユニット。→ こちら
横山さんは、劇団俳優座『雉はじめて鳴く』や『獅子、猫になる』、文学座『ジャンガリアン』などの作品も手掛けてます。

『モモンガのくくり罠』は、テンポの良いオール関西弁の会話劇。
思わず声出して笑いましたね。関西出身の人ばかりではないと思うけど、関西風味たっぷりの舞台でした。
そんな笑いの中に、思わず涙するところがあって。

あらすじは・・・
山中に住居を構えたある夫婦は、くくり罠で鹿や猪を捕獲したり、小さな畑で野菜を作ったりと、できる限りの自給自足生活を目指した。
彼らの娘は、幼い頃から当然のように山で暮らしてきたが、徐々にこの生活に違和感を持つ。
また、周囲から“モモンバ”と呼ばれる母のことが嫌で、ついには山を降りて1人で生きていくことを選ぶ・・・

親は自分の価値観を子どもに押し付けてるつもりはないけど、子どもは親の影響を受ける。
形は違えどこういう生き辛さを感じてる若者はいるやろうなと思いました。
萌さんは、「モモンガ」と言われる母を演じますが、山で狩猟をして自給自足の生活をする母が娘に語るシーンは、ちょっと泣けましたね。
表現の下手な父、生き辛い娘、ラストに希望が見えて良かったです~

この作品は、今年、第27回鶴屋南北戯曲賞を受賞しました!

12月19日 ひこね演劇鑑賞会の例会。
ひこね市文化プラザ
青年劇場『星をかすめる風』



この作品は、運営担当にもなったこともあって、事前学習を積みましたよ。
主人公でもある、韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の足跡が京都にあるというので、詩碑をめぐりました。



同志社大学の校内にある詩碑。
ここに留学して、治安維持法によって捕らえられ、福岡で獄死するんですけども・・・



京都芸術大学のそばにある詩碑。
この辺りに下宿していたそうです。



宇治にある詩碑。
帰国する前に、学友と宇治川沿をピクニック。
その写真が残っていたこともあって、ここに詩碑が作られたんですね。
このあとに、彼は逮捕されてしまうんです。

この若き詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の獄中での最後の日々を描く壮大な物語です。
原作はミステリー仕立てで壮大に描かれたイ・ジョンミン著の長編小説。
これを、各劇団からひっぱりだこの人気劇作家・演出家のシライケイタさんが素晴らしい演劇作品にしました
戦時下の話というだけで暗いイメージを抱きますが、そんな先入観は覆されます。
韓国の国民的詩人として知られる尹東柱(ユン・ドンジュ)は、留学先の京都で治安維持法違反として収監され、2年後、福岡刑務所で27歳の生涯を閉じます。
刑務所での記録は一切なく死因は不明。この史実をもとに描かれた物語です。
終盤の「星を数える夜」の詩の朗読シーン(ハングルで読む)が感動的なんですよ。

あらすじは・・・
終戦間際の福岡刑務所。
看守の杉山が何者かに殺され、若い看守、渡辺は杉山を殺した犯人捜しを命じられる。
聴取を進めていた渡辺は、日本名「平沼東柱」こと「尹東柱(ユン・ドンジュ)」という若い詩人が関係していると確信する。
はたして、この人物は何者なのか? 杉山を殺したのは一体誰なのか?
事実を明らかにした渡辺の前に、意外な真実が待っていた…。

社会派の骨太な作品を多く手掛ける青年劇場ですが、今回は音楽もあり、詩を通じて囚人と看守の間に友情が芽生えるなど、ミステリーながらもどこかファンタジー。
人の優しさや温かさが描かれ、何より、言葉や文字が立場や国籍を越えて人と人をつなぐものだと思わせてくれます。
とはいえ戦争という狂気の中で、あんなことやそんなことが本当にあったかもしれないと思わされて・・・だからこそ今、観るべき作品だと思いますね。

観劇の前に事前学習会があって、ユンを演じる矢野貴大さん(こちら)が彦根に来てくださいました。



矢野さんは、以前に『きみはいくさに征ったけれど』で拝見してて、芝居もやけど、関西弁が上手いなぁって思ってたんですね。
学習会の日、数名の仲間とランチをご一緒して、そんな話とかをしてたら、大阪出身で吉本のNSC出身と聞いてびっくり。
お笑い芸人になろうとしてはったんですね!
例会当日の、あのハングルの詩の朗読は素敵でしたよ!



当日のインタビューは、青年劇場の代表となった北直樹さん。
今回の舞台では、最初に殺される杉山役。
もろもろ、饒舌に語ってくださいました~~

12月27日
新歌舞伎座
ミュージカル 『ジョン&ジェン』



友だちが行けなくなったからと、代打で行った舞台です。
年末まで、遊んでましたね~~~ 

PARCOプロデュース、森崎ウィン 田代万里生(ジョン役Wキャスト) 新妻聖子 濱田めぐみ(ジェン役Wキャスト)の二人芝居。→ こちら

ミュージカルとはいえ、舞台に登場するのは、ジョンとジェンの2人のみ。
姉弟が成長していく過程を描いた1幕と、成長したジェンとその息子のジョンの母子関係を描いた2幕。
この重ね合わせがとても面白い作品でした。

濱田めぐみ&森崎ウィンのバージョンを見せてもらいました。
1時間ずつ、2時間の舞台とはいえ、出ずっぱりの二人芝居、しかも歌うんやし。
役者さんにとっては大変な舞台ですよね。

セットを含め、古き良きアメリカの風味が詰まっていて、母子関係を描く2幕はうるっとしてしまいました。
終演後に、めぐさんとウィンくんのトークがあって、楽しかったですね。

「(新妻)聖子ちゃんなら話し上手なんですけど~」と言いながらも、めぐさんも話上手でしたよ。
ウィンくんは30代。いろんなことにチャレンジしてて、演出もしてるらしい。
・・・・今時の俳優さんは、演じるだけではないんやね。

もう少し感想があったかと思うんやけど、記録してないようで・・・汗
X(旧Twitter)でもつぶやいてなかったのかな私・・年末やしねぇ。



年末の新歌舞伎座、電飾がキレイ。


忘備録のわりに長いよ!
相変わらず~

とはいえ、鑑賞会の例会作品は作品紹介をしてるので記録があるのですが、ほかで観ている作品は、自分のX(旧Twitter)やメモが頼り。
とりあえず、昨年の観劇はこれが最後やったようです。
おそまつ!

ラストは、ミュージカルで終わりましたが、今年最初の観劇も、実はミュージカルでしたよ~~~

今年の忘備録も書いておかねば!

2023年、観劇忘備録 その1 → こちら
2023年、観劇忘備録 その2 → こちら
2023年、観劇忘備録 その3 → こちら