この日曜日から大阪公演が始まります。
記憶の上書きをしてしまう前に、2度目の観劇の感想を記しておかねば・・・
前回書きそびれたことも含め、やっぱり長い・・・汗
そして、ケイン目線・・・アベル、ごめんよ~~
(初日の感想は → こちら )
これから観るという方、ネタバレいらないという方、興味がない方はスルーを。
記憶違いもあるやろうし、文中の台詞も正確ではないです。そんな感じの台詞やったということで。
何度も観劇してる方は細かな所作や台詞、楽曲の歌詞まで覚えておられるようですが、観劇中はケインを追うのに精いっぱいで(笑)そんな余裕もなく~
とにかく、忘れないうちに、書きかけの記録をアップしておきます~
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プログラムと、グッズの銀行券風メモ用紙。そしてプリンシパルキャストが入ったチラシ(こちらにはなかった~)
シニアチケットで用意されたのは、2階席のセンター3列目。
ほんとに舞台が良く見えました。セットの転換、照明、プロジェクションマッピングの映像、何より、アンサンブルの方々含め、キャストの皆さんの動きもよくわかりました。
初日はちょっと傾斜がある14列目の上手なので、オペラグラスで洸平くんをガン見してたから、つくづく、下手のお芝居をふくめ全体をちゃんと観れてなかったですね。
2階からだと全体がよく見えるので、見開きで左右で描かれるシーンや、セットの後ろに映し出される景色もよく見えます。床に当たる照明の絵柄も!ほんとに、各所で、プロフェッショナルな方々がお仕事をされてるんやなぁと。
オープニングで、フロレンティナがアルバムらしきものを持って中央奥から出てくるんですが、キューブの割れ目、センターに光の道が現れてました。そうなのね~~
そして、この演出はラストの、ケインが登場するところも同じでした。キューブが左右に引かれて、光の道ができるんです。なるほど~
そして、何気にセットを動かす人は黒子やと思ってたんですけど、白いシャツを着た半分白子(苦笑)でした。舞台スタッフは黒のイメージやったから、意外ですね。アメリカンスタイルなんでしょうかね~
移民船シーンも、「♪アメリカンドリーム」を歌いながら、アベル、ジョージ、ザフィア、そしてアンサンブルさんも、こんなふうに動いてたんやと。
オーケストラが見えるハーバードクラブ「♪最高の時代」のシーン、洸平くんが登場するのを見逃したらあかんて思ってオペラを構えてたけど、やはり、出てくるタイミングを見逃して・・汗 気づいたら中央にいはりました~(苦笑)
タキシード姿がほんとに品がよくてカッコ良い~
歌声は・・・初日、音程を確かめるように丁寧に歌っていた「♪父の名に恥じぬよう」
この日も同じように丁寧やったけど、ラストの、「はじぬよおぅ~~~~」のロングトーンの前、ブレスするところ、息を吸い込む音が聞こえるくらい深く吸ってましたね。もう、しっかり、自分の歌にしてる~~
プラザホテルのケイン、アランとマシューの3人でテーブルを囲んでるところ。(50秒で早替えしたところね)急いでセットに入り込むのがわかるんやけど、席に着くとちゃんと芝居してるんですよね。マシューと何か話しながら、コーヒーにお砂糖をスプーンに1杯入れてかき混ぜてました。細長いワイングラス、中は空やけど、ちゃんと飲んでたし。
どんな会話をしてるかは・・・2階席ではわからんけども(汗)
マシューといえば、1幕でのベッドシーン(←だから、言い方よ!) 病で倒れたマシューを見舞って、思わずベッドの横にケインが入り込むんやけど、初日はそこで笑い声があったのに、この日はなかったんですよ。少なくとも私の周囲ではなくて。慣れたの? 意外性はなかったってこと?
ここで病んでるマシューが、いつもケインが自分の前を歩いていたけど、死ぬことは自分の方が先だ、みたいなことを言うんですね。ほんと悲しすぎる。ケインがいつくしむようにマシューを見つめるのが泣けてきますよね。
そしてマシューがカクッとなって息絶えるのは、初日よりは自然な感じになってたかな。
そのマシューが、銀行に損害を与えてしまったから融資をストップすることになったってアランはいうんやけど、原作はそうではなくて。マシューのせいではなく時代のせいですよ。なんせ、世界恐慌やから。
「♪大恐慌」、2つの長テーブルの周囲に民衆がいて、そのテーブルにひょいと乗って険しい顔をして上手に歩いていくケインのシーンがあります。
初日はケインの顔をオペラで追ってたから気が付かなかったけど、ケインが歩き終わった1台目の長テーブルを、2台目のテーブルの前にアンサンブルの皆さんが運んでたんですね! ケインが歩き続ける、不穏な細い道のように。
銀行家は、銀行と、そして人に尽くすべき。ケインの心の葛藤が伝わるシーンですよね。
アベルは、ホテルプラザのレストランでの働き方を気に入られてホテル王リロイのリッチモンドホテルで働くことになりますが、リロイさん、株をやって儲けていたからリッチモンドがずさんな経営で赤字が出てても平気やったんですね。ホテルを抵当に入れて銀行からお金を借りて・・・そこに世界恐慌です。
200万ドルを期日までに支払わなければ競売にかけられる・・・「君なら立て直せるかもしれない」そんなホテルをアベルに託して死んでしまうんです。
1幕ラストで、アベルがケインに融資を申し込みに行くところ。融資はダメだと言うアランに、銀行家は社会のためにすべきことがあると(そんな感じの台詞)ケインが言って、アランと言い合った余韻があるまま、アベルを迎えてるんですよね。
融資はできないというケインにいら立つアベル。でもこの時、ケインはアベルを評価する。アベルが帰ったあと、ケインがどこかに電話するシーンがありますが、ここは上手で憤懣冷めやらぬアベルが描かれてて、ケインの台詞は聞こえません。でも、これは匿名で200万ドルを融資する依頼をする電話やったんですよね。
このあとジョージがアベルに、「匿名の投資家が貸してくれる」という報告をするから、ここで、このストーリーにうすうす気づく人も多いかと。
アベルに200万ドルを投資したのはケインだろうなと。
そしたら、なんで、このことを素直にアベルに言わなかったん?って思いますよね。言うチャンスは何度もあったはずやのに。そしたら30年以上アベルに恨まれることも、アベルを憎悪することもなかったのに。
原作では最後にアベルが読む手紙で明かされるけど、父から受け継いだ銀行家としての稔侍が告白することを邪魔したんですよね。「職業上の利益と個人の利益が衝突する可能性があるから名前は明かせない」「いかなる受益者にも家族信託の投資を知らせてはならないと規定した信託証書に違反してはいけない」から。うーん、わかりづらーい。
舞台ではサクサクっといろんなものが省略されて物語が進むので、その分、わかりやすくドラマチックに描かれてます。
「あなたはなにも失ってない」・・・孤児として生まれ、故国も失って、アメリカンドリームを夢見て上り詰めてきたアベルはケインにこう言うけど、裕福な家に生まれたケインだって、父を失い、母を失い、友まで失うんですよ~~
SNSに流れてくる感想に、「洸平さんは踊れる人なんですね!」というのをよく見かけました。キレッキレとか、アイドルのダンスみたいに顔をのこしてターンしてるとか。
踊れることは知ってるから、ダンスがすごかったという印象がそれほどなかったんやけど、顔残すっていうのは、いわゆるアイソレってやつですよね。(アイソレーション、顔とか足とか手とかを独立して動かすというダンスの基礎らしい)洸平くんはできますよね。中学生のころからダンスをやってて(ちゃんと習ってはりました)、高校でヒップホップダンスの同好会を立ち上げたくらいの方なので。
「♪最高の時代」のハーバードクラブのシーンでキレッキレに踊ってたけど、二幕の、「♪成功間違いなし」のシーンでも、洸平くんは軽やかにステップしてましたね。
あれがチャールストンなんですよね! (今回、ダンスの基礎ステップ動画をどれだけ見たやら~~苦笑)
初日はオペラでお顔をガン見してたから気づかなかったけど(多分)、ほんと軽やかに無理なくステップしてるんですよ~ ほんで、上手~い。
青コーナーと赤コーナーで(←言い方!) W松下の二人が、軽やかに後ろに動いていくのも(ほぼケインしか見てないけど~~)、2階からしっかり拝見できました。ああやって、後ろに下がって窓辺へ行ってたのね、ケイン! ほんとにしなやか~
上から見るとよくわかる~ 初日、ほんま、どこ観てたんよ、私~(汗)
2週間経ってのこの日、洸平くんの芝居のメリハリもしっかり出ていました。静と動。ケインは静ばっかりではないんですよ。表情も豊かに(オペラ越しやけど)歌声も大きくなっていました。二幕の、優也くんと歌うところで、2か所ぐらい、高音が歌い辛そうに聞こえたんやけど、気のせい?? 多少の疲れはあったのかな。
二幕の、戦争シーン。
センターから見ると、あのナマお着換えの下着姿、前にいるアンサンブルの人と重なってケインの全身が見えなくなるんですね。まさにチューチュートレイン状態。サイドから見るとちゃんと見えたけど。でも、やっぱり、ケインしか見てないようで(笑) アベルの優也くんの着替え方はざっくりで、上着の胸がちょっとはだけてたりしてるらしいけど、気が付かず(苦笑)
このあとの洸平くんのソロ。
2階席で観た友だちから聞いた話では、2階席センターは照明をマトモに食らうらしいとのこと。
確かに、階段を上って歌うケイン越しに、3つ?の光がステージ奥から発射?されるんですよ。オペラで観たら目がくらむっていうからオペラをずらして・・・多少まぶしかったけどシルエットはわかるし。歌声も聴こえました~~ 後光に浮かび上がるケインもいいですよね
この曲はマシューが歌った「また会う日まで」のリプライズ。
歌詞にちゃんと、「マシュー、死ぬってこういうことかな」ってありましたね。マシューが僕の方が先だと言った死。死に対する恐怖と悲しみにあふれた歌でした。
バックの光が零れ落ちるような星空の?映像もキレイでしたね。
このあと、倒れたケインはアベルに担がれていくねんけど、アベル、初日よりもスムーズに担ぎましたよ。洸平くんが担がれに行ってる感じ(苦笑)。担がれた後も、アベルの背中で、手を初日よりもブラブラさせてました~(笑)
二幕で、ストリーテラーのフロレンティナが、「そこに私が登場します」とセットに登場していった時に客席から笑いがあって、ちょっとびっくり。初日はなかったですよね。確かに、可愛く楽しそうに登場していきましたけども。リチャードとの会話でも結構笑いがあって。やっぱり、この二人は癒しです~
リチャードがキスしてもいい? とかいって、フロレインティナの方からチューしたりして、ほんと可愛い~。
白いキューブのセットの上で、そのフロレンティナから、ケインの息子と付き合ってると聞いて激昂するアベル。ケインに対する敵意を聞かされ続けてきたフロレンティナやけど、彼女のアベルへの台詞が言い得てますよね。
「パパは賢いのに、どうしてそこだけ愚かなの」
ほんとに。
ヘンリーのことや、銀行の株をアベルが買い集めていることを知ってから、誤解を解こうとアベルに電話するケインですが、決裂した時にいうんですよね。
「俺はバカか。和解などできるはずないのに」 ほんとに悔しそうで、ここからアベルへの憎悪が増していくんです。
ちゃんと話せていれば、演じる洸平くんと優也くんのようにコミュニケーションがとれていれば、仕事面でも良いバディになれたはずやのにね、ケインとアベル。
初日、あまり印象に残ってなかったのが、ケインがリチャードを叱責するところ。アベルは、娘に言い負かされて?リチャードに会おうと思うのに、ケインはまったく折れないんです。アベルに対する憎悪が高まりすぎてて。ケインのリチャードへの叱責、初日よりも確かにヒートアップしてました。
上演を重ねるにしたがってもっともっと表情が険しくなっていったらしいですよ。(洸平くんの怒りの表情、必見ですよね! 大阪公演で観られるかな~)
原作でもケインはかたくなで、最後の最後まで、自分の息子に銀行を継がせることだけを考えてましたね。あの辺はほんとに堅物。そのために、アベルの娘との結婚をきっぱり諦めさせようと思ってましたから。
そしてこの日も、ケイトとザフィアがそれぞれの夫を非難するところから始まる「♪もううんざり」 こちらもさらにパワーアップしてましたね。
青と赤の、それぞれのところから登場するケインとアベルが中央で交差して、振り向いたらそれぞれの妻が歌うんです。、「あんたらええかげんにしいや」的な?その叱咤激励のパワーがすごかったです。
ここに、リチャードとフロレンティナも加わって6人で歌い上げますが、拍手も大きかったですよね。
しっかり見ておこうと思ったのは、老いたケインとアベルの「♪何のために」。
老いたケイン、本当に洸平くんの杖をついての歩き方、姿勢がおじいさんで、ほんま上手すぎる。老いたアベルも老いてるけど、優也くんは恰幅あるし。洸平くんもたくさん着重ねてはいるようやけど、枯れた感があるというか。みすぼらしくはないです。コートもスーツも帽子も上品で、お金持ち感はちゃんとあります。帽子をかぶってるから、2階からはシュッとした顎のへんしか見えないけど。
「私より老けている」ってアベルが歌うんやけど、(ケインは病持ちやから・・・汗)
二人が中央ですれ違う時に、アベルは振り向き、気付くんですね。過去に会った彼のことを。
ケインもアベルを見たのかな。向こう向きになってるからわからなかったけど。
それぞれ、上手、下手に行って、振り返って帽子を持ち上げて会釈するんです。
原作ではケイン目線で語られてて、アベルの腕輪に気づいてケインが記憶をよみがえらせ、すべてのパズルが収まるところに収まったって思うんです。プラザのレストランで見た時のこと、ボストンの、ケインの銀行に融資を依頼しに来た時のこと、あの銀の腕輪を「どこかで見たな」ってケインは思いましたしね。そしてドイツの戦場で見かけた後ろ姿(原作を何度読んでも、銀の腕輪に気づくくだりはなかったんやけど)・・・今回の舞台でも、戦場でアベルが助けてくれたことに気づくような具体的な演出はなかったような・・・
原作では、すれ違う時に帽子を上げて会釈したらアベルも会釈して、二人は一言も交わさずに逆方向に歩いていきます。
「それだけで充分だった」フロレンティナに再会した時、アベルはそういうんですね。
老いた二人のシーンから涙目なんやけど、ラストの、書類を読むアベルの後ろ、光の道を歩いてくるケインの姿が見えただけで涙がこぼれてきました。そして穏やかにアベルを見て、アベルに駆け寄ってくる孫が目の前を通るときに、ケインはその背中を押します。初日は軽く押してる感じやったけど(多分) この日は、かなりしっかり、ポンと押したように見えました。リチャードとフロレンティナの息子、名前はウィリアム・アベル・ケイン。この日もここは号泣・・・
周辺で、嗚咽する声が聞こえてきたような・・・
アベル役の松下優也くんは兵庫県西ノ宮出身の方。ミュージシャンでデビュー。2、5次元ミュージカル「黒執事」から知ってるけど、私の大好きな舞台、『MIDSUMMER CAROL ガマ王子 vs ザリガニ魔人』の再々演に出演されてて、それが舞台で優也くんを拝見するのがお初やったかと。朝ドラ「べっぴんさん」に登場した時に、ちょっと話題になってましたよね。あと、「アシガール」で伊藤健太郎くんのお兄ちゃんの役をされてたり。ドラマもいろいろ出演されてます。
そういや、一昨年のミュージカル『太平洋序曲』の時はWキャストの山本耕史さんの方を観たので、優也くんの方は拝見できてなった。
なんとなく、洸平くんより年上かなと思ってたら年下で(34歳)、もっと細くて小柄と思ってたら、180㎝もあるし、カラダも一段と大きくなってました~ ちょっとびっくり。
洸平くんと優也くん、初共演やけど、歌もぴったり合ってました。
育ちがよくて上品で、冷静だけど信念を貫こうとする頑固さがあるケインと、野心があって喜怒哀楽が激しくも愛情深いアベル。ちゃんとそれぞれの人物像をつくっていくお二人がすごい。
お互いをリスペクトし合ってるのはインタビューとかでも拝見してるけども、信頼しているからこそ、思いっきり演じることができるんやろうなと。
バレンタインの日の、洸平くんのポストは泣けてくるくらい深かったけど、→ こちら
優也くんを「日本の宝」ともおっしゃって。
その洸平くんのポストに、優也くんが、「相棒じゃなくて恋人にしたいなぁ」「恋人にしたい有名人1位にいってもらえるなんて」なんてコメントしてました!
ほんとに、めちゃくちゃ、愛してくれてますね!!
大阪公演は、23日から3月2日まで、新歌舞伎座。早々にチケット完売して、見切り席も販売して完売。先日、立見席も出て、それも完売。
いつも利用している満席応援チケット救済サイトにもチケットは出てこないし、某転売サイトでは、大千穐楽のチケットが桁外れなのが出品されててびっくり。
世界初演のミュージカル、これだけ人気が出てるので、きっと再演はされるはず。とはいえ、早くても2年先かな?
(来年は大河で家康を演じなければなので!!)
老い先短いので、なる早でお願いします~~
新歌舞伎座に、ケインとアベルの幟旗も立ったようです。洸平くんの幟、早く見たいな~~
記憶の上書きをしてしまう前に、2度目の観劇の感想を記しておかねば・・・
前回書きそびれたことも含め、やっぱり長い・・・汗
そして、ケイン目線・・・アベル、ごめんよ~~
(初日の感想は → こちら )
これから観るという方、ネタバレいらないという方、興味がない方はスルーを。
記憶違いもあるやろうし、文中の台詞も正確ではないです。そんな感じの台詞やったということで。
何度も観劇してる方は細かな所作や台詞、楽曲の歌詞まで覚えておられるようですが、観劇中はケインを追うのに精いっぱいで(笑)そんな余裕もなく~
とにかく、忘れないうちに、書きかけの記録をアップしておきます~
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プログラムと、グッズの銀行券風メモ用紙。そしてプリンシパルキャストが入ったチラシ(こちらにはなかった~)
シニアチケットで用意されたのは、2階席のセンター3列目。
ほんとに舞台が良く見えました。セットの転換、照明、プロジェクションマッピングの映像、何より、アンサンブルの方々含め、キャストの皆さんの動きもよくわかりました。
初日はちょっと傾斜がある14列目の上手なので、オペラグラスで洸平くんをガン見してたから、つくづく、下手のお芝居をふくめ全体をちゃんと観れてなかったですね。
2階からだと全体がよく見えるので、見開きで左右で描かれるシーンや、セットの後ろに映し出される景色もよく見えます。床に当たる照明の絵柄も!ほんとに、各所で、プロフェッショナルな方々がお仕事をされてるんやなぁと。
オープニングで、フロレンティナがアルバムらしきものを持って中央奥から出てくるんですが、キューブの割れ目、センターに光の道が現れてました。そうなのね~~
そして、この演出はラストの、ケインが登場するところも同じでした。キューブが左右に引かれて、光の道ができるんです。なるほど~
そして、何気にセットを動かす人は黒子やと思ってたんですけど、白いシャツを着た半分白子(苦笑)でした。舞台スタッフは黒のイメージやったから、意外ですね。アメリカンスタイルなんでしょうかね~
移民船シーンも、「♪アメリカンドリーム」を歌いながら、アベル、ジョージ、ザフィア、そしてアンサンブルさんも、こんなふうに動いてたんやと。
オーケストラが見えるハーバードクラブ「♪最高の時代」のシーン、洸平くんが登場するのを見逃したらあかんて思ってオペラを構えてたけど、やはり、出てくるタイミングを見逃して・・汗 気づいたら中央にいはりました~(苦笑)
タキシード姿がほんとに品がよくてカッコ良い~
歌声は・・・初日、音程を確かめるように丁寧に歌っていた「♪父の名に恥じぬよう」
この日も同じように丁寧やったけど、ラストの、「はじぬよおぅ~~~~」のロングトーンの前、ブレスするところ、息を吸い込む音が聞こえるくらい深く吸ってましたね。もう、しっかり、自分の歌にしてる~~
プラザホテルのケイン、アランとマシューの3人でテーブルを囲んでるところ。(50秒で早替えしたところね)急いでセットに入り込むのがわかるんやけど、席に着くとちゃんと芝居してるんですよね。マシューと何か話しながら、コーヒーにお砂糖をスプーンに1杯入れてかき混ぜてました。細長いワイングラス、中は空やけど、ちゃんと飲んでたし。
どんな会話をしてるかは・・・2階席ではわからんけども(汗)
マシューといえば、1幕でのベッドシーン(←だから、言い方よ!) 病で倒れたマシューを見舞って、思わずベッドの横にケインが入り込むんやけど、初日はそこで笑い声があったのに、この日はなかったんですよ。少なくとも私の周囲ではなくて。慣れたの? 意外性はなかったってこと?
ここで病んでるマシューが、いつもケインが自分の前を歩いていたけど、死ぬことは自分の方が先だ、みたいなことを言うんですね。ほんと悲しすぎる。ケインがいつくしむようにマシューを見つめるのが泣けてきますよね。
そしてマシューがカクッとなって息絶えるのは、初日よりは自然な感じになってたかな。
そのマシューが、銀行に損害を与えてしまったから融資をストップすることになったってアランはいうんやけど、原作はそうではなくて。マシューのせいではなく時代のせいですよ。なんせ、世界恐慌やから。
「♪大恐慌」、2つの長テーブルの周囲に民衆がいて、そのテーブルにひょいと乗って険しい顔をして上手に歩いていくケインのシーンがあります。
初日はケインの顔をオペラで追ってたから気が付かなかったけど、ケインが歩き終わった1台目の長テーブルを、2台目のテーブルの前にアンサンブルの皆さんが運んでたんですね! ケインが歩き続ける、不穏な細い道のように。
銀行家は、銀行と、そして人に尽くすべき。ケインの心の葛藤が伝わるシーンですよね。
アベルは、ホテルプラザのレストランでの働き方を気に入られてホテル王リロイのリッチモンドホテルで働くことになりますが、リロイさん、株をやって儲けていたからリッチモンドがずさんな経営で赤字が出てても平気やったんですね。ホテルを抵当に入れて銀行からお金を借りて・・・そこに世界恐慌です。
200万ドルを期日までに支払わなければ競売にかけられる・・・「君なら立て直せるかもしれない」そんなホテルをアベルに託して死んでしまうんです。
1幕ラストで、アベルがケインに融資を申し込みに行くところ。融資はダメだと言うアランに、銀行家は社会のためにすべきことがあると(そんな感じの台詞)ケインが言って、アランと言い合った余韻があるまま、アベルを迎えてるんですよね。
融資はできないというケインにいら立つアベル。でもこの時、ケインはアベルを評価する。アベルが帰ったあと、ケインがどこかに電話するシーンがありますが、ここは上手で憤懣冷めやらぬアベルが描かれてて、ケインの台詞は聞こえません。でも、これは匿名で200万ドルを融資する依頼をする電話やったんですよね。
このあとジョージがアベルに、「匿名の投資家が貸してくれる」という報告をするから、ここで、このストーリーにうすうす気づく人も多いかと。
アベルに200万ドルを投資したのはケインだろうなと。
そしたら、なんで、このことを素直にアベルに言わなかったん?って思いますよね。言うチャンスは何度もあったはずやのに。そしたら30年以上アベルに恨まれることも、アベルを憎悪することもなかったのに。
原作では最後にアベルが読む手紙で明かされるけど、父から受け継いだ銀行家としての稔侍が告白することを邪魔したんですよね。「職業上の利益と個人の利益が衝突する可能性があるから名前は明かせない」「いかなる受益者にも家族信託の投資を知らせてはならないと規定した信託証書に違反してはいけない」から。うーん、わかりづらーい。
舞台ではサクサクっといろんなものが省略されて物語が進むので、その分、わかりやすくドラマチックに描かれてます。
「あなたはなにも失ってない」・・・孤児として生まれ、故国も失って、アメリカンドリームを夢見て上り詰めてきたアベルはケインにこう言うけど、裕福な家に生まれたケインだって、父を失い、母を失い、友まで失うんですよ~~
SNSに流れてくる感想に、「洸平さんは踊れる人なんですね!」というのをよく見かけました。キレッキレとか、アイドルのダンスみたいに顔をのこしてターンしてるとか。
踊れることは知ってるから、ダンスがすごかったという印象がそれほどなかったんやけど、顔残すっていうのは、いわゆるアイソレってやつですよね。(アイソレーション、顔とか足とか手とかを独立して動かすというダンスの基礎らしい)洸平くんはできますよね。中学生のころからダンスをやってて(ちゃんと習ってはりました)、高校でヒップホップダンスの同好会を立ち上げたくらいの方なので。
「♪最高の時代」のハーバードクラブのシーンでキレッキレに踊ってたけど、二幕の、「♪成功間違いなし」のシーンでも、洸平くんは軽やかにステップしてましたね。
あれがチャールストンなんですよね! (今回、ダンスの基礎ステップ動画をどれだけ見たやら~~苦笑)
初日はオペラでお顔をガン見してたから気づかなかったけど(多分)、ほんと軽やかに無理なくステップしてるんですよ~ ほんで、上手~い。
青コーナーと赤コーナーで(←言い方!) W松下の二人が、軽やかに後ろに動いていくのも(ほぼケインしか見てないけど~~)、2階からしっかり拝見できました。ああやって、後ろに下がって窓辺へ行ってたのね、ケイン! ほんとにしなやか~
上から見るとよくわかる~ 初日、ほんま、どこ観てたんよ、私~(汗)
2週間経ってのこの日、洸平くんの芝居のメリハリもしっかり出ていました。静と動。ケインは静ばっかりではないんですよ。表情も豊かに(オペラ越しやけど)歌声も大きくなっていました。二幕の、優也くんと歌うところで、2か所ぐらい、高音が歌い辛そうに聞こえたんやけど、気のせい?? 多少の疲れはあったのかな。
二幕の、戦争シーン。
センターから見ると、あのナマお着換えの下着姿、前にいるアンサンブルの人と重なってケインの全身が見えなくなるんですね。まさにチューチュートレイン状態。サイドから見るとちゃんと見えたけど。でも、やっぱり、ケインしか見てないようで(笑) アベルの優也くんの着替え方はざっくりで、上着の胸がちょっとはだけてたりしてるらしいけど、気が付かず(苦笑)
このあとの洸平くんのソロ。
2階席で観た友だちから聞いた話では、2階席センターは照明をマトモに食らうらしいとのこと。
確かに、階段を上って歌うケイン越しに、3つ?の光がステージ奥から発射?されるんですよ。オペラで観たら目がくらむっていうからオペラをずらして・・・多少まぶしかったけどシルエットはわかるし。歌声も聴こえました~~ 後光に浮かび上がるケインもいいですよね
この曲はマシューが歌った「また会う日まで」のリプライズ。
歌詞にちゃんと、「マシュー、死ぬってこういうことかな」ってありましたね。マシューが僕の方が先だと言った死。死に対する恐怖と悲しみにあふれた歌でした。
バックの光が零れ落ちるような星空の?映像もキレイでしたね。
このあと、倒れたケインはアベルに担がれていくねんけど、アベル、初日よりもスムーズに担ぎましたよ。洸平くんが担がれに行ってる感じ(苦笑)。担がれた後も、アベルの背中で、手を初日よりもブラブラさせてました~(笑)
二幕で、ストリーテラーのフロレンティナが、「そこに私が登場します」とセットに登場していった時に客席から笑いがあって、ちょっとびっくり。初日はなかったですよね。確かに、可愛く楽しそうに登場していきましたけども。リチャードとの会話でも結構笑いがあって。やっぱり、この二人は癒しです~
リチャードがキスしてもいい? とかいって、フロレインティナの方からチューしたりして、ほんと可愛い~。
白いキューブのセットの上で、そのフロレンティナから、ケインの息子と付き合ってると聞いて激昂するアベル。ケインに対する敵意を聞かされ続けてきたフロレンティナやけど、彼女のアベルへの台詞が言い得てますよね。
「パパは賢いのに、どうしてそこだけ愚かなの」
ほんとに。
ヘンリーのことや、銀行の株をアベルが買い集めていることを知ってから、誤解を解こうとアベルに電話するケインですが、決裂した時にいうんですよね。
「俺はバカか。和解などできるはずないのに」 ほんとに悔しそうで、ここからアベルへの憎悪が増していくんです。
ちゃんと話せていれば、演じる洸平くんと優也くんのようにコミュニケーションがとれていれば、仕事面でも良いバディになれたはずやのにね、ケインとアベル。
初日、あまり印象に残ってなかったのが、ケインがリチャードを叱責するところ。アベルは、娘に言い負かされて?リチャードに会おうと思うのに、ケインはまったく折れないんです。アベルに対する憎悪が高まりすぎてて。ケインのリチャードへの叱責、初日よりも確かにヒートアップしてました。
上演を重ねるにしたがってもっともっと表情が険しくなっていったらしいですよ。(洸平くんの怒りの表情、必見ですよね! 大阪公演で観られるかな~)
原作でもケインはかたくなで、最後の最後まで、自分の息子に銀行を継がせることだけを考えてましたね。あの辺はほんとに堅物。そのために、アベルの娘との結婚をきっぱり諦めさせようと思ってましたから。
そしてこの日も、ケイトとザフィアがそれぞれの夫を非難するところから始まる「♪もううんざり」 こちらもさらにパワーアップしてましたね。
青と赤の、それぞれのところから登場するケインとアベルが中央で交差して、振り向いたらそれぞれの妻が歌うんです。、「あんたらええかげんにしいや」的な?その叱咤激励のパワーがすごかったです。
ここに、リチャードとフロレンティナも加わって6人で歌い上げますが、拍手も大きかったですよね。
しっかり見ておこうと思ったのは、老いたケインとアベルの「♪何のために」。
老いたケイン、本当に洸平くんの杖をついての歩き方、姿勢がおじいさんで、ほんま上手すぎる。老いたアベルも老いてるけど、優也くんは恰幅あるし。洸平くんもたくさん着重ねてはいるようやけど、枯れた感があるというか。みすぼらしくはないです。コートもスーツも帽子も上品で、お金持ち感はちゃんとあります。帽子をかぶってるから、2階からはシュッとした顎のへんしか見えないけど。
「私より老けている」ってアベルが歌うんやけど、(ケインは病持ちやから・・・汗)
二人が中央ですれ違う時に、アベルは振り向き、気付くんですね。過去に会った彼のことを。
ケインもアベルを見たのかな。向こう向きになってるからわからなかったけど。
それぞれ、上手、下手に行って、振り返って帽子を持ち上げて会釈するんです。
原作ではケイン目線で語られてて、アベルの腕輪に気づいてケインが記憶をよみがえらせ、すべてのパズルが収まるところに収まったって思うんです。プラザのレストランで見た時のこと、ボストンの、ケインの銀行に融資を依頼しに来た時のこと、あの銀の腕輪を「どこかで見たな」ってケインは思いましたしね。そしてドイツの戦場で見かけた後ろ姿(原作を何度読んでも、銀の腕輪に気づくくだりはなかったんやけど)・・・今回の舞台でも、戦場でアベルが助けてくれたことに気づくような具体的な演出はなかったような・・・
原作では、すれ違う時に帽子を上げて会釈したらアベルも会釈して、二人は一言も交わさずに逆方向に歩いていきます。
「それだけで充分だった」フロレンティナに再会した時、アベルはそういうんですね。
老いた二人のシーンから涙目なんやけど、ラストの、書類を読むアベルの後ろ、光の道を歩いてくるケインの姿が見えただけで涙がこぼれてきました。そして穏やかにアベルを見て、アベルに駆け寄ってくる孫が目の前を通るときに、ケインはその背中を押します。初日は軽く押してる感じやったけど(多分) この日は、かなりしっかり、ポンと押したように見えました。リチャードとフロレンティナの息子、名前はウィリアム・アベル・ケイン。この日もここは号泣・・・
周辺で、嗚咽する声が聞こえてきたような・・・
アベル役の松下優也くんは兵庫県西ノ宮出身の方。ミュージシャンでデビュー。2、5次元ミュージカル「黒執事」から知ってるけど、私の大好きな舞台、『MIDSUMMER CAROL ガマ王子 vs ザリガニ魔人』の再々演に出演されてて、それが舞台で優也くんを拝見するのがお初やったかと。朝ドラ「べっぴんさん」に登場した時に、ちょっと話題になってましたよね。あと、「アシガール」で伊藤健太郎くんのお兄ちゃんの役をされてたり。ドラマもいろいろ出演されてます。
そういや、一昨年のミュージカル『太平洋序曲』の時はWキャストの山本耕史さんの方を観たので、優也くんの方は拝見できてなった。
なんとなく、洸平くんより年上かなと思ってたら年下で(34歳)、もっと細くて小柄と思ってたら、180㎝もあるし、カラダも一段と大きくなってました~ ちょっとびっくり。
洸平くんと優也くん、初共演やけど、歌もぴったり合ってました。
育ちがよくて上品で、冷静だけど信念を貫こうとする頑固さがあるケインと、野心があって喜怒哀楽が激しくも愛情深いアベル。ちゃんとそれぞれの人物像をつくっていくお二人がすごい。
お互いをリスペクトし合ってるのはインタビューとかでも拝見してるけども、信頼しているからこそ、思いっきり演じることができるんやろうなと。
バレンタインの日の、洸平くんのポストは泣けてくるくらい深かったけど、→ こちら
優也くんを「日本の宝」ともおっしゃって。
その洸平くんのポストに、優也くんが、「相棒じゃなくて恋人にしたいなぁ」「恋人にしたい有名人1位にいってもらえるなんて」なんてコメントしてました!
ほんとに、めちゃくちゃ、愛してくれてますね!!
大阪公演は、23日から3月2日まで、新歌舞伎座。早々にチケット完売して、見切り席も販売して完売。先日、立見席も出て、それも完売。
いつも利用している満席応援チケット救済サイトにもチケットは出てこないし、某転売サイトでは、大千穐楽のチケットが桁外れなのが出品されててびっくり。
世界初演のミュージカル、これだけ人気が出てるので、きっと再演はされるはず。とはいえ、早くても2年先かな?
(来年は大河で家康を演じなければなので!!)
老い先短いので、なる早でお願いします~~
新歌舞伎座に、ケインとアベルの幟旗も立ったようです。洸平くんの幟、早く見たいな~~