団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

刑事原告人

2007-11-17 22:01:58 | 社会

刑事原告人

2007年11月17日(土)


 2005年3月3日、私は刑事事件の原告人となった。
 当日、私は来客窓口を担当していたが、ある男がえらい剣幕で怒鳴り込んできた。その要求は理不尽なものだったので、要求を認めるわけにはいかない。しばらく、押し問答が続いたが、相手はますます激昂しだし、私に掴みかからんばかりの形相で、「殺してやる。」と言ったのだ。

 私は用意周到にICレコーダーで録音を録っていたので、十分証拠になると思い、110番した。そして、男は逮捕された。余談だが、警察官が十数人も来た。

 10月28日、第1回の口頭弁論に、検事側の証人として呼ばれた。事前に担当検事と打ち合わせをしていたのだが、さすが法廷で証言するというのは初めての経験であり、緊張した。検事側の尋問は打ち合わせていたので、何等問題なかったが、弁護士の反対尋問には、とまどった。

 私の知らない「判例」を言いだし、それに対しての見解を求められたのだ。弁護士の意図もよくわからないし、知らない判例であったため、「知りません。」と答えた。
 
 その後のことである。多分裁判史上前代未聞のことが起こった。
 通常、次回の公判日程について、裁判長が案を出し、弁護士、検事がOKなら成立するのだが、この時は、弁護士の日程がなかなか合わず、4回目位にやっと日程が成立しかけた矢先、被告人がその日程に関して「その日はちょっと・・」と言ったのだ。
 
 裁判長が被告人に「どうしたの?」と聞いたところ、被告人は、その日は自分の誕生日だと言った。
 だいたい、公判の日程に、勾留されている身で自分の都合を言える立場にもなく、しかも、その日が誕生日だということが何等公判日程に影響を与えるものではない。

 裁判長も、トンチのきいた人で、「それじゃその時、誕生日おめでとう、と言ってあげるよ。」と収めた。
 ほんとは、法廷内大爆笑のような事例だが、傍聴者は数人だったので、皆心の中で嘲笑ったのではなかろうか。

 さて、最後に私のかっこいい、証言の締めくくりを紹介したい。
 証人台を去る時、裁判長から意見を求められた。私の回答は次のとおりであった。

 「法律に基づき、厳正に処罰をしていただきたい。それ以上でもそれ以下でもありません。」

 事件があったのは、2005年3月3日。
 人生時計「16時39分」 チン

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