広島交響楽団第349回定期演奏会
2015年5月27日(水)
演奏会へ行く前は、寂しい気持ちでした。①楽友が今回パスするというのです。広響の定期会員になっているにも関わらずです。この日、広島とヤクルトの試合があり、良いグッヅを貰えるのだそうです。例のヤクルトの応援パラソルなんですが、赤い色!のやっつで、ヤクルトをやっつけろ!結果は負け。この方のカープ応援は半端ではないです。先日は浜松まで応援に行き、これも負け。もう、これ以上行かないでください。②昨年までは、wifeと同伴でしたが、sifeと相談の結果、一人でS席からA席へと事業仕分けを行い、経費削減を図ったのです。
・2015年5月22日、広島市文化学園HBGホール
・ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調作品21
・ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」作品16
・ヴィオラ:リチャード・ヨンジョ・オニール
・指揮:大植英次
・客演コンサートマスター:田野倉雅秋
ベートーヴェンの交響曲第1番は、28歳から29歳にかけて作曲しています。出だし、ちょっと締りのない音響で始まりますが、青年ベートーヴェンの自信溢れる、作品です。「苦悩を通して歓喜へ」と言われますが、この曲には苦悩は全くありません。明るく、開放感に満ち満ちています。ただ、特徴の第一楽章のソナタ形式は、完成されていないようで、他の曲にあるように、再現部からコーダにかけての高揚感は、いま一歩という感じです。
ベルリオーズのイタリアのハロルドは初めて聴きました。ヴィオラ独奏がありヴィオラ協奏曲と何故言わないのか、不思議です。ベルリオーズはベートーヴェンの33年後に生まれた人ですが、管弦楽法を大きく変えたのか、迫力のある音響が特徴です。ブラスとシンバルがその迫力に効果的で、この曲もダイナミックなブラスと場面展開を一新するようなシンバルの一撃が興奮させます。ただ、ベートーヴェンの曲に較べると、単調さが否めません。ベートーヴェンは確固たる流があるように思います。しかし、繰り返しになりますが、オーケストラの音響に圧倒的は迫力を与えたと言う点で、ベルリオーズの功績は多と思います。
この日、コンサートマスターは、前広響のコンマスの田野倉さんでした。大フィルのコンマスになりましたので、いわば凱旋公演とも思われます。ひときわ拍手が多かったように思います。
ヴィオラですが、地味な楽器ですが、実は、実は、ヴィオラ奏者に言わすと、「所詮、第一ヴァイオリンは、私達ヴィオラの手のひらで踊らされているだけよ。」ということだそうです。(でも、私、負け惜しみの部分があると思います。大概のヴィオラ奏者は、ヴァイオリン崩れ(失礼)なんです。)最近初めて知ったのですが、ヴィオラってヴァイオリンより難しいそうです。楽器も高いそうです。それなのに、ヴァイオリンに較べると・・。(泣き)
独奏者のオニールですが、韓国出身です。おどけたような表情をするのが、とても面白かったです。
指揮の大植さんは、代役でした。この方は広島と何らかの縁があるのか、広島市民賞受賞、第66回中国文化賞受賞という経歴があります。バースタインの弟子で、師匠に輪をかけたような、指揮台での大振りのジェスチャで最後は飛び上がってしまいました。あまりのジェスチャは如何かと思います。それは兎も角として、演奏終了後、コンマスと握手しないで、ヴィオラの安保さん(注)へ握手を求めるのは一体どうなっているのですか。
(注)安保恵麻さん。広響のヴィオラの首席です。この方、広響の女性奏者の中にあって、一際存在感があります。3年位前、広響のメンバーで弦楽四重奏会があり行ったのですが、安保さんが和服を着て来ておられて、何か周辺にオーラが漂っているようでした。
http://blog.goo.ne.jp/windy-3745-0358/e/4ec5ba054e4fdcba9627f4a5a187ef5a
売れ残りがこの程度なら、盛況です。
指揮は、本来はラン・シュイと言う中国出身の方でした。日中韓という組合せで、何らのメッセージを出したかったのかも知れません。音楽の上では、国の違いによるギクシャク感はありません。
8月5日の平和コンサートにアルゲリッチが来ます。これ、楽友からのメイルで知りました。持つべきものは、楽友です。6月7日のチケット発売日には並ぶことになります。同じ演奏をサントリーホールでも行うのですが、S席は15,000円也。広島では6,500円ですので格安です。約3番の差がありますので、「三取り」ホールと申します。(苦しい)これは、sifeと相談せずにwifeと行くことにします。
行く前は、寂しい気持ちでしたが、満足感あふれた気持ちで、太田川にかかっている橋を渡っているところです。川面に映っているのが分かり難いのは、私のカメラの操作が難しいせいです。