水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ROOKIES~卒業~

2009年06月02日 | 演奏会・映画など
 今日体育の研究授業を見て驚いたのだが、体育館ではこの授業一つだったので、とんでもなくスペースをとって授業していた。
 1年生のバスケットボールの授業だ。
 レイアップシュートの練習にコート3面で6ゴール使い、1対1のときは4面つかっていた。
 こんな学校はなかなかないんじゃないかな。
 だから、体育の授業で一番問題となるのは運動量の確保だが、ハード面から解決してしまっている。
 見ていると、生徒諸君はみんなよく言うことをきいて動く。
 これが高校生一般の姿であるとは思えないので、そういう意味でもわれわれは恵まれている。
 42名のクラスだが、このメンバーそのままを、例えば優秀なバスケの指導者が鍛えたとき、県大会の上位を狙えるくらいになるだろう。
 このままの42名を吹奏楽の優秀な指導者が鍛えれば、A部門で県大会上位を狙えるくらいにはなるだろうとも思った。
 ノウハウを持った指導者が、素直に努力できる高校生の集団を指導しさえすれば、ふつうに結果はついてくる。
 映画「ROOKIES~卒業~」が感動的な作品であることはまちがいないのだが、熱血教師が熱血だけの一年ちょっとの指導で甲子園に出られるという設定に違和感をおぼえてしまうと、心からは楽しめなくなる要素もあるといえる。
 二子玉学園ナインが、甲子園出場をかけて決勝を戦ったあいては、笹川高校という甲子園の常連校だ。
 優秀な指導者と情熱に燃える部員とが合理的かつ厖大な努力を積み重ねないかぎり、全国大会の常連にはなれない。
 それは吹奏楽の世界からかんたんに類推できる。
 「夢をあきらめるな」という強い思いだけで勝てる相手ではない。
 ぜったい甲子園にいく、普門館のステージに立つという強い思いをもっている高校生は何万人もいる(ほんとに本気なのは何千人かな … )。
 あきらめない気持ちを持ち続けるために必要なのは、やはり上達のスキルと練習量なのだろう。
 だから、試合のシーンだけでなく、それを支える他の場面ももう少しあってもよかったかなとも思ったが、2時間の作品にそこまでもとめるのも酷かもしれない。
 現役高校教師的視線からもう一つ言うと、卒業式が騒然としてしまうタイプの高校の場合、ふつう部活動はそれほど盛んではない。
 4月の新入部員勧誘の時期に、いろんな部活やサークルがチラシをくばり旗をたてて新入生をよびこむシーンがあったけど、現実にはこういう光景はなかなか存在しないのだ。
 でもじゅうぶん楽しかったし、泣ける。
 卒業式の日、二子学ナインが川藤に一人一人わかれの挨拶をする。
 「熱中時代」で北野広大が一人一人の思い出を言いながら別れを告げるシーンの逆パターンで、心にせまるものがあった。 



 
 
コメント
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