豊島ミホ『リテイク・シックスティーン』にラブ注入された。
どれくらいかというと、庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』と同じくらい。
年いってる人なら、そんなにおもしろかったの? と驚くレベルだと思うのだが、いかがでしょう。
主人公は、田舎の進学校に入学した高1の沙織。「あたし未来からやってきたんだ」という孝子、最初は沙織に惹かれけっきょく孝子とつきあうことになる大海くん、大海くんの幼なじみで吹奏楽部の村山くん。
この4人を中心にした、高校1年の一年間の出来事が描写される。
電車通学、調理実習、球技大会、試験、文化祭、授業風景 … (生徒がこんな風に書いて持ってきたら、言葉の次元をそろえなさいと指導するな)。 4人で行った海水浴、吹奏楽部に見学にいったけど入らなかった話、進路の悩み、スキー旅行の夜の事件。
当然、4人の人間関係にも紆余曲折があり、少女漫画の王道のような展開をみせる。
自分なんか人付き合いが下手で、とりえがなくて、と思っている沙織だが、相当かわいくてグラマラスであることが読み取れてくると彼女への萌え度もアップするばかりで、ひさしぶりの一気読みだった。
突然、体育の授業で走り高跳びをやったとき、けっこう跳べて最後の3人ぐらいに残って、自分の番になったとき、反対側でバレーボール(だったかな?)やってた女子の視線を感じてすごい緊張したなあ、なんてことを思い出す。
文化祭の後のなんかせつない気分とか、西福井の立ち食いそば屋に寄ってから古本屋に行くじみ~な楽しみのこととか、みんな仲良くしてくれるのだけど、ほんとの気持ちはわかってもらえてないのではないかという焦りのような気持ちをもっていた時期があったなあとか。
他人からみたらどうでもいい、ていうか眼中にないような日常の一こまなんだけど、自分にとってはかけがいのない何かだったし、一方で当時はそのかけがえのなさには気づかないでいた。
でも、そういう気づかなさこそがそういう時代に特徴であり、あれが青春時代ともいうべきものなのかなと言えるようになった人ほど、愛おしく読める小説だ。
どれくらいかというと、庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』と同じくらい。
年いってる人なら、そんなにおもしろかったの? と驚くレベルだと思うのだが、いかがでしょう。
主人公は、田舎の進学校に入学した高1の沙織。「あたし未来からやってきたんだ」という孝子、最初は沙織に惹かれけっきょく孝子とつきあうことになる大海くん、大海くんの幼なじみで吹奏楽部の村山くん。
この4人を中心にした、高校1年の一年間の出来事が描写される。
電車通学、調理実習、球技大会、試験、文化祭、授業風景 … (生徒がこんな風に書いて持ってきたら、言葉の次元をそろえなさいと指導するな)。 4人で行った海水浴、吹奏楽部に見学にいったけど入らなかった話、進路の悩み、スキー旅行の夜の事件。
当然、4人の人間関係にも紆余曲折があり、少女漫画の王道のような展開をみせる。
自分なんか人付き合いが下手で、とりえがなくて、と思っている沙織だが、相当かわいくてグラマラスであることが読み取れてくると彼女への萌え度もアップするばかりで、ひさしぶりの一気読みだった。
突然、体育の授業で走り高跳びをやったとき、けっこう跳べて最後の3人ぐらいに残って、自分の番になったとき、反対側でバレーボール(だったかな?)やってた女子の視線を感じてすごい緊張したなあ、なんてことを思い出す。
文化祭の後のなんかせつない気分とか、西福井の立ち食いそば屋に寄ってから古本屋に行くじみ~な楽しみのこととか、みんな仲良くしてくれるのだけど、ほんとの気持ちはわかってもらえてないのではないかという焦りのような気持ちをもっていた時期があったなあとか。
他人からみたらどうでもいい、ていうか眼中にないような日常の一こまなんだけど、自分にとってはかけがいのない何かだったし、一方で当時はそのかけがえのなさには気づかないでいた。
でも、そういう気づかなさこそがそういう時代に特徴であり、あれが青春時代ともいうべきものなのかなと言えるようになった人ほど、愛おしく読める小説だ。