水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

何のために

2010年01月06日 | 日々のあれこれ
 なんのために練習をするのか。
 いい演奏をするため。
 では、なぜいい演奏をしたいのか。
 「聴いてくれてる人にいい気持ちになってほしいから」とたぶん答えるだろうが、この答えには理屈がまじっている気もする。
 いい演奏をしたいから、その方が気持ちいいから、が根本ではないのか。
 別に何かのためではなく、そこに楽器があるから、楽曲があるから、音楽があるから、というのが本質かなと突然思う。
 部活動はどうだろう。
 尋ねられれれば、「部活動を通して人間的に成長するためです」とこれまで答えてきたし、これからも答えるだろう。
 でもよくよく考えてみると、なんの「ため」というのではなく、部活動そのものをやるためなのかもしれない。
 サッカー部員は、人間的に成長することよりもサッカーが好きだろう。
 野球部員もしかり。
 プロ野球選手も、年俸の多寡は重要ではあろうが、でもお金と野球とどっちが好き?と尋ねられれば、野球が好きというのが本当の自分のはずで、それぐらい好きでなかったら、プロにはなれない。
 いや好きとか得意とかではなく、それをやらずにいられない人にしかプロにはなれない。
 将棋部員は、他の何よりも将棋が好きなはずで、お金をはらってでも将棋をさしてつづけていたいだろう。
 じゃ、音楽もそれで何が悪いのか。
 なんか今までの運営方針と矛盾してしまうが、部活動を通して何かを学ぶ、つまり何かのためにやるのではなく、われわれは音楽をやることが第一の目的だと考えてはいけないのだろうか。
 人間的成長なんて、そんな小さなことの手段にあたしを利用しないで、と音楽の神ミューズに叱られている気が最近するのだ。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする