水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

返事

2010年01月22日 | 日々のあれこれ
 入試が始まった。
 試験を終えたあと、面接を担当する。
 「受験番号、中学校、なまえを言ってください」
 「はい、○○番 … 」と言い始めるときの印象は、話してみても大きく変わることがなく、「社員の採用は返事で決める」という、たむけんさんの本の通りだなと思う。
 わが部も、日頃から返事はしっかりしようという目標を立ててはいるが、徹底されているとは言い難い。
 やる気が足りないというより、しっかりした声を出す経験をしていないのではないかと思われる子がけっこういるのだ。
 いまの子は、大声で話さなくても、積極的な自己主張をしなくても、まして返事などしなくても生きていける。
 自分から話そうとしなくても、家ではお父さんお母さんが、あれこれ先回りしてやってくれる。
 昔のように兄弟が何人もいて、親も忙しくて、自己主張しなければ忘れられてしまう、自分の取り分が減ってしまう、なんて時代ではとっくになくなっている。
 学校に行けば、○○くんの言いたいことはこういうことかな、とやさしい先生がきいてくれる。
 その気になれば、この先だって、人とかかわらずに生きていこうと思えば生きていけるだろう。
 でも、それでいいと言ってしまったら学校が存在する意味がない。
 たとえ自分が先生じゃなくても、やはり一人よりも他人とふれあって生きていく方がおもしろいよ、せつない思いもするけどね、と大人として教えてあげたいものだ。
 そのためにはコミュニケーションが大事で、あいさつや返事はその基本だ。
 それができるようになった子の方が、部員としても成長するし、将来のためにもなる。
 入試休み明けの課題で、声の小さいときは、しっかり指導していくことにしよう。
  
 
コメント
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