打楽器パートだけ一泊先行して合宿開始。
打楽器パートの新しいエチュードにしようと思って勝った石川直さんの本『Mastering Rudiments』。
ドラムのきめ細かなエクササイズが山ほどつまっているのだが、練習や音楽に対する考え方を述べた第2章は、打楽器パートだけではなく、全部員が読むべき内容だった。
「成長する者としない者の違いは、ひとえに『考え方』にある」という言葉で二章がはじまり、上達のしかた、目標の立て方、日々の暮らし方など、「ドラム」を他の楽器におきかえてすべて成り立つ。
いやむしろ、人生全般への考え方と見てもいい。
成長するためには「情報・環境・時間」の三つが必要という話とか、楽器演奏にかぎらずすべてに通じる話が凝縮されている。
~ 世の中には、問題が自分の基盤の弱さにあると気付かずに石を積み上げ続け、不安定さを感じたときに下には戻らず、今いるその十何段目かだけをひたすら固めようとする人がいる。要するに、たとえば難しい技が上手く叩けないとき、基礎の見直しをせずに、ひたすらその難しいエクササイズばかりを繰り返して人。それでは問題はいつまでたっても解決しない。(石川直『Mastering Rudiments』) ~
打楽器の教則本を買ったつもりで、こんなに内容の濃い数頁を手に入れることができるとは思わなかった。