水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「 日本人の「顔」 」の授業 2  第二段落

2016年09月08日 | 国語のお勉強(評論)

 

第二段落〈 14~19段落 〉 「世間」


14 ここで世間とはどういう存在かを考えてみよう。
15 〈 日本人のコミュニケーションを理解するとき、「ウチ(内)」と「ソト(外)」の二つの領域を考える必要がある 〉。ウチは「身内」「ウチ(自分の会社)の人間」「内弁慶」という言葉に表されるような「自分が帰属する集団」をさし、ソトは自分にとっての部外者である「自分が帰属するもの以外の集団」などをさす。
16 日本人は〈 この二つの世界 〉をはっきりと区別していて、態度や行動パターンに違いが見られるという。
17 世間は、この「ウチ」と「ソト」の二つの世界の中間に位置し、〈 ある種のバッファー・ゾーン(緩衝地帯)になっている 〉。
18 世間には、自分となんらかのかかわり合い(利害関係)を持つ、自分のことをある程度知る、その「存在」や「視線」を意識する不特定多数の人間が含まれる。たまたま同じ空間を一時的にでも共有する人たち(同じ電車に乗っている人、同じ通りを歩いている通行人、同じ店で買い物や食事をしているお客)、ご近所さん。企業であれば、メディアや、消費者としての一般大衆が、すべて「世間」の中に含まれる。
19 ミスをしたり、不祥事を起こしたりすれば「世間に対して顔向けができない」「恥ずかしい」ということになる。要するに「世間の目」が、「恥」という不快な感情をベースにして日本人の行動をある意味で規制していると言えよう。


Q13「日本人のコミュニケーションを理解するとき、「ウチ(内)」と「ソト(外)」の二つの領域を考える必要がある」とあるが、なぜか。(50字以内)
A13 日本人は、「ウチ」と「ソト」とをはっきりと区別して、
    その時々の態度や行動パターンを使い分けるから。

Q14「この二つの世界」とは何と何か。
A14 「自分が帰属する集団」と「自分が帰属するもの以外の集団」


 「ウチ(内)」 … 自分が帰属する集団
     ↑
     ↑       なんらかのかかわり合い(利害関係)
   世間    ある程度(「存在」や「視線」)を意識
   ↓      不特定多数の人間を含む
     ↓
 「ソト(外)」 … 自分が帰属するもの以外の集団


    ウチ
     ↑
    緩衝地帯(世間)
     ↓
    ソト


Q15「世間」とはどのようなものか。(50字以内)
A15 自分とのなんらかの関わり合いを意識できる不特定多数の人間によって構成された、
    その時々の流動的な集団。

Q16「世間」は「ある種のバッファー・ゾーン(緩衝地帯)になっている」とはどういうことか。(60字以内)
A16 「世間」は、日本人一人一人が「ウチ」を出た際に、
    直接「ソト」の世界にさらされる衝撃を和らげる機能を持っているということ。


 ☆ 緩衝材 緩衝地帯 緩衝国 緩衝作用 

 ☆ 日本人は、個人が丸腰で外の世界にさらされることはなく、
   どこそこの誰々という衣装を身にまとって存在する。
   個人の責任だけが直接問われることを回避するシステムが
   世間であるとも言える。

 

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