学年だより「紙に書く(2)」
流れ星を見た瞬間に自分の願いを唱えることができた人は、それを叶えられる。
なぜか。その瞬間に躊躇なく口に出せるほど、ずっと思い続けているからだ。
「えっと、何をお願いしようかな……」と考えているうちに、流れ星は消えてしまう。
「チャンスの女神には前髪しかない」という西洋のことわざも、同じ主旨を表しているのだろう。
思いを継続して持ち続けていない人は、そもそも女神が通りかかっても気づかない。
~ では、こうした「ずっと願っている状態」を擬似的に作るにはとうすればいいのでしょうか。それはやはり、夢のことを考えるきっかけを増やすことです。その意味では、紙に書いて、毎日の生活動線上にある身近なところに置いておくことで、その紙を何度も見る可能性を高めるのも、夢へのマインドシェアを高めるコツです。例えば手帳の1ページだったり、ベタですがトイレに張り紙をしたり。夢を紙に書いたものを撮影して、スマホの待ち受け画面にしてもいいでしょう。
ある人は、「デジタルのメモは、ブラックホールの彼方に消えてしまう」とよく言っています。もちろん検索可能性の高さは時にすごい威力を持ちますし、僕もうまく使い分けして活用していますが、デジタルのメモは、何度も見返すきっかけを作ることはなかなか難しいという欠点があります。 (前田裕二『メモの魔力』幻冬舎) ~
「ずっと願っている状態」が、人生の「軸」となる。
いま何をすべきか。それを考える時間がもったいないのだ。
AをとるかBをとるかを即決するには、自分の「軸」に従えばいい。
試験の前の日のカラオケに行こうと誘われて断るのは、みなさんの体に一定の軸があるからだ。
授業が始まる前にノートを出すのを面倒がるのは、その軸が確固たるものではないからだ。
ささいな局面で、自分が何をするかを迷っている時間がもったいない。
極力時間を有効に使うために決めておく行為をルーティーンという。
~ スケジュールを、スケジュール帳以上に細かく見ていくと、例えば、「朝起きる→顔を洗う→歯を磨く→10分間テレビを見る→軽くストレッチする→着替える……」など、非常に細かいイベントの連続によって成り立っています。これらのイベントを積み重ねるときには必ず何らかの尺度によって、意思決定が成されているはずですが、その尺度が、自分の人生の軸に関連・依拠していなくてはなりません。例えば10分の時間を与えられたときに、TwitterやInstagramなどのSNSを見るのか。友達に電話をかけるのか。本を読むのか。PCを開くのか。ぼーっとするのか。この意思決定の向きは、本来、自身の価値観の軸つまり人生のコンパスによって指し示されるべきだと思っています。……勝負は書くか書かないか。もはやこれはテクニックの問題ではなく、自分の人生とどれだけ真剣に向き合うかという、「生き方」の問題なのです。 ~
今すぐノートを取り出そう。自分の目標を書いて、「軸」を明確にしておこう。