学年だより「反復」
近年、スポーツトレーニングの分野では、インナーマッスルをいかに鍛えるかが重要な課題になっている。インナーマッスルを鍛えると、どういういいことがあるのか。
アウターのマッスル、たとえば上腕二頭筋(力こぶ)や大胸筋(胸板)を鍛えると、パワーがうまれ、見た目もムキムキになる。
インナーマッスルが鍛えられたとしても、そのように見た目が大きく変化することはない。
しかし、プレーの質はあがる。関節が安定することで、怪我もしにくくなるし、アウターマッスルの力をより強く、より効率的に発揮できるようになる。
身体のバランスがよくなり、瞬間的なキレのある動きができるようになる。
そういう選手は、歩いているだけでも美しく見える。
勉強の「インナーマッスル」も存在する。
インナーマッスルを鍛える、もっとも手っ取り早い方法は「反復」だ。
同じことの「繰り返し」に意味があるのだろうかと、疑問をもつかもしれない。
しかし、人間は「まったく」同じことは二度やれない。
~ 反復すればするほど、同じことなんて、一つもないことが分かります。
同じことを、2回する方が、はるかに難しく、むしろ不可能です。
見た目にあきらかに違うことをすると、かえって同じことをしてしまいます。
一見、同じことを繰り返すから、一回一回が違うことに気付けて、楽しむことができるのです。
反復の面白さを知っている人と、まだ気付いていない人の2通りに分かれます。
「反復が退屈」と考えている人は、反復が好きではない人ではなくて、まだ反復の面白さに、気付いていないだけなのです。
あらゆるスポーツにおいて、トップアスリートの共通点は「反復好き」ということです。
「あんなにコツコツ反復して、偉いですね」と言います。
実際には、反復することが、面白くなっているのです。
反復が続くと、継続力になります。
継続力をつけるには、反復の面白さに気付くだけでいいのです。
反復の面白みを知ってしまうと、反復せざるを得なくなります。
それが、「あんなに練習して、あの人は偉い」ということの仕組みなのです。
(中谷彰宏「メンタルで勝つ方法」ボウリングマガジン12月号) ~
勉強のインナーマッスルを鍛えると、どういう良いことがあるのか。
運動のインナーマッスルと同じで、物理的な見た目に大きな変化が生まれるわけではない。
でも、よく見ると、なんとなく少し余裕があるように見える、顔がいきいきとして見える、というような変化となって現れる。
1時間目から6時間目まで集中して授業が受けられ、放課後の部活でもいい練習ができる。