水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

言い換え力(3)

2019年01月20日 | 国語のお勉強

    言い換え力(3)


2 文レベルの「相似」表現
 以下の表現は、それぞれ(①は①の例どうし、②は②の例どうし)同種の構造である。
 同じ構造の文で述べられる内容は、「言い換え」である可能性が高い。

 ① 対比を示す表現
 (例) ……。だが、――
     ……。しかし、――
     ……。一方、――
     ……ではなく、――
     ……に対して、――
     ……とは逆に――
     ……と言うよりむしろ――
     ……は――となっていった。

 ② 定義・主張を表す表現
 (例) ――である。
     ――ではないだろうか。
     ――なのである。
     ――必要がある。
     ――はずだ。
     ――なくてはならない。

 ③ 限定する表現
 (例) ――の場合は
     ――にとって
     ――のみ
     ――だけ
     ――ばかり
    ただし――
    もっとも――

 ④ マイナスイメージの付加表現
 (例) ……などというものは
     ……ですら・ さえ
     ……でしかない。
     ……と言わざるを得ない

 このc・④はb・②とともに特に重要だ。
 マイナスイメージの語句、表現をチェックし、重ね合わせて読む。
 この作業によって、筆者が何を批判しているのかをつかんでいくことができる。


3 語句・文・段落内容の「相似」表現

 ① 具体例での言い換え
 ② 引用による言い換え
 ③ 比喩による言い換え

 1・2とも重なるが、段落レベルにまで及ぶ「言い換え」がある。
 たとえば、一つの段落そのものが、その前の一語、一文、一段落の具体例となっているような場合である。

 以上の要素に気をつけて読むことで、評論文全体の構造が明らかになっていく。

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