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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

エア・ラーメン

2019年01月15日 | 学年だよりなど

  学年だより「エア・ラーメン」

 
 50歳を越えて、ますますウザいほどのアツさにみがきがかかる松岡修三氏だが、開幕した全豪オープンでもアツい解説をしてくれることだろう。
 松岡氏は、何かを食べるときも、「なんとなく」は食べるなと説く。


 ~ まず複式呼吸を何度か繰り返します。次に空気を吸い込んだ瞬間、食べ物が入ってくる胃を意識しながら「ハッハッ、ハッハッ」と声を出して息を吐き出します。そうすると、胃の中がおいしく食べるための最高の状態になります。
 ラーメンの食べ方も独特だといわれます。食べる前から割り箸を握って、麺をすする動きを繰り返すエア・ラーメンをしています。 (松岡修造『人生を変える修造思考』アスコム) ~


 松岡修三氏はこうやってラーメンを待つという。
 みなさんも、学食でチャレンジしてみたらどうだろう。
 なぜ、そこまでやらないといけないの? ネタじゃないの? と思った人もいるかもしれない。
 しかし『人生を変える修造思考』を一冊読み通してみたなら、多分笑えなくなる。
 そして、自分も何かやらなきゃという気持ちがわいてくる可能性もある。
 ここまでやったら、修造氏は食べる前に勝っていると思わないだろうか。
 「おいしく食べることは僕にとっての勝負です」と修造氏は言う。
 もちろん、その店との勝負ではない。
 自分が、いかにいいコンディションで食べることができるか、いかにいい食事ができるかの勝負をしているのだと言う。
 一週間後にフランス料理を食べる機会があったとしたら、その日に向けて体調を整える。
 当日は、朝食、昼食には脂っこいものをひかえてお腹に負担をかけないようにしておく。
 一食にかける準備さえ、ここまで徹底する。
 況わんやテニスの試合をや。現役時代、試合に向けて修造氏がどれだけの準備をしていたかは、想像に難くない。
 そして今、錦織選手や大坂選手の試合を解説するために、どれほどの準備をしていることだろう。
 翻って、自分はどうか。
 エア・ラーメンまでせよとは言わない。たとえば授業を受けるにあたって、せめて割り箸を割って待っているくらいは出来るのではないか。
 授業が始まって初めて「おれは何を食べようとしてるんだっけ?」というそぶりの人さえ見かける。それで、おいしく味わえるはずがないし、自分の実にならない。
 試合がはじまった瞬間には、勝つか負けるかは決まっている。
 試験が始まった瞬間には、何点とれるかはすでに決まっている。
 いい勉強ができるか、いい練習ができるかの、自分との「勝負」は、戦う前に決まる。
 本番は、すでに定まった運命の確認作業だ。
 運命を変えたければ、本番が始まる前までに、自分を変えておくしかない。

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地道に

2019年01月15日 | 日々のあれこれ

 大学入試も、面接試験も、芥川賞も、あるコミュニティーに所属させるべき人物かどうかを審議するためにあるという本質的な部分は似通っている。
 入試は学力が測られると考えられがちだが、試験問題自体が大学の先生方の価値観に基づいて作成され、その傾向を調べ、答えてほしい答えを書いた人が受かることになる。
 面接はまさにそのままで、入室した瞬間にほぼ決まるという話は、たしかにそうだろう。
 答案ではなく人そのものを見てしまうなら、AIなど足下に及ばない人間の総合判断力は、本能的に決めてしまっているはずだ。
 芥川賞、直木賞は、日本語で書かれていて、世間一般で文学という枠に入る作品というだけで、相当しぼられている。
 選考委員が、作品や作者を自分たちの仲間として迎え入れられるかどうかの判断になる。
 今期は、芥川賞は「1R1分34秒」と「平成くん、さようなら」、直木賞は「熱帯」と「宝島」の両賞2作ずつの大盤振る舞いになると予想してみた。
 コンクールの審査はどうだろう。
 数年前に新人戦が始まったころは、自由曲の選び方に幅があったけど、今は夏のコンクールに近づいている。
 コンクールの演奏とはこういう方向性であるべきだといイデア的なものをみんなが目指す演奏になっている。
 楽しくはないけど、かぎりなく勉強になった。出てよかった。
 今日のミーティングで確認できたことを、一つずつ地道にやっていきたい。

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